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今人気が上昇の平屋! 住宅を平屋にする場合のメリットやデメリットとは?

2021.06.02

今人気が上昇の平屋! 住宅を平屋にする場合のメリットやデメリットとは?

国土の狭い日本では2階建ての住宅が一般的ですが、昔ながらの平屋スタイルにも注目が集まっています。ただし、仮に家を建てる土地が同じであれば、平屋と2階建てでは建設費用や税金の負担等が変わってしまうため、注意が必要です。ここでは、平屋の住宅を建てる場合のメリット・デメリット・費用などの違いについてお伝えしていきます。

平屋の特徴・メリット・デメリット

●平屋の特徴

平屋とは、1階建ての一戸建てのことです。2階3階といった上階部分が存在しないため、間取りに階段が存在しないこと、比較的住宅の高さが低く構造的に安定しているといった特徴を持っています。また、1階部分に生活スペースをすべて詰め込めば良いため、住宅の設計がしやすいのも大きな強みです。まずは、平屋のメリットとデメリットを順番に押さえていきましょう。

●階段の上り下りが不要で老後も安心

平屋だと階段の上り下りが不要なので、高齢になって体力が落ちても転んで怪我をするリスクが低いです。また、年を取ると階段の上り下り自体が負担になってきます。階段がなければフラットな空間を行き来するだけで良いため、足が弱っても安心ですしバリアフリー対応もしやすいです。間取りがフラットなので、家事動線を組みやすいというメリットもあります。

●足場を組む必要がないためリフォームしやすくメンテナンス費が安い

平屋の住宅は、高さがなく構造がシンプルなのでリフォームしやすいです。また、屋根の張替えや外壁塗装といった大規模なメンテナンスを行う際に高い足場を組む必要がないので、その分メンテナンスのコストを抑えられます。場合によっては足場を組むだけで100万円前後のお金がかかってしまうので、維持費の安さは平屋を選ぶ大きなメリットといって良いでしょう。

●住宅密集地では日当たりが悪くなる

いわゆる住宅街などの密集地に平屋を建てると、日当たりが悪くなってしまいます。平屋は、2階建て・3階建ての建物と違って高い場所から日光を取り込めないため、平屋を選ぶならある程度、周囲が開けている土地を購入すると良いでしょう。ただし、家の内側に中庭を作るなど、設計の工夫次第では住宅密集地でも明るい家づくりが可能です。

●快適さを求めるなら広い土地が必須

建坪が同じ場合、平屋と2階建てなら単純に約2倍2階建て住宅の方が生活空間を広く作れます。
ただし、平屋で快適な住居を建てるためには、広い土地が必要不可欠。土地の価格は「面積×1平方メートルあたりの地価」によって決まるため、多くの場合広い土地は高いです。また、都市部では広い土地がそもそも売りに出されていません。平屋を建てるなら郊外の土地も視野に入れましょう。

●基礎工事の面積が広い分建築費用が高騰しがち

1階部分の面積が広くなるということは、家を支えるための基礎工事や外壁の工事費用が高くなるということです。地盤が強固な土地であれば基礎工事の費用はそれほど高くなりませんが、比較的地盤が緩いエリアや傾斜地・崖地等の場合は基礎工事の費用が高騰してしまうため、平屋の土地選びは慎重に進めましょう。不整形地など、難のある土地は安い代わりに問題点も多いため、購入後の出費を含めて買うかどうかを決める必要があります。

●防犯面に難がある

平屋の住宅は、1階の窓やドアから侵入しやすく、高い建物の影になりやすいため空き巣などに狙われやすいです。とはいえ、プロの空き巣であれば高層マンションでも一戸建てでも同じように侵入を図ってきます。完全に悪意ある者の侵入を防ぐのは困難なので、玄関や窓の周りを明るくしたり、音の出る砂利などを敷き詰めたりして、「侵入しようとしたら気づかれるリスクの高い家」を設計すると良いでしょう。

●中央部分の日当たりと通風が滞りやすい

平屋は、構造上住宅の中心部が暗くなりやすいです。リビングを住宅の中央部に持ってくると、採光と通風の両方が滞ってしまうため、明り取りや通風用の窓を設けたり、天窓・高窓を設置したりして家中どこにいても明るい空間づくりを意識しましょう。土地の広さに余裕があれば、住宅の中央部に中庭を置いて、採光を確保するのも一つの手です。

2階建ての特徴・メリット・デメリット

●2階建ての特徴

2階建ての特徴は、文字通り住宅の1階だけでなく2階部分も居住スペースとして利用できること。利用できる土地の範囲が制限されていても、階層を増やせば広々とした生活空間を確保できます。

また、住宅の2階部分は通行人や隣家から覗かれづらいため、プライバシーの保護を重視する世帯にもおすすめです。寝室を2階へ設置すれば、底冷え等が気にならないという強みもあります。

●狭い土地でも広い生活空間を確保できる

2階建て物件のメリットは、生活空間の広さです。たとえば、建坪40平方メートルの家を建てられる土地があった場合、平屋だと延床面積は最大40平方メートルですが、2階建てなら最大80平方メートルを自宅として使えます。建ぺい率や容積率といった土地の面積・高さに関する制限を守る必要はありますが、それでも多くの場合2階建てのほうが広い家を建てやすいのです。

