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失敗しない注文住宅-理想の土地を見つけるテクニック

2020.08.21

失敗しない注文住宅-理想の土地を見つけるテクニック

注文住宅を建てるとき、間取りやデザインなど建物のプランニングとともに時間を要すのが、土地の選定です。すでに土地が決まっている場合を除き、多くの方が土地探しから家づくりを始めますが、理想の土地探しに難航して設計や施工の期間よりも多くの時間を費やす方も少なくありません。

土地探しをスムーズに進めるためには、どうすれば良いのでしょうか。注意点も含め、そのポイントをご紹介します。

土地探しの前に事前準備をしっかり

理想の土地を見つけるには、土地探しを始める前に事前準備をしっかり行うことが大切です。住みたいエリアや希望条件、予算などを先に決めて、その条件に見合う土地を不動産会社などと一緒に探すのが、土地探しをスムーズに進めるポイントです。具体的には、以下の流れで進めていきます。

●住みたいエリアを決める

最初に、家を建てたいエリアを決めます。通勤通学の便から最寄り駅を決めるのも良いですし、子育て支援が充実いているといった制度から自治体を選ぶのも良いでしょう。

閑静な住宅街、自然に囲まれた環境、買い物に便利な場所など、新居で暮らすイメージを膨らませながら家族で話し合って、住みたい場所の条件を挙げていくのも一手です。その際、すべての条件に見合う土地がないかもしれませんので、条件に優先順位をつけておくこともポイントです。

●予算を決める

注文住宅の費用は、土地代と建築費用の大きく二つに分けられます。土地探しを始める前に、どちらにどれくらいの費用をかけるか、予算をわけておくこともポイントです。漠然とした予算のまま動き出すと、予想外に土地代がかかったときに建築費用を圧迫して理想の家を建てられなくなる可能性もあります。

ちなみに、住宅金融支援機構が注文住宅を建てた方に調査した報告によると、全体予算の約3割を土地に、約7割を建物にかけたという結果になっています。場所にもよるため一概にはいえませんが、この割合を目安として押さえておくと良いでしょう。

●インターネットで情報を集める

エリアと予算が決まったら、インターネットで土地の情報を集めます。実際に住みたい土地を探すとともに、希望エリアの土地が予算内で購入できるかという観点でも調べましょう。

不動産は生ものですから掲載物件がすでに売約済みのケースもありますし、ネットの情報と現地で実際に見るのとではイメージが異なるかもしれません。

インターネットで情報を集める際は、ピンポイントで土地を見つけるというより、相場や管理している不動産会社を調べるくらいのリサーチでも大丈夫です。相場がわかることで、エリアや予算の見直しにも役立ちます。

土地探しの依頼はどこにする?

土地探しは、不動産会社に依頼するのが一般的です。しかし、土地を管理しているのは不動産会社だけではありません。注文住宅の施工会社のなかにも、自社物件を持っているところもあります。

では、どちらに依頼すれば良いのでしょうか。それぞれの特徴からメリット・デメリットを見ていきましょう。

●不動産会社に依頼するメリット

不動産会社に依頼するメリットは、情報量が豊富なことです。土地売買の情報は、ほぼすべて不動産会社に集まります。未公開物件も含め、エリアや予算などの条件に近しい物件を紹介できる可能性が高いでしょう。

また、物件情報だけでなく周辺環境や近隣の情報なども把握しており、その土地で暮らす具体的なイメージがわきやすいという点も、不動産会社に依頼するメリットです。

●不動産会社に依頼するデメリット

一方のデメリットは、希望する建物に見合った土地を提案できるとは限らないこと。特に、こだわりの強い注文住宅を希望される場合、不動産会社の担当者に細かな要件まで伝えなければ、妥当な土地か判断に迷ってしまいます。場合によっては、土地の購入後に、法的な問題などで家が建てられないといったケースもあるかもしれません。

●施工会社に依頼するメリット

ハウスメーカーや工務店などの施工会社に土地探しを依頼するメリットは、建物に適した土地探しができる点にあります。建物へのこだわりや理想を伝えて施工会社の担当者と一緒に土地を探すことで、どんな家を建てられるかというアドバイスもしてくれるでしょう。

資金計画も立てやすいことも、メリットの一つでしょう。土地と建物の予算配分についても、相談できます。建物の概算見積もりもわかっているので、予算オーバーの心配も不要です。

土地の購入につなぎ融資などのローンを利用する方なら、審査がスムーズに進むというメリットもあります。金融機関から融資を受ける際には、見積書や図面などの提出を求められることもあります。施工会社に依頼すれば、こうした資料もスムーズに用意できますから、審査スピードも早くなりやすいのです。

