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不動産の登記費用の相場はどのくらい? 登記の種類や計算方法も解説

2022.09.27

不動産の登記費用の相場はどのくらい? 登記の種類や計算方法も解説

不動産を売買したり相続したりするときは、登記という手続きが必要になります。

ただ、一般的な生活を送る中で、不動産の登記をする機会は滅多にないので、そもそも不動産登記とは何なのか、手続きにお金はかかるのかなどもわからない方が大半でしょう。

そこで今回は、登記とは何なのか、登記費用はいくらくらい必要なのか、登記費用の節約はできるのかといった、不動産登記費用に関する基礎知識をお伝えしていきます。

不動産登記ってそもそもどういう手続きなの?

●不動産の法的な所有者を登録する手続きのこと

不動産の登記とは、簡単にいうと土地や建物の法的な所有者登録をする手続きのことです。
不動産のように購入しても持ち運べない財産は、「今現在どこの誰が正式な所有者なのか」を証明するのが難しいという欠点を抱えています。

ただ、法的な所有者を証明する方法がないと、悪意のある第三者が「この不動産は自分のものだ」と勝手に不動産を占有したり、売り払ったりする可能性があるので、日本では不動産の所有権を登記というかたちで法務局と呼ばれる国の機関に登録し、正式な所有者以外は内容を変更できないようにしているのです。

法務局に保存されている登記の中身を変更したり新しく登記を登録したりできるのは、登記に記載されている法的な所有者本人か、所有者から正式に委任を受けた代理人だけ。
たとえ不動産の所有者本人が亡くなっても、正式な相続人が登記の更新をするまで登記の内容は更新されません。
「正規の権利者以外は登記を変更できない」ようになっていることで、「登記簿上の所有者だから法的な不動産の持ち主である」という証明ができるわけです。

そのため、不動産を売ったり買ったり相続したりしたときは、法務局で登記の内容も更新する必要があります。
不動産を売買するなら必ず行う手続きなので、登記の内容はある程度、把握しておきましょう。

●不動産登記の種類

法務局で管理されている不動産登記には、以下のような種類があります。

  • 所有権保存登記
  • 所有権移転登記
  • 変更や更生の登記
  • 抵当権の設定・抹消登記

所有権保存登記は、新しく家を建てたときに行う登記のことです。
日本では、家を新築したら1ヵ月以内に所有権保存登記をすることが義務付けられています。
もし、家を建ててから1ヵ月以内に所有権保存登記をしなかった場合、10万円以下の罰金刑です。
罰金刑は軽い刑罰だと思われがちですが、れっきとした実刑判決なので、所有権保存登記を忘れると前歴が付いてしまいます。
家を建てたら、所有権保存登記も忘れずに行いましょう。

所有権移転登記は、不動産を売買したり相続によって不動産を受け継いだり、不動産を贈与されたりしたときに、名義人を元の所有者から新しい所有者に変更する手続きのことです。
法務局で保管されている登記は、正規の権利者が手続きをするまで絶対に変更されません。
所有者移転登記をしないと、不動産を自分のものだと証明できず、売却等もできなくなるので、不動産の売買・相続後は必ず所有権移転登記を行いましょう。

変更・更生登記は、登記簿上の所有者が、引っ越したり結婚して名字が変わったりしたときに利用する登記手続きです。
引っ越しや結婚・離婚をしたときに手続きを怠ると、法務局からの郵送物が届かなくなったり、現住所の住民票を取り寄せても本人確認ができなくなったりするので、住む場所や名字が変わったら忘れずに手続きしましょう。

最後の抵当権の設定・抹消登記は、ローンで不動産を購入したとき、またはローンを完済したときに利用する登記です。
不動産のローンは、「返済できなくなったら家を差し押さえて売却し、その代金で元金を回収する」という契約内容になっています。
ただ、日本では個人の財産権が法律で強く保護されているので、ただお金を貸しているだけだと、金融機関の判断で不動産を差し押さえられません。
そこで、「何かあったら不動産を差し押さえても良い」という権利、抵当権を登記できるようになっているのです。
そう簡単には変更できない登記に抵当権を設定できるからこそ、一般消費者は1,000万円を越える莫大な住宅ローンを利用できるようになっています。

不動産登記の必要経費

●必ず支払うのが登録免許税

不動産投資の必要経費は、登録免許税と司法書士を始めとしたプロへの依頼料の2種類です。
この内、登録免許税に関しては、名前の通り「税金」なので、支払わないという選択肢がありません。
また、登記手続きの中身によって税率は変わります。

