折り上げ天井って何?メリット・デメリットや導入時のポイントを紹介
ここでは、折り上げ天井の概要から、折り上げ天井のメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイント等を共有していきます。
2024.11.21
マンションや戸建て住宅など家を購入するとき、一定の条件を満たせば「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」が適用され、支払った税金が還付される優遇措置が受けられます。
この制度、新築物件だけでなく中古住宅にも適用されるのをご存じでしょうか。中古マンションを購入して住宅ローン控除が適用されると、最大で200万円の還付金が受けられます。
今回は、中古マンションにおける住宅ローン控除の適用条件や控除を受けるための方法などについて、詳しく解説しましょう。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、金融機関などが提供する住宅ローンを利用して家を購入したとき、その残高に応じて所得税や住民税が控除される制度です。簡単にいえば、「住宅ローンを使って家を買うと税金が安くなる」ということ。戸建住宅やマンション、新築・中古など関係なく、一定の条件を満たせば住宅ローン控除が受けられます。
控除される金額は、12月末時点でのローン残高の1%です。残高が1,000万円なら10万円が、所得税と住民税から控除されます。
適用期間は10年間。ただし、消費税率のアップに伴う特例措置などにより、2021年12月31日までに入居すれば、控除期間は13年間に延長されます。その場合、11年目以降の控除額は「ローン残高の1%」と「建物の取得価格×2%÷3(取得価格の上限は4,000万円、認定長期優良住宅等は5,000万円)」のいずれか少ない方が控除されます。
なお、住宅ローン控除は民間金融機関や住宅金融支援機構などから借り入れた住宅ローンに対して適用されます。親族間での売買など、住宅ローンを利用できないケースは対象外です。
また、住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要です。給与所得者でも、初年度は確定申告をしないと受けられませんから注意しましょう。確定申告については、後ほど詳しく説明します。
住宅ローン控除を受けるには、一定の条件を満たす必要があります。その条件には、「物件に対する条件」と「マンションの購入者(住宅ローンを借り入れる人)に対する条件」がありますが、中古住宅の場合は新築住宅よりも物件に対する条件が厳しいため、購入する際には適用される物件かどうかを確認する必要があります。
また、控除額も新築と中古とでは異なります。新築の場合は、年間で40万円が上限ですが、中古の場合は20万円です。仮に、年末のローン残高が3,000万円あるとしたら、新築なら30万円が控除されますが、中古だと20万円になりますので覚えておきましょう。
それでは、住宅ローン控除が受けられる「物件に対する条件」と「マンションの購入者に対する条件」を見ていきます。
住宅ローン控除が適用される中古マンションの条件には、以下の項目があります。
(1)借入者の住居として使用すること
自分が住むことを目的として購入した中古マンションに対して、住宅ローン控除は適用されます。投資物件など他人が住むことが目的の中古マンションには、適用されません。住居と事業所を一緒に使っている場合は、住居となる部分の床面積が2分の1以上であることも条件になります。
また、入居や居住のタイミングも決まっており、マンションを取得してから6ヵ月以内に入居し、かつ、ローン控除を受ける年の12月31日までに居住(転居届の提出)している必要があります。
(2)一定以上の床面積があること
不動産登記上の床面積が50m2以上の中古マンションが、適用条件の一つです。
なお、2021年度の税制改革で、2021年1月1日から2022年12月31日までに居住した場合に限り、床面積は40m2以上に緩和されます。
(3)築年数が25年以内であること
鉄筋コンクリート造など耐火建築物の中古マンションの場合、築年数が25年以下であることも適用条件に含まれます。ただし、築25年を超える中古マンションでも、(4)の耐震基準に適合している場合は、築年数を問いません(耐震基準適合証明書または住宅性能評価書の写しが必要です)。なお、木造のマンションの場合は、築年数が20年以下になります。
(4)耐震基準に適合していること
以下の各証明基準をクリアする耐震性があることも、条件になります。
・耐震基準適合証明書がある中古マンション
・既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)がある中古マンション
・既存住宅売買瑕疵保険に加入している
これらの証明書は、物件の購入先(不動産会社など)に依頼して入手すると良いでしょう。
住宅ローンを借り入れる人についても、以下の条件を満たす必要があります。
(1)返済期間が10年以上であること
