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フラット35は何が良い?フラットの35の特徴やメリット・デメリット、向き不向きを解説

2020.08.21

フラット35は何が良い?フラットの35の特徴やメリット・デメリット、向き不向きを解説

住宅ローンの選択肢として、「フラット35」を検討されている方も少なくないでしょう。
多くの金融機関で取り扱うフラット35は、「審査が厳しくない」など借り入れしやすい商品として、ネット上では評判のようです。

ただ、人によってはほかの住宅ローンの方が使いやすいケースもありますから、しっかり比較検討することも大切です。

ここでは、フラット35の特徴を解説するとともに、ほかの住宅ローンとの違いや比較する時のポイントをお伝えします。

そもそもフラット35とは?

フラット35とは、独立行政法人の住宅金融支援機構と民間の金融機関が展開する住宅ローンです。
住宅金融支援機構と提携した銀行やネットバンクなどで申し込めます。

フラット35の一番の特徴は、「全期間固定金利の住宅ローン」であること。
返済期間中に金利は変動せず、返済額も変わりません。
また、ほかの住宅ローンと比べたとき、「審査に求められる条件が厳しくない」ことも特徴です。
個人事業主や非正規雇用の人でも、一定の条件を満たせば融資を受けられます。

こうした利用条件や審査方法は、フラット35を扱うどの金融機関で申し込んでも同じです。
ただし、金利や事務手数料は金融機関によって異なります。

フラット35のメリット

フラット35には、「返済計画が立てやすい」「審査が比較的に厳しくない」「団体信用生命保険(団信)の加入が任意」などのメリットがあります。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。

●返済計画が立てやすい

フラット35は全期間固定金利の住宅ローンですから、返済額は借入時に決定します。
市場金利がアップしても、返済額は変わりません。
このため、将来の返済計画を立てやすいことがメリットの一つです。
毎月同じ額を返済すれば良いため、突然の出費があった月でも計画の立て直しがしやすいでしょう。

●審査が比較的、厳しくない

一般的な住宅ローンの審査では、勤続年数や雇用形態、健康状態などに厳しい条件を設けた金融機関もあります。
こうした審査基準が比較的に厳しくない点も、フラット35の魅力です。
転職や独立したばかりの人でも申し込みは可能ですし、派遣社員やパートといった非正規雇用の人でも一定の条件を満たせば融資を受けられます。

●団体信用生命保険(団信)の加入が任意

住宅ローンの利用者には、団体信用生命保険(団信)の加入が義務付けられています。
この保険への加入について、フラット35は任意となっており、健康に不安のある人でも審査に通るチャンスがあります。
なお、団体信用生命保険は万一のときに遺された家族の負担を軽減するための保険です。
団体信用生命保険に加入しない場合でも、別途保険に加入されることをおすすめします。

●保証人・保証料が不要

保証人や保証料が必要ない点も、フラット35の特徴です。
保証人に関しては、銀行などが提供する住宅ローンでも不要なケースが大半ですが、その代わりに保証会社への保証料が求められます。
保証料は会社によっても異なりますが、数十万円くらいが一般的です。
フラット35であれば保証料も不要ですから、契約時の負担を抑えられます。

フラット35のデメリット

様々なメリットがあるフラット35ですが、デメリットもあります。
以下の点を把握した上で検討することも大事です。

●変動金利タイプの住宅ローンより金利が高い

一般的に住宅ローンの金利は、変動金利タイプの商品より固定金利タイプの方が高く設定されています。
フラット35は全期間固定金利の住宅ローンですから、変動金利タイプと比べて金利は高いです。
仮に、返済期間中に市場金利が一切変わらなかった場合、トータルの返済額は変動金利タイプの方が安くなります。

●団体信用生命保険に加入すると金利がアップする

団体信用生命保険の保険料は、通常の住宅ローンでは金利に含まれています。
保険料を別途支払う必要はありません。
しかし、フラット35の場合、通常の金利に保険料が含まれておらず、機構団体信用生命保険(新機構団信)などに加入する際は金利が上乗せされます。

●適合証明書の取得が必要

取得する家が「一定の技術基準を満たす」ことも、フラット35の審査基準です。
とりわけ中古物件を購入される方は、その基準を満たすために耐震改修などが必要になるケースもありますから、注意が必要です。

なお、基準を満たす家であることを証明するには、第三者機関に依頼して「適合証明書」を交付してもらう必要があります。
この取得費用は、自己負担です。

フラット35の金融機関を選ぶ時のポイント

フラット35の利用条件や審査方法は、どの金融機関で申し込んでも同じです。
ただし、借入金利と事務手数料は金融機関によって異なります。
金利に関しては、できる限り低いところで借り入れるのが得策です。
フラット35の公式ホームページには、「金利の範囲」が掲載されています。
これを参考に最低金利の金融機関を選びましょう。

