column 531. 買う&売る

マンションの相場の参考にしたい数字。公示地価と路線価の違いとは

2019.01.09

マンションの相場の参考にしたい数字。公示地価と路線価の違いとは

マンションを売りたいと思った時には、まず自分で「このマンションはどれぐらいで売れるかな?」と価格を予想しながら売りに出すでしょう。
おおよその数字を計算するための方法としては、似た条件をもつ物件が、最近どれくらいで売れたのかという、実例を参考にする方法が一般的です。
しかし、それ以外にも国が毎年発表している、土地の価格に関する数字を参考にすることで、おおよその土地相場を知ることができます。
そこで、国が発表している公示地価と路線価、この二つの数字の違いを見ていきましょう。

公示地価は国土交通省が算出した数字

公示地価は、国土交通省が毎年3月頃に発表している数字です。今年の1月1日時点での土地の価格を、前年の取引事例などを参考にしながら算出しています。
公示地価は全国隅々のエリア分が公表されているわけではなく、全国の特定のエリア、3万数千ヶ所の、土地相場を示した数字になっています。
そのため自分が所有するマンション、もしくは買いたいマンションがあるエリアのデータが発表されていないこともあります。
そういった時は、そこから最寄りのエリアの公示地価を参考にしてみましょう。

路線価は国税庁が算出している数字

公示地価に対して、路線価は国税庁が毎年発表している数字です。路線価には固定資産税路線価と、相続税路線価があります。
路線価とは国税庁が税金を決める時に、基準となる数値として発表している数字なのです。
不動産の相場を見る時には、相続税路線価を見ることが一般的です。
路線価という名前の通り、道路に面する場所に対して、平方メートルあたりの単価を算出しています。そのため道路が通っていれば、日本全国のどのエリアでも、数字を確認できます。

路線価の方が公示地価よりも低い価格になる傾向がある

この二つの数字ですが、公示地価と比べると路線価は約8割程度の値になることが多いです。
路線価の発表は7月と遅いので、公示地価発表時点からの数値の変動の影響を抑えるためにあえて低めに発表しているのです。
数字の算出に関しては、公示地価は二人の不動産鑑定士により様々な角度から判断された数字になるため、こちらの方がその土地の持つ総合的な価値を示した数字といえます。
路線価は土地の形状などをあまり考慮せず、機械的に算出した数字と言えます。
それに比べ、公示地価は建物の存在、土地の向き、形状など使いやすさ、不動産物件として運用した時の価値なども考慮されています。
ただし、最終的に不動産相場は、需要と供給によって変化もします。
公示地価も路線価も1月1日時点の価格なので、その年の後半には相場が大きく変動している可能性もありますし、買主が見つからなければ、公示地価よりもかけ離れた価格でしか売れないこともあります。
あくまでも売りに出す時の参考価格として採用し、「公示地価でこれだけの数字だから、必ずこれだけで売りたい」と思い込むことはやめておきましょう。

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