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新築と中古物件のリノベーションならどちらが良い?メリット等を比較

2020.08.21

新築と中古物件のリノベーションならどちらが良い?メリット等を比較

マイホームを購入する際、新築物件を買えば良いのか、それとも中古物件を買ってリノベーションするほうが良いのか、悩む方は少なくありません。

今後、数十年を過ごす生活基盤を選ぶ以上、新築と中古物件+リノベーション、両者のメリットやデメリットを把握し、比較する作業は必要不可欠です。

今回のコラムでは、新築物件と中古物件+リノベーション、両者の強みやコストについて比較します。

新築物件のメリット

●好きな間取りやデザインにできる

新築物件を選ぶメリットは、間取りやデザインを自分好みにカスタマイズできることです。
建売住宅の場合、選べる選択肢は限られますが、注文住宅なら土地選びから建物の内装まで、全て自分好みに仕上げられます。

また、たとえば個人的に置きたい設備や家具に合わせて、間取りを設計できるのもポイントです。
薪ストーブや、海外製の高級キッチンなども取り入れられます。

●自分や家族の体に合わせた調整ができる

家具や家電、設備の微調整をしやすい点も、新築のメリットです。
たとえば、既存のキッチンを入れる場合、「身長の関係上、もう少し作業スペースの高さを上げたい」「もう少しシンクが低い位置にあるほうが使いやすい」といった希望に対応できません。

しかし、新築なら、床を削ったり底上げしたりすれば、細かいサイズ調整にも対応できます。
また、アレルギーに配慮した建材を使うといったこだわりも可能です。

●耐震性や省エネ性能が高く安全な家を建てられる

新築住宅は、最新の安全基準や建築規格をクリアしているため、耐震性・断熱性・気密性・防音性といった住宅性能の高い家を建てられます。
新築なので、経年劣化の心配もありません。

また、現行基準で物足りない場合、さらに予算を追加して耐震性を高めたり、断熱性や防音性を底上げしたりできるのも、住宅の基礎から手がけられる新築ならではのメリットです。

●高性能な住宅ほど大きな税制優遇を受けやすい

日本では、高性能で長持ちする家や、省エネ対策の充実した家を建てると、税制優遇を受けられます。
特に大きな節税効果を持つのが、住宅ローン残債の0.7%を、最大13年間控除できる住宅ローン減税制度です。

2024年以降、新築住宅は、一定以上の住宅性能をクリアしていないと住宅ローン減税を受けられなくなります。
減税制度を最大限利用したいなら、各制度の詳細を確認し、家を買う時期を調整しましょう。

新築物件のデメリット

●中古物件をリノベーションするより高い

新築住宅のデメリットは、中古住宅をリノベーションするよりお金がかかることです。
特に、施主の要望に応じてオーダーメードする注文住宅は、建材や設備も個別発注になるため、大規模発注によるコストの節約が難しく、仕様にこだわればこだわるほど建築費が高騰しやすいという問題を抱えています。

また、自由に決められる箇所が多い分、あれこれとオプションを追加したくなってしまうので、当初の予算をオーバーしてしまう施主も少なくありません。

●「完成したらイメージと違う」があり得る

新築物件は、家が完成してからでないと中身を確認できません。
周辺の様子は見て回れるものの、例えば「新居2階のこの窓から外を見たときどういう景色になるか」「日光の角度はどうか」などは、新居ができるまでわからないのです。

指定した壁紙や塗料の見た目がイメージと違ったり、間取りや家事動線が想像以上に使いづらかったりしても、そう簡単に手直しできないというデメリットもあります。

●物件の引き渡しまで数ヶ月かかる

入居できるようになるまで数ヶ月単位の時間がかかるのは、新築も中古物件のリノベーションでも同じです。

ただし、多くの場合、新築物件の方が引き渡しまでより長い時間を必要とします。
一般的なサイズ・仕様の木造一戸建てであれば、工期はおおよそ3ヵ月ですが、仕様にこだわったり設備の取り寄せに時間がかかったりすれば、入居まで1年以上かかるケースも少なくありません。
「とにかく急いで家を購入し、入居したい」場合に向かないのが、新築の弱点です。

●同じ予算の中古住宅に比べると広さや立地面は劣る

新築物件と中古物件を比べた場合、購入金額が同じであれば、基本的に中古住宅のほうが広く、立地条件の良い物件が揃っています。
なぜなら、たとえば現在4,000万円の中古物件は、建物の経年劣化によって4,000万円になっているだけで、元々はもっと高いケースが多いからです。

また、日本は国土が限られているため、条件の良い土地はほとんどの場合誰かに押さえられています。
新築用で条件の良い土地は、数が少なく価格が高いので、同じ予算なら新築の方が条件面で妥協することになりがちです。

中古物件+リノベーションのメリット

●新築を買うより安い

中古物件を買ってリノベーションをする最大のメリットは、予算を節約できること。
新築と中古物件は、中古物件の方が安く入手可能です。
築古物件でも、内装が劣化している住宅でも、基礎や間取りに問題がなければ、内装は新築同然にリノベーションできるため、手頃な物件さえ見つければ新居の購入費用を大幅に抑えられます。