住宅ローンの返済期間が10年以上でなければ、適用されません。また、借入時は10年以上の契約でも、繰り上げ返済をして返済期間が10年未満になると適用されませんので、注意しましょう。
(2)年収3,000万円以下であること
ここでいう年収とは、合計所得金額のことです。給与所得者の場合、給与以外にもボーナスや退職金、不動産譲渡で得た収入、株の売買による利益や配当なども含まれます。
2021年度の税制改革で、所得要件が一部変更になっています。床面積が50m2以上の物件を取得する場合は従来通り3,000万円以下ですが、床面積が40㎡以上50m2未満の物件に関しては1,000万円以下になりますので、ご注意ください)
(3)譲渡所得税の特例・居住用財産の買い替え特例を受けていないこと
居住した年の前後2年間に、「譲渡所得税の特例(3,000万円の特別控除)を受けていないこと」「居住用財産の買い替え特例を受けていないこと」も条件になります。
住宅ローン控除で還付される金額は、どれくらいになるのでしょうか。それは、借入額や利用する住宅ローンの金利や返済期間などによっても異なります。
具体的な控除額を、借入額別にシミュレーションしました。なお、金利は固定で年率1.3%、返済期間は35年とします。(控除期間は10年です)
借入額 | 住宅ローン控除の還付額 |
---|---|
2,500万円 | 200万円 |
200万円 | 174.8万円 |
174.8万円 | 131.1万円 |
借入額が2,500万円の場合、トータルの返済額は約3,113万円(月額74,120円)。返済開始から10年後も20万円の還付が受けられ、10年間で200万円が控除されます。なお、新築マンションだと控除額は10年で約218万円です。
借入額が2,000万円の場合、トータルの返済額は約2,490万円(月額5万9,296円)。最初は20万円の還付が受けられますが、途中で残高が2,000万円を割り込むため、トータルの控除額は174.8万円です。
そして、借入額が1,500万円の場合、トータルの返済額は約1,868万円(月額4万4,472円)。最初から控除額は年間20万円以下となり、10年間で131.1万円になります。
上記のシミュレーションは、住宅ローンの金利と返済期間をもとに算出しましたが、そもそも住宅ローン控除の控除額は納税額を超えることはありません。住宅ローン控除は所得税や住民税から控除されますが、これらの税額は年収や扶養家族の人数などによっても異なります。
たとえば、年収300万円で扶養家族がいない方の場合、所得税は約6万円、住民税は約12万円です。住宅ローンの残高が2,000万円以上あったとしても納税額は約18万円ですから、控除額も約18万円になります。
住宅ローン控除を受けるには、中古マンションを取得した翌年に確定申告をする必要があります。給与所得者の方も確定申告を行わないと適用されませんから、忘れずに行いましょう。なお、翌年以降は年末調整で対応します。
確定申告では、以下の書類が必要です。中古マンションの場合、新築物件よりも提出書類が多くなりますから、しっかり確認したうえで集めましょう。
「確定申告書」「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は、税務署の窓口で入手できます。「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」とは、控除額を算出するのに必要な書類です。補助金を受け取っている場合や贈与の特例を受けている場合は、それぞれの計算明細書も必要です。
「年末残高等証明書」は金融機関から送られてくるハガキで、年末時点のローン残高を知らせるものです。年末ごろに送られてきますので、大切に保管しましょう。
「登記事項証明書」は法務局で、「住民票の写し」は各自治体で発行されます。住民票は、住宅ローンで購入した中古マンションがある自治体で取得します。
「源泉徴収票」は、給与所得者のみ必要です。転職などで源泉徴収票が複数ある場合は、すべて用意します。
「補助金等の額を証する書類、住宅取得等資金の額を証する書類の写し」は、補助金や贈与を受けた方は用意します。
「耐震基準適合証明書の原本」「建設住宅性能評価書の写し」「既存住宅瑕疵担保責任保険(付保証明書の原本)」は、新築では不要ですが、中古マンションでは必要な書類です。不動産会社などに依頼して、用意しましょう。
条件さえ満たせば、中古マンションでも住宅ローン控除が適用され、納めた税金の一部が還付されます。控除額は年額で最高20万円にもなり、教育費や介護など支出が多い時期には、家計を助ける強い味方となるでしょう。
なお、2021年度の税制改革で、入居期限や床面積、所得などの要件に一部改正がありました。本文ではその内容も反映していますが、年によって変更になることもあります。税制に関する最新情報にも耳を傾けながら、住宅ローン控除を最大限に活用しましょう。
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