オートロックでも注意は必要！防犯対策の種類やメリットをご紹介｜永大ハウス工業

鍵・金庫のスペシャリスト／防犯アドバイザー
玉置恭一さん

サイトURL：https://kinkoterasu.com/
所有資格等：総合防犯設備士

22歳から鍵職人として始動。
ジャパンロックレスキューサービス株式会社 専務取締役、株式会社ミライアン 代表取締役を経て、ジャパンベストレスキューシステム株式会社入社。
同社退社後、株式会社ミライアン再始動。 現在は凄腕鍵開け職人として、多数のテレビ番組にも出演中。

ここでは、オートロック付きマンションを選ぶ際に知っておきたい、オートロックの種類や注意点、防犯のポイントをお伝えします。

ただ、一口にオートロックといっても、鍵のタイプによって侵入のしやすさやメリット・デメリットが違います。
また、オートロックが付いていても犯罪のリスクはゼロにならないので、防犯対策が必要不可欠です。

ここでは、オートロック付きマンションを選ぶ際に知っておきたい、オートロックの種類や注意点、防犯のポイントをお伝えします。

●扉が閉まったら自動的に鍵をかけてくれる仕組みのこと

オートロックとは、ドアが閉まると自動的に鍵をかけてくれる仕組みのことです。
主にマンションのエントランスに設置されており、外から中に入るときは専用の鍵や暗証番号が必要ですが、中から外に出るときは自動で扉が開くようになっています。
住人の出入りがある度にロックがかかるので、マンションにオートロックが付いていると不審者が中に入れません。

そんなオートロックには、いくつかの種類が存在します。
解錠方法によって防犯性が変わるので、オートロックの違いも押さえておきましょう。

●集合鍵タイプ

入居するともらえる専用の鍵を使って、解錠するタイプのオートロックです。
マンションによっては、オートロックと自宅の鍵が同じ場合もあれば、別の鍵を使っている場合もあります。
オートロックの鍵を紛失したり、合鍵を作られたりすると簡単に建物内に侵入できてしまうため、オートロックの中ではセキュリティー性が低めです。

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玉置恭一さん

自宅と連動したものが多く、専門的には逆マスターシステムが組まれたオートロックということになります。

●暗証番号タイプ

エントランスに備え付けられた数字キーで、4ケタの暗証番号を入力すれば解錠できるタイプです。
暗証番号さえ覚えていれば、キーケースや財布、カバンの中から鍵を探す必要がないので、手軽にオートロックを開けられます。

ただ、解錠用の暗証番号はマンション全体で共有されているケースが多いです。
自分が気をつけていても、前の住人や他の住人が暗証番号を漏らしていた場合、誰でもマンションに侵入できてしまうというリスクがあります。

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玉置恭一さん

住人全員が都度タッチするので、故障して使用しなくなっているところをよく見かけます。

●カードキー・非接触型ICタイプ

カードキーを差し込んだり、ICチップの入ったカードをかざしたりすることで解錠できるタイプです。
キーを財布やカードケースにまとめておけるので持ち運びは楽ですが、別途、自宅玄関の鍵を持ち歩く必要があります。
鍵は専用品なので合鍵を作られる心配はありませんが、カード自体が破損すると家に入れません。
カードの再発行には時間がかかるので、気をつけて管理する必要があります。

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玉置恭一さん

現在多く採用されているのは、キーヘッドにICチップが埋め込まれているタイプのものがあります。これであれば、鍵と別に持つ必要がないので便利です。鍵（シリンダー）と非接触ICとの複合が一般的です。

●指紋認証・顔認証タイプ

いわゆる生体認証タイプのオートロックです。
指紋や顔のデータを登録している方だけがマンションに入れるので、専用の鍵を持ち歩く必要がなく、鍵のコピーもほぼ不可能、ほかのタイプよりセキュリティーが強固という強みを持っています。
ただ、生体認証タイプは、機器自体が高いため、あまり普及していません。
比較的新しいマンションや価格の高いマンションに導入されています。

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玉置恭一さん

指紋認証は高齢者の指紋の反応が課題と言えます。

●知らない人や不審者が家の前まで入ってこれない

オートロック付きマンションを選ぶメリットは、何といっても防犯性の高さです。
解錠方法を知っている人だけが内部に入れるので、空き巣や不審者が玄関の前まで入って来られません。
扉の前まで不審者が入ってこなければ、ピッキングされたり帰宅時に押し入られたりするリスクは下がります。
仮に家の外で不審者に後をつけられても、オートロックの内側に逃げ込めば身を守れるという安心感も、大きな強みです。