●物件数が豊富で広くて立地の良い家を確保しやすい

単純な話ですが、宅地が限られている日本では、新築住宅を建てられる土地よりも、中古物件のほうが物件数は豊富です。
同じ予算でも、中古物件をリノベーションする場合、より多くの選択肢から家を探せるので、希望に近い立地や間取り、大きさの家を見つけやすいというメリットがあります。

また、世帯人数の多い時代に建てられた住まいは、現代住宅よりも部屋数や一室の広さに余裕があるものも多いです。

●リフォームの中身にこだわれる

中古住宅の購入資金を抑えれば、その分、リフォームにお金をかけられるようになります。
たとえば、4,000万円の予算を使って4,000万円の新築を買うよりも、2,500万円の家を買って、1,500万円かけてリノベーションする方が、細かい部分にまでこだわった内装・間取りの住まいを作りやすいです。

また、必要なリノベーションを行い、予算が余ったら住宅設備のグレードを上げる、といった選択もできます。

●事前に内覧できる

中古住宅は、購入する前に内覧が可能です。
新築と違って、実際に家の中を見て回り、生活のしやすさや家事動線、景観に日当たりなどをチェックしてから購入を検討できるので、リノベーションが上手く行けばイメージ通りの新居を手に入れられます。
中古のマンションやアパートであれば、同じ物件の口コミ・評価を事前に調べられるのもメリットです。

中古物件+リノベーションのデメリット

●見えない部分の劣化が分からない

中古物件+リノベーションの最も大きなデメリットは、見た目ではわからないような劣化や隠れた問題が存在しているリスクがあること。
一見きれいでも、実はシロアリ被害にあっており、基礎や柱がボロボロになっているという住宅は少なくありません。

大きな問題が隠れていると、その修繕や改修に莫大な費用がかかってしまうため、中古物件を買ってリノベーションする場合、物件の良し悪しを見極めるスキルや経験、プロの協力を得た上で物件を選ぶ必要があります。

●建物が古い分修繕費用やメンテナンス費用が高い

不動産は、基本的に古くなればなるほど壊れる箇所が増え、メンテナンスの間隔が短くなってくるので、修繕費用やメンテナンス費用が高いです。
リノベーションをする前、またはリノベーションをして数年で数十万円もの修繕費がかかるような住宅に手を出すと、維持費で赤字になってしまうでしょう。
中古物件は、メンテナンス費用も込みで収支を考えることが重要です。

●耐震性や断熱性能の底上げにお金がかかる

住宅の耐震性や断熱性能は、法律の基準が底上げされたり、技術が進歩したりするにつれて高性能になっていきます。
当然ながら、古い住まいは性能が高くない旧基準で建てられているため、物件によっては現行基準を満たすための耐震改修等が必要です。
住宅の基本性能を底上げする工事は、非常に高額なので、できれば耐震基準が改正された1981年以降のものを選びましょう。

●住宅ローン審査に通りづらい

住宅ローンの審査では、本人の収入とは別に、「担保の物件を売ったらいくらになるか」で借り入れ可能額や審査の厳しさが変わってきます。
中古住宅は、経年劣化によって建物部分の資産価値が目減りしており、新築に比べると高く売れないので、住宅ローンの審査が厳しいです。
また、法改正や増築による建ぺい率オーバーといった建築基準法上の問題があると、ローン審査には通りません。

それぞれの費用を比較

●新築住宅の費用

新築住宅の購入に必要な費用の一例は、以下の通りです。

  • 土地代
  • 建築費用
  • 土地の購入時に不動産業者へ支払う仲介手数料:土地代×3%+6万円が上限
  • 上下水道の設置負担金:20~50万円程度
  • 登記費用:30~50万円程度

土地代と建築費用は、予算によります。
仲介手数料などの必要経費や、税金として予算全体の5%ほどかかるため、土地や建物は予算の9割程度で探すと良いでしょう。

●中古住宅+リノベーションの費用

中古住宅を購入してリノベーションする場合の費用は、以下の通りです。

  • 中古物件の購入費用
  • 中古物件の仲介手数料
  • リノベーション費用
  • 登記費用その他税金

新築物件と違うのは、不動産の購入費用とリノベーションのお金を、別々に負担すること。
フルリノベーションだと、300万円から1,000万円程度かかりますが、中古物件がそもそも安いので、新築の70~80%ほどの予算で新居を完成させられます。

まとめ

新築物件と中古物件のリノベーションを比べた場合、費用や選択肢の広さでいえば中古物件が、間取り・デザインの自由度や税制優遇、住宅性能に関しては新築物件が優秀です。

ただし、新築物件は中古住宅よりもお金がかかりますし、中古物件は見えない部分の劣化等を気にする必要があるため、どちらが良いかは施主によって違います。

大切なのは、今後数十年快適に暮らせる家を見つけることです。
予算や新居に求める条件を一つずつ書き出して、自分達家族に合う住まいを選びましょう。

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