折り上げ天井って何?メリット・デメリットや導入時のポイントを紹介
ここでは、折り上げ天井の概要から、折り上げ天井のメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイント等を共有していきます。
2024.11.21
住宅ローンには、親子で1本のローンを組み、二世代に渡って返済をしていく親子リレーローンという商品が存在します。
ただし、親子リレーローンを良く考えずに利用した結果、ほかのローンを組みづらくなったり、家族間のトラブルになったりしてしまい、後悔する方も少なくありません。
本記事では、親子リレーローンの概要やペアローンとの違い、ほかのローンにないメリット・デメリット、親子リレーローンがおすすめできるシチュエーションに、利用時の注意点もお伝えしていきます。
親子リレーローンとは、親と子が共同で1本の住宅ローン契約を結ぶという、やや特殊な住宅ローンです。
先に親が住宅ローンの返済を始め、親が自身の持ち分に応じた返済を終えると、今度はローンの残りを子どもが返済していくという仕組みになっています。
たとえば、子どもと同居する二世帯住宅を建てたいが、親の年齢では長期のローンを組めないといったシチュエーションで利用されるローンです。
住宅ローンの借入可能額は、契約者の年収に応じて上下します。
一般的な住宅ローンは、自分の家を買うために、申込者が単独でローンの申し込みを行うため、自身の年収や返済能力を越える借り入れは受けられません。
しかし、親子リレーローンは、親子の収入を合算するので、一人では組めない額のローンにも手が届くようになります。
とはいっても、1本の住宅ローンを2人で返していくことになるため、もし親が自身の持ち分を完済する前に亡くなってしまった場合、子側の返済負担が重くなる点には注意が必要です。
一般的な住宅ローンに比べて借入額が膨らみやすく、返済期間も長くできる分、計画的に利用する必要があります。
親子リレーローンの一般的な利用条件は、以下の通りです。
・同居中または同居予定の親子
・申し込み時、子どもの年齢が70歳未満
・親子共に定期収入がある
・団体信用生命保険に加入できる
・子が親の連帯債務者または連帯保証人になれる
通常の住宅ローンは、80歳までに完済することが利用条件となっています。
しかし、親子リレーローンなら、親側の年齢制限を越えた長期ローンを利用可能です。
たとえば、親が70歳・子が50歳の時にローンを組む場合、親が70歳から80歳までの10年間返済し、子が50歳から80歳になるまでの30年間、合計40年間を返済するというプランも設定できるのです。
なお、フラット35に関しては、親子が同居していなくても、リレーローンを利用できます。
親子リレーローンとペアローンの違いは、住宅ローンの契約本数と、それに伴う手数料です。
親子リレーローンは、親と子が1本のローン契約を共有するため、ローンの契約時にかかる保証料や団体信用生命保険の保険料が、1件分で済みます。
一方、ペアローンというのは、たとえば4,000万円の家を買うときに、2人がそれぞれ2,000万円の住宅ローンを組むというローンの組み方です。
4,000万円の住宅ローンを組むのではなく、2,000万円のローンを2本契約しているため、契約時の手数料や団信の保険料が、2件分かかってしまいます。
親子リレーローンとペアローンの違いは、返済のタイミングです。
親子リレーローンは、親から子へローンの返済を引き継いでいくローンなので、親が返済している間、子はローンの返済をする必要がありません。
しかし、ペアローンは、2人がそれぞれ個別に住宅ローンを組んでいるため、返済も2人同時に進めていきます。
ペアローンの方が一度に出ていくお金が大きい分、親子共に金銭的な余裕を求められるのです。
住宅ローンを組む時、多くの金融機関で、団体信用生命保険の加入を求められます。
団信は、ローンの契約者が何らかの事情で亡くなったら、ローン残金と同額の保険金が下り、ローンを完済できるという住宅購入者向けの生命保険です。
ペアローンは、親子の両方がそれぞれ自分の名義で団信に加入するため、万が一、返済中に親子のどちらかが亡くなっても、自分のローンを相手が返済するという状況になりません。
ただ、親子リレーローンに関しては、団信の対象が子どもだけになっているケースがあるのです。
もし、親が亡くなった場合、子どもは親が返済する予定だったローンと、自分のローンを両方背負うことになります。
親子リレーローンを利用するときは、団信の契約内容も確認しましょう。
親子リレーローンの最も大きなメリットは、親と子の収入を合算し、借り入れ額を増やせることです。
親子リレーローンを利用すると、親と子の収入を合わせた額でローンの審査が行われるため、より高額な融資を受けられます。
二世帯住宅を購入したいが、単独の収入ではローンが通らないといったケースで、便利なローンです。
また、それぞれ2,000万円のローンを組んで別の家を買うよりも、親子リレーローンで4,000万円のローンを組み、同居する方が、グレードの高い家で暮らせるというメリットも考えられます。
一般的に、住宅ローンには年齢制限があり、一定以上高齢になると、ローンを組めません。
しかし、親子リレーローンであれば、親が返済しきれなかったローンを子が引き続き返済していくため、返済期間も合算できます。
親が65歳だと、80歳までに完済できる15年ローンしか組めませんが、子どもの力を借りることで、35年ローンも利用可能になるのです。
住宅ローンは、借入額が高ければ高いほど、返済期間が短かければ短いほど、月々の返済負担が重くなります。
親子リレーローンを利用すれば、高齢になっても、返済負担を抑えて融資を受けられるのです。