●訪問販売などの勧誘と対面しなくて良い

オートロックのないマンションだと、訪問販売の営業マンや宗教の勧誘などが直接玄関の前までやってくるので、やり取りを避けられないというストレスがあります。
しかし、オートロック付きマンションなら、訪問者が来てもインターホン越しに対応可能です。
さらにカメラ付きのインターホンなら不審な人物かどうかをチェックしてから対応するかどうかを決められます。

●鍵や暗証番号を忘れると家に入れない

オートロック付きマンションに入居するデメリットは、鍵や暗証番号を忘れたり紛失したりした場合、家の鍵を持っていても帰宅できなくなることです。
特に、オートロックのないマンションからオートロック付きのマンションに引っ越して間もない間は、ゴミ出しやちょっとした買い物のときにエントランスの鍵を忘れてしまう方が少なくありません。

やんちゃ盛りのお子さんが、オートロック用の鍵を落としたり壊したりすることもあるので、鍵の扱いには注意が必要です。

●周りの物件に比べて家賃や管理費が高め

オートロック付きマンションは、防犯設備の導入やメンテナンスにお金をかけているため、近隣にある同じくらいの間取りの物件に比べて物件価格や家賃、管理費が高くなります。
管理費・共益費は、家賃やローンの返済とは別に毎月支払う費用です。
住宅ローンでオートロック付きマンションを購入する場合は、管理費込みで毎月無理なく払えるのかを計算する必要があります。

●自宅の玄関や窓は必ず施錠

オートロックはマンションの防犯性を高めてくれる設備ですが、オートロックがあるからといって防犯意識を緩めてしまうのはおすすめできません。
なぜなら、不審者はあの手この手で侵入してくるからです。
「オートロックがあるから」と油断して施錠を忘れている方は、空き巣にとって格好の標的。
オートロックがあっても、外出するときは必ず自宅の玄関や窓を施錠しましょう。

●こまめに背後や周囲を確かめてから鍵を開ける

オートロックを解錠するとき、玄関の鍵を開けるときは、周囲の様子を窺うことも防犯のポイントです。
背後を警戒していれば、暗証番号を盗み見ようとしていたり、鍵を開けた瞬間押し入ろうとする不審者がいたりした場合に気づけます。
「警戒している」「相手を見ている」と示すことが犯罪抑止につながるので、マンション内でイヤホンを付けたまま歩いたり、スマホを見たりするのは避け、周囲に目を配ったり出会った人に挨拶したりしましょう。

オートロックの鍵を失くしたら、すぐにマンションのオーナーや管理会社に連絡することが重要です。
鍵さえあれば、マンションのオートロックは誰でも解錠できます。
「スペアキーがあるから」「後で交番に行けば誰かが拾っているかもしれないから」といった理由で連絡を遅らせている間に、不審者がマンションに入ってきて自分や自分の家族、マンションに住んでいる他の住人を巻き込む事件を起こしたら、責任は取れません。

個人でできるオートロック付きマンションの防犯対策としては、玄関や窓への補助鍵の設置がおすすめです。
空き巣などの不審者は、侵入時の不審な様子に気づかれることを強く警戒しています。
玄関や窓の鍵を増やしてピッキングにかかる時間を延ばせば、通報リスクが高くなるので、不審者は侵入を諦めやすくなるのです。
鍵を増やすためには管理会社に相談する必要がありますが、自費であれば多くの場合、断られません。

鍵・金庫のスペシャリスト／防犯アドバイザー
玉置恭一さん

玄関や窓への補助錠などの防犯対策は、物理的に侵入を防ぐことはもちろんのこと、犯罪者のターゲットから外れるためにも有効です。

防犯性の高い家を探しているなら、不審者が入って来られないオートロック付きのマンションがおすすめです。

ただ、犯罪者や悪意のある者はセキュリティーをかい潜ってきます。
オートロックがあれば万全というわけではないので、外出時は必ず家中の窓と玄関を施錠したり、鍵を開けるときに周囲を確認したり、補助鍵を付けたりして犯罪リスクを抑えましょう。