折り上げ天井って何?メリット・デメリットや導入時のポイントを紹介
ここでは、折り上げ天井の概要から、折り上げ天井のメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイント等を共有していきます。
2024.11.21
土地を始めとする不動産や現金を相続した場合、遺産の額によっては「相続税」という税金を納める必要があります。
ただ、相続税は最高税率も高く、課税額や実際の納税額計算も複雑な制度です。「故人の死を知った日の翌月から10ヵ月以内に納税を終わらせる」というルールが存在する以上、相続の発生と同時に相続税の勉強も必要になってきます。
ここでは土地を相続した場合の相続税額計算方法や、相続税の計算時にぜひ使ってほしいお得な税の控除・特例について解説していきます。
相続税とは、「遺産の相続人」に対して発生する税金のことです。所得税と同じく、相続によって得た財産の額が多ければ多いほど税率も高くなっていきます。ただし、自宅など生活に必要な財産の相続にまで多額の課税をすると、遺族の生活が立ち行かないため、ほかの税金に比べて控除や税の特例も充実しているのも事実です。
そんな相続税の特徴は、税額計算の難しさ。まずは、遺産の総額が基礎控除を越えているかどうかを考える必要があります。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」なので、相続人が2名なら、4,200万円以下まで相続税はかかりません。遺産総額が基礎控除より大きくても、そのほかの控除で差し引きゼロにできるなら、相続税は非課税になるというわけです。
遺産の総額が基礎控除よりも大きい場合、つまり相続税の納税が必要な場合は、「法定相続分に従って一人あたりの仮相続税額を求める」「全員の仮相続税額を合計する」「実際の遺産分割に応じて課税総額を分配する」という手順で相続と申告を進めます。具体的な計算式は、以下の通りです。
不動産、特に土地のように定価のない財産については、相続税評価額がいくらになるかによって納税額が大きく変わってきます。相続税評価額は、相続税を適切に納税するためにも、節税をするためにも重要な要素なので、ここからは相続税評価額の調べ方を押さえていきましょう。
不動産の相続において、土地の相続税評価額は時価ではなく「路線価」という基準を利用します。理由は単純で、不動産には定価がなく、需要と供給次第で毎年のように土地の価格が変わってしまうからです。相続税を始めとして、固定資産税等の税額計算に時価を採用してしまうと、悪意や資金力のある人が土地の価格を故意に引き上げた場合に税の負担が跳ね上がってしまいます。また、税の徴収を管理している税務署等の公的機関としても、毎年課税額が変わると納税額の計算や通知を送るのが大変です。そこで、税の世界では、路線価や公示価格、固定資産税評価額といった公的な土地の評価額を利用して、土地の税額を求めることになっています。
路線価自体は、毎年国税庁によって調査・公表されているため、国税庁のホームページでいつでも詳細を検索可能です。路線価のページでは、1平方メートルの土地価格が1,000円単位で記載されているため、「100」と書いてあれば1平方あたりの路線価は10万円だと分かります。そのため、相続した土地の面積が70平方メートルであれば、10万円×70平方メートル=700万円の財産だと計算できるのです。
路線価は無料で検索できるため、興味がある場合は一度国税庁のホームページを調べてみましょう。
ただし、路線価は、地方や郊外だと設定されていない場合もあります。こういったケースでは、「倍率方式」といって、「固定資産税評価額」に指定の評価倍率(%)をかけることで相続税評価額を計算可能です。また、簡易的な数値で良ければ、「固定資産税納税通知書」に記載されている固定資産税評価額から相続税評価額を求める方法もあります。固定資産税評価額は、国が定めた土地の基準価格である公示価格の約7割であり、相続税評価額は公示価格の約8割です。固定資産税評価額を0.7で割って公示価格に戻し、0.8をかければ、固定資産税評価額を相続税評価額に変換できます。
土地の評価額を左右する要素として、最も大きいのは立地の良し悪しです。路線価や公示価格、固定資産税評価額なども、基本的には「その土地をどれだけ幅広く活用できるか」「いかに便利なのか」という考えで価値を計算するため、