●施工会社に依頼するデメリット

自社管理物件を持っている施工会社なら、当然その物件をメインに提案してきます。その物件数は、不動産会社よりも少ないのがデメリットの一つでしょう。

そもそも、施工会社に土地探しを依頼する方は、そこで契約するのを前提に相談するのが一般的です。管理している物件についても、事前に確認しておきましょう。

なお、自社管理物件ではない土地でも一緒に探してくれる施工会社もあります。

土地探しの注意点

せっかく見つけた土地に、希望の家が建てられないというケースもあります。こうした事態にならないために、土地探しで注意したいポイントをご紹介します。

●法規的な制限をチェック

すべての土地には、法律や規則などの制限が設けられています。建ぺい率や容積率、用途地域、斜線制限などが、その一例です。

たとえば、土地の広さが50坪でも、建ぺい率が50%なら建築面積は25坪までに制限されます。また、第一種低層住居専用地域に指定された土地には、建物の高さが10m以内に制限されるところもあります。こうした制限に希望する建物がひっかかる場合、計画を見直すか土地を選び直す必要があるため、どんな法規があるかをチェックしましょう。

●変形地・狭小地は施工会社に相談を

土地の形状が三角形や旗竿地(細長い私道の先に敷地が広がるL字状の土地)であったり、面積が小さかったりする土地を購入する場合、施工会社によっては対応できない場合もあります。

一般的に、変形地や狭小地は相場よりも坪単価が安い傾向にありますが、その一方で建築コストは高くなることもあります。こうした土地を検討する際は、施工会社に「理想の家が建てられるか」「建築コストはどれくらいになるか」といった確認をしておくのも大切です。

●諸費用についても予算を設けておく

注文住宅を建てるのにかかる費用には、土地代や建物の工事費用のほかにも、「諸費用」があります。

諸費用には、不動産会社への仲介手数料、住宅ローンの事務手数料や保証料、登記費用、団体信用生命保険料、火災保険料などがあり、トータル予算の1割くらいが目安とされます。仮に、土地代や建物の工事費用の合計が3,000万円とすれば、諸費用は300万円くらいかかるというイメージです。

支払うタイミングもそれぞれ違いますから、いつまでにいくら必要か確認したうえで、用意しておきましょう。

現地で確認すべきチェックポイント

●一般的な打ち合わせの回数と時間

土地の選定は、不動産会社が提供する図面や写真だけでは判断できません。現地に行かないとわからないことも多く、場合によっては希望の家が建てられなかったり、余計な出費が必要になったりすることもあります。

ここでは、現地に行ったら確認しておきたいポイントをまとめてご紹介します。

●周辺環境をチェック

最寄り駅や学校、病院、商業施設など現地に行ったら周辺環境を確認するのが、ポイントの一つです。

不動産会社の資料や地図でもある程度は把握できますが、実際に足を運んで確かめることが大切です。たとえば、最寄り駅まで徒歩5分でも、途中に坂があったり、大きな道路を渡ったり、踏切があったりして5分ではたどり着けないケースもあります。

また、交通量が多さ、街灯の有無など、道路事情や治安なども確認しておきたいポイントです。平日と休日、日中と夜など時間を変えて見ることで、住み始めてからのイメージがしやすくなります。

●地盤や土地周辺の高低差をチェック

地盤の状態や水はけ、接道の高低差なども、現地でしかわからないポイントです。雨の日に足を運べば、道路の雨水が土地に流れ込まないかなど水の流れも確認できるでしょう。

地盤に関しては、施工会社の担当者など専門家の目線も必要になります。地盤改良や排水設備の設置が必要な場合、数十万円から数百万円のコストがかかる恐れがありますので、一緒に見ながら探すのが賢明でしょう。

●日当たりや風通しをチェック

日当たりや風通しについても、確認しておきたいポイントです。併せて、隣地に空き地がある場合には、高い建物の建設予定がないかといった計画もチェックしておきましょう。

●境界標をチェック

隣地との境界線を示す「境界標」の有無もチェックします。境界標は土地の四隅などに打ち込まれており、不動産会社の図面にもその位置が記されていますが、実際に現地で見ると位置が異なる土地も見られます。

境界が曖昧な土地だと、近隣トラブルに巻き込まれる可能性もありますから、不明瞭だと感じたら測量の依頼をおすすめします。

●接する道路に消防設備がないかチェック

土地の前を通る道路に消火栓が設置されている場合、駐車スペースを作れない可能性があります。道路交通法では、消火栓などの消防用機械器具を置くスペースや消防用防火水槽の5m以内での駐車を禁じているためです。

こうした勝負設備がどこにあるかも、確認しておきたいポイントです。

●土地の履歴をチェックする

新興住宅地の中には、以前は水田や沼だった土地もあります。こうした土地は地盤が軟弱だったり、大きな地震があると液状化したりする可能性もあります。

また、傾斜地に拓かれた住宅地には、盛土された土地もあり、大雨や大地震で地滑りが生じることも考えられます。こうした土地の履歴についても確認しておきたいポイントです。

自治体が公表しているハザードマップも役立ちます。川が近い土地なら、過去の氾濫被害についてもリサーチしておくと良いでしょう。

まとめ

土地探しはまず、エリアや周辺環境などの希望をリストアップし、譲れない条件を決めておくことが、スムーズに進めポイントです。併せて、土地代の予算も決めておくことで、不動産会社なども提案しやすくなるでしょう。

また、土地探しは施工会社など家づくりの専門家と一緒に探すことも有効です。不明点や不安な点などを相談しながら探すことが、理想の家づくりをかなえる近道なのです。

 

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