事務手数料に関しては、大きく「定額型」と「定率型」の金融機関に分けられます。
定額型は、融資額に関わらず手数料が一定で、3~5万円程度の金融機関が多いです。
一方の定率型は、融資額に一定の割合をかけた額が手数料になります。
定率は1~2%くらいのところが多いです。
借入額が多い人は「定額型」を、少ない人は「定率型」を選ぶことで、事務手数料を抑えられます。

フラット35の金利の決まり方

フラット35の金利は金融機関ごとに異なるほか、「返済期間」や「融資率」によっても異なります。
また、団体信用生命保険に加入する場合は、「加入する保険商品(オプション)」によっても異なります。
それぞれ詳しく解説しましょう。

●返済期間

フラット35の金利は、返済期間が「15~20年」と「21~35年」で異なります。
返済期間が21年以上になると、金利は約0.4%アップする点は覚えておきましょう。

●融資率

融資率とは、物件価格に対するローン借入額の割合のことです。
一例として、4,000万円の家を購入するために、3,600万円の住宅ローンを借り入れた時、融資率は9割になります。
この融資率が9割を超えると、金利は約0.1%上乗せされます。

●加入する保険商品(オプション)

フラット35の「機構団体信用生命保険」に加入する場合、金利は約0.2%アップします。
なお、この団信には3大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)も保障する「新3大疾病付機構団信」もあり、これに加入する時の金利はさらに高くなります。

フラット35と民間金融機関の住宅ローンを比較

フラット35のほかにも、住宅ローンにはさまざまな商品が登場しています。
住宅ローン選びに迷ったら、以下のポイントを参考に比べることをおすすめします。

●金利タイプで比較

金利で比べると、民間金融機関が提供する変動金利タイプの住宅ローンの方が低いです。
2024年9月現在では、フラット35は1.82%(返済期間21~35年の場合)ですが、変動金利タイプの住宅ローンには1%以下の商品も多く見られます。

もっとも、変動金利タイプの住宅ローンには金利上昇リスクがあります。
将来の金利は誰にも予測できませんが、今後の収入を見越して「返済額が増えても完済できるか?」という視点で選ぶと良いでしょう。

●審査基準で比較

フラット35の審査基準は、前述した「一定の技術基準」と「返済負担率」が主です。
民間金融機関の住宅ローンによくある「年収」「雇用形態」「勤続年数」などは不問です。
フラット35なら、転職・独立された方や非正規雇用の方などでも、審査に通る可能性があります。
ちなみにフラット35の返済負担率は、年収400万円未満の人は30%以内、400万円以上の人は35%以内にすることが借入条件です。

●保証料・手数料で比較

フラット35は、契約時の保証料が不要です。
初期費用を抑えたい方は、フラット35を選ぶと良いでしょう。
また、繰り上げ返済を検討されている方なら、その手数料もフラット35は不要です。

ただし、繰り上げ返済の手数料を不要とする住宅ローンは、銀行などの商品にもたくさんあります。
また、フラット35では「1回あたり100万円以上」という下限が設けられています。
銀行などの住宅ローンには下限を設定していないところが多いため、少額でもこまめに返済したい方は民間金融機関の住宅ローンの方が早く返済できるかもしれません。

フラット35が向いている人・向かない人

フラット35を利用することで、メリットを最大化できる人もいれば、あまりメリットを感じない人もいます。
フラット35が向いている人・向かない人のタイプを紹介します。

●フラット35が向いている人

・個人事業主など収入の不安定な人
・転職したばかりの人
・金利上昇リスクが心配な人
・完済まで毎月の返済額を変えたくない人
・健康に不安があり団信に加入できない人

●フラット35が向かない人

・金利の低い住宅ローンを選びたい人
・返済期間が短い人
・借入額が少ない人
・金利が上昇しても完済できる収入がある人
・頭金が少ない人・用意できない人

まとめ

どんな住宅ローンにも、メリットがあればデメリットもあります。
フラット35の場合は、「金利上昇リスクがないこと」「審査が比較的、厳しくないこと」「団体信用生命保険に加入しなくても良いこと」などがメリットといえるでしょう。

一方で、「変動金利タイプの住宅ローンより金利が高いこと」「適合証明書の取得が必要なこと」などのデメリットもあります。
特に、借入額が少ない人や返済期間の短い人、中古住宅を検討している人などは、ほかの住宅ローンと比べることをおすすめします。

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