など、利便性の高い土地であればあるほど評価額も高くなっていきます。なお、都市開発が計画的に行われている以上、「新しい駅ができる」「最寄り駅が新幹線の停車駅になった」といった特殊な事情がない限り、土地の需要による資産価値は大きく変わりません。
立地と同じくらい重要なのが、土地の面積です。たとえ路線価自体は同じでも、一方の土地は面積40平方メートルの狭小地で、もう一方の土地は120平方メートルあった場合、相続税評価額は単純に後者の方が3倍高くなります。そのため、広い土地は相続時の負担が大きくなりがちです。また、広い土地は売却する際の売り出し価格がどうしても高くなってしまうので、相続後売却したいと考えても中々買い主を見つけられません。不動産は、売却するにしても建物を建てて活用するにしても時間がかかります。相続した土地を活用する予定がなければ、土地自体を分割して売却するなど、土地の事情に合った対処法を相続の直後から考えておきましょう。
相続税評価額では、一定の条件を満たした場合に評価額を減額できるという制度があります。たとえば、角地です。土地の二面が道路に接している角地は、車や通行人の安全を確保する関係上、角の部分を後退させてスペースを取る必要があります。また、単純に通行量が多く、通行人に敷地内を覗かれたり、事故に巻き込まれたりするリスクも高いです。そのため、角地に関しては相続税評価額が安くなります。
同様に、「土地に傾斜がある」「土地の形が三角形で使いづらい」「奥行きや幅が長すぎる、または短すぎて活用しづらい」といった事情があれば、土地ごとに一定の補正率をかけて評価額を減額可能です。
亡くなった方の配偶者に関しては、
のどちらか多い方まで、遺産を受け取っても相続税がかかりません。配偶者の税額の軽減があるため、基本的に故人の配偶者に関しては相続税の納税負担を心配する必要はないでしょう。
ただし、相続税の軽減を受けられるのは、あくまでも配偶者だけです。たとえば、遺産総額が1億円あり、一人息子と半分ずつ相続した場合、故人の配偶者は非課税になっても一人息子は相続税の納税が必要になります。
小規模宅地等の特例は、相続した土地に自宅または事業用の店舗や建物があった場合、土地部分の評価額を最大80%引き下げて、20%にできる税の特例です。減額率は土地の状況によって変わり、故人の自宅がある場合は、最大330平方メートルまでが減額の対象となります。そのほか、事業用の店舗があった場合は、賃貸物件等でなければ400平方メートルまで評価額が20%に、賃貸物件を運用している場合は200~400平方メートルまで20~50%の評価額で相続可能です。
土地を相続した場合、以下の流れで手続きを進めていきます。
故人の死を知ったら、まずは故人の戸籍謄本を取り寄せ、法定相続人(主に配偶者とその子ども)の人数や所在地を調べましょう。遺産分割が終わってから新たな法定相続人の存在が発覚した場合、遺産分割協議のやり直しを求められる可能性があるからです。
ただし、財産目録の作成や土地を始めとした不動産の評価額など、専門的な知識がないとスムーズに進められないので、できれば弁護士や不動産業者等の力を借りて申告と納税の準備を進めましょう。特に、遺産分割の話し合いは親しい親族同士でもトラブルになりやすいため、相続トラブルを回避したい場合は弁護士に相談することをおすすめします。
なお、相続税の申告期限は、「故人の死を知った翌日から10ヵ月以内」です。申告期限に出産が重なるなど、ごく一部の事情を除いて申告期限は延長できません。指定の期限内に遺産分割協議と遺産の分配、そして申告・納税手続きをできなかった場合、ペナルティとして相続税の他に延滞税や無申告加算税などを加算されてしまうため、確実に申告と納税ができるように調整しましょう。
場合によっては、公平な遺産分割のために土地を売却したり、遺産分割協議が長引いたりすることもあります。相続税の申告手続きは、できるだけ早く進めることが重要です。
相続税の仕組みと相続税評価額の調べ方を知っていれば、インターネットや電卓を駆使して大まかな土地の相続税額を計算できます。
ただし、実際の相続手続きには相続税評価額の調査だけでなく、財産目録づくりや遺産分割協議、内容の複雑な申告書類作成等も必要です。相続トラブルのリスクを回避したい、税の特例を最大限に利用したいといった事情があれば、弁護士や不動産業者といったプロの力を借りて、期限内に相続税の申告と納税を済ませましょう。
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