住宅ローンの利用者は、最大13年間、年末時点のローン残債×0.7%が自身の納めた所得税や住民税から還付されるという減税制度、住宅ローン控除を受けられます。
住宅ローン控除の対象者は、ローンの契約者なので、もし親子で住む二世帯住宅を親か子が単独のローンで買った場合、親子のどちらか一方しか住宅ローン控除を利用できません。
しかし、親子リレーローンは、親子の両方がローンの契約者なので、2人共住宅ローン控除を受けられます。
なお、控除される額は、ローンの持ち分次第です。
4,000万円のローンを2,000万円ずつ返済する契約なら、「年末時点のローン残債×0.7%×0.5」が、一人分の控除額となります。
親子リレーローンのデメリットは、ほかのローンを組むのが難しくなることです。
個人で借りられるお金には、収入による限度があります。
親子リレーローンの利用中は、自身が返済をしていなくても、借りられるお金の枠が圧迫されてしまうのです。
転勤などで別の住宅ローンを組もうとしたり、マイカーローンで車を買い替えようとしたりするとき、すでに住宅ローンを組んでいる分、審査に通りづらくなります。
ローンを組めないことが理由で、家族仲が悪化する場合もあるため、注意が必要です。
親子リレーローンの大きなデメリットであり、リスクともいえるのが、親が返済途中に急逝した場合、子の返済負担が増えてしまう可能性があること。
加入している団信が親子両方をカバーしている場合は、親側のローンを完済できますが、団信の範囲が子のみを対象としている場合、親が亡くなっても保険金が下りません。
親に資金力があり、ローンの60%70%を親が返済するプランだと、子がローンを返済できず、破産することも十分考えられます。
こうしたリスクを回避するには、親子両方がカバーできる団信を探したり、借入額を抑えて持ち分を調整したりすることが大切です。
日本では、家族間であっても高価な財産やお金を贈与すると、贈与税がかかります。
みなし贈与とは、「贈与じゃないと言い張って資金や提供しているが、実際には贈与だ」と税務署に判断されることです。
たとえば、親子リレーローンを組む際、親がローンの8割を返済するにも関わらず、不動産の登記を100%子どもの名義にしていると、みなし贈与となり、贈与税を課税されてしまいます。
トラブルを避けるためにも、ローンの返済負担と不動産の持ち分の割合は合わせましょう。
お子さんが複数いるご家庭の場合、特定の子どもとのみ親子リレーローンを組むと、相続トラブルになるリスクが上がります。
相続トラブルが起きるのは、遺産の額に関わらず、きょうだい間の扱いや援助に不満を持つ遺族がいるときです。
「長男は親子リレーローンで家を買ったのに、次男の自分が家を買うときは何も援助がなかった」といった状況になると、相続トラブルになってしまうので、親子リレーローンを契約するときは、事前に家族で話し合いましょう。
親子リレーローンは、親子での同居を希望しているものの、一人だと希望額のローンを組めない方におすすめのローンです。
資産があっても年齢の関係で長期のローンを組めない親、若くて収入が低いため、高額なローンを組めない子が協力すれば、お互いの信用を補強し合って大きな額を借りられます。
親子両方が住宅ローン減税のメリットを受けられますし、借入額を増やすことで、理想の住まいに手が届くのもポイントです。
親子リレーローンは、財産や持ち分の扱い方次第で、みなし贈与になったり、相続トラブルの原因になったりするリスクを秘めています。
そのため、親子リレーローンは、親子関係や家族関係が良好で、事前に財産について話し合いでき、相続トラブルを予防できるご家庭向きのローンです。
住み心地の良い二世帯住宅を購入しても、ローンが原因で家族仲が悪くなってしまっては、意味がありません。
十分に話し合いを行い、家族間の合意を得た上で、親子リレーローンを利用しましょう。
親子リレーローンは、
「親と喧嘩し同居を解消したので家を売りたいが、親の同意を得られない」
「転勤で引っ越したし、自分が住んでいない家のローンを払うのは嫌だ」
といった親子関係の悪化や状況の変化が、トラブルにつながりやすいです。
ローンを組む時は問題がなくても、長い人生、何が起きるかはわかりません。
トラブルになってから対処するのは難しいので、ローンの返済方法や返済できなくなった時の対応などは、親子であってもルール化し、できれば書面に残しておきましょう。
もし、親子リレーローンの返済中に滞納した場合、親子で住んでいる家を差し押さえられ、競売にかけられることになります。
滞納が続くと信用情報機関に事故情報が残り、クレジットカードを作ったりローンを組んだりするのが難しい状態、いわゆるブラックリスト入りするため、注意が必要です。
突発的な病気や事故で、親子のどちらかが働けなくなることも十分考えられます。
親子リレーローンを利用するときは、親子共に余裕のある返済プランを組み、返済が難しくなったら、すぐに金融機関へ相談しましょう。
親子リレーローンは、親子の収入を合算することで、ひとりでは手の届かない住宅も購入できるローンです。
大きな額の借り入れもしやすく、返済期間も長く設定でき、親子ともども住宅ローン控除を受けられるなど、さまざまなメリットを持っています。
しかし、親が急逝した場合子に返済負担が重くのしかかったり、家族関係の悪化に伴って返済プランが崩れたり、相続トラブルになったりするリスクがあるのも、間違いありません。
完済するまで親子共にリスクを背負うローンなので、利用する際は家族会議を行い、無理のない返済プランを検討しましょう。
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