●2階部分の日当たりが良い

2階建て物件は、2階部分の日当たりが良いというメリットもあります。隣家が2階建てでも影になる部分が少ないため、窓の位置や大きさにさえ気をつけていれば、朝日が入ってきて自然と目覚められる寝室や日中明るいリビング等を設計可能です。家の明るさは家族の雰囲気や湿気の対策にもつながってくるため、開放的な家で暮らしたいなら2階建ての物件を選んだ方が良いでしょう。

●比較的水害に強い

大雨や台風による浸水被害が起きた場合、2階建てなら上階へ上がることで迫ってくる水害から身を守れます。平屋だと生活空間のすべてが浸水してしまうため、比較的海に近い地域に家を建てる場合は水害対策も重視したほうが良いでしょう。とはいえ、土地によって災害時の被災リスクは異なるため、家を買う場合は平屋でも2階建てでも、事前に自治体のハザードマップや古地図を見た上で土地を決めることが重要です。

●外壁塗装等の定期メンテナンス費用が高い

高さのある一戸建ては、外壁塗装等の定期メンテナンスを行う際に足場を組む必要があります。足場を必要とする作業は、作業員の安全性を守るため、梅雨時などは工期が長引きますし、費用も高くなるため注意が必要です。住宅の2階部分や屋根などを個人でお手入れするのは危険なので、2階建て以上の家を建てるなら、住宅ローンの返済とは別にメンテナンス費用も積み立てておきましょう。

●動線が複雑になりやすく掃除に手間がかかる

生活空間を1階と2階に分ける2階建て住宅は、動線が複雑になりがちです。1階と2階の両方にトイレや浴室を用意すると工事費は高くなりますし、各部屋に収納が足りていなかったり、家事動線が効率化されていなかったりすると家の中を何度も往復する必要が出てきます。
特に、洗濯をする場所と洗濯物を干す場所が離れていると、濡れて重くなった衣類を抱えて家の中を行き来することになるため、2階建ての設計では家事動線の効率化が必要不可欠です。

●階段を設置する必要がある

2階建ての住宅では、1階と2階をつなぐ階段や階段ホールを設ける必要があります。踊り場部分を広げて作業スペースを取るといった設計でもない限り、階段部分は居住空間にはならないため、平屋に比べて畳数枚分空間が狭くなってしまうことは知っておきましょう。
とはいえ、階段の踏み板部分を利用して収納を作るなど、階段もアイデア次第で生活を便利にできるので、メリットも存在します。

平屋と2階建ての費用の違い

「延床面積が同じ」という条件で平屋と2階建ての一戸建てを比較した場合、一般的に建築費用が高くなるのは平屋です。理由は簡単で、広い平屋を建てるためには広い土地が必要になってしまうから。また、基礎工事などにお金がかかるので、建築費用は高くなってしまいます。

ただし、多くの場合広い土地を確保できるのは地価の安い郊外なので、単純に比較できるものではありません。むしろ、足場などの費用がかかる分2階建ての住宅はメンテナンス費用が高いです。平屋と2階建てを比較するときは、

・建築費用
・10年20年単位でのメンテナンスコスト

を計算した上で、より生活しやすいと感じる方を選ぶと良いでしょう。

平屋と2階建ての税金の違い

●住宅購入時にかかる税金は、平屋でも2階建てでも同じです。

  • 仲介手数料や建物の施工費用にかかる消費税
  • 売買契約書に添付する収入印紙の購入代金である印紙税
  • 不動産を自分のものとして登録するための登録免許税
  • 不動産を手に入れた際にかかる不動産取得税

ただし、家を買った後毎年かかる「固定資産税」に関しては、土地の資産価値に応じて税額が変わります。延床面積が同じなら、土地の広い平屋の方が固定資産税も高くなってしまうため、覚えておきましょう。

平屋と2階建てを選ぶときのポイント

平屋と2階建て、どちらの住宅を購入するか迷った場合、

  • 郊外でも構わない
  • 老後の暮らしやすさを考えた家にしたい
  • メンテナンス費用を抑えたい

なら平屋、

  • ある程度利便性の高いエリアに住みたい
  • 居住スペースを最大限に広げたい

なら2階建てを選ぶのがおすすめです。新居に求める機能性やデザインと、家が欲しいと思った時点で購入できる土地の一覧を見て、どちらの住宅が理想に近いのかを考えると良いでしょう。

まとめ

人気上昇中の平屋は、

  • フラットで階段がないため高齢者や小さなお子さんも安心して暮らせる
  • メンテナンス費用を節約できる
  • リフォームしやすい

といったメリットを持つ物件です。

ただし、購入できる土地や理想とする暮らし方によって、平屋と2階建てどちらが向いているのかは変わります。新居を建てるときは、ある程度、家に求める機能や条件を決めた上で、どのような土地や物件を購入できるのか不動産業者に相談しましょう。

 

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