たとえば、中古不動産を「売買」し、所有権移転登記をする場合の登録免許税は、土地建物共に「土地の購入価格×2%」です。
もともと土地と建物の登録免許税はそれぞれ個別に設定されていましたが、法改正によって、どちらも基本的には同じ税率が適用されるようになりました。

一方、相続によって不動産を手に入れた場合の登録免許税は、「不動産価格×0.4%」です。
家を新築したときに行う所有権保存登記や、抵当権の設定・抹消登記も、相続時と同じく「不動産価格×0.4%」の登録免許税がかかります。

●登録免許税には軽減税率がある

登録免許税率の基本は、売買なら不動産代金の2%、相続なら不動産代金の0.4%、抵当権関連なら0.4%です。
しかし、登録免許税が高すぎると不動産の売買や相続がスムーズにいかなくなってしまうため、一定の要件を満たすと税率が安くなる制度、軽減税率が利用できるようになっています。

たとえば、売買による土地の所有権移転登記の税率は本来なら2%ですが、2023年5月31日までに登記を行う場合は、税率1.5%です。
また、抵当権に関する登録免許税は、別途法律で軽減税率が適用されるようになっているので、住宅ローンの利用者ならほぼ例外なく税率0.1%で登記できます。
軽減税率の利用条件や軽減税率を受けられる期間は毎年変わるため、不動産の売買・相続・贈与をする場合は、事前にどの軽減税率を使えるのか調べておくと良いでしょう。

●登録免許税の計算方法

登録免許税の計算式は、

・不動産価格×登録免許税率

です。

ただ、不動産価格は市場での需要と供給を踏まえた時価なので、時価を参考にするとその時々で不動産にかかる税金が高くなったり安くなったりしてしまいます。
そのため、登録免許税や固定資産税といった「不動産に関する税金」の計算をするときは、「固定資産税評価額」という数値を利用するのが一般的です。

固定資産税評価額は、都道府県によって定期的に調査・更新される不動産の参考価格。
大まかにまとめると、土地の固定資産税評価額は市場価格の約7割、建物の固定資産税評価額は市場価格の6割前後に落ち着きます。
たとえば、土地2,500万円建物1,500万円の総額4,000万円で購入した、中古住宅の登録免許税は、

  • 土地:2,500万円×0.7×1.5%=26.25万円
  • 建物:1,500万円×0.6×2%=18万円
  • 総額:26.25万円+18万円=44.25万円

となるわけです。

もし、4,000万円の不動産を買うときに、500万円の頭金を用意して3,500万円のローンを組んでいたら、別途3,500万円の0.1%である3.5万円の登録免許税も納めることになります。

不動産登記をプロに頼んだらいくらかかる?

不動産の登記手続きを司法書士に頼む場合、司法書士への依頼料が必要です。
ただ、司法書士が手続きの代行についていくら請求するかを規制する法律はないので、具体的な金額はどの司法書士に依頼をするかで大きく変わります。

相場としては、所有権移転登記なら5万円から10万円、家を新築した場合の所有権保存登記なら総額で20万円程度、抵当権設定登記なら2万円から7万円ほど見ておくと良いでしょう。

不動産の登記費用は節約できる?

●登録免許税は節約できない

不動産登記費用の内、登録免許税は節約できません。
なぜなら、登録免許税の税率自体は固定のもので、工夫をしても下げられないからです。
軽減税率を適用すれば多少税率は下がるものの、所得税のように医療費控除等を利用できるわけではないので、節税幅には限度があります。
また、税額計算に使われる固定資産税評価額も、自治体が調べて決めるものなので、自分の意思では下げられません。

●相見積もりを取れば司法書士への依頼料を節約できる

司法書士への依頼料に関しては、工夫次第で節約できます。
たとえば、相見積もりを取って複数の司法書士報酬を比較し、納得できる相手に手続きを依頼すれば、登記費用を抑えられるでしょう。
ただし、安さを重視した結果、実力不足の司法書士を選んでしまい、手続きに不備が出る可能性もあります。
こだわりがなければ、不動産を購入したり管理したりしている業者に司法書士を紹介してもらうのがおすすめです。

●お金を重視するなら自分で手続きするという手も

登記を自分でやれば、司法書士への依頼料を節約できます。
とはいえ、不動産の登記手続きは専門用語も多く、日中のみ開いている法務局へ何度か出向く必要があるので、意外と大変です。
提出書類に記入ミスがあれば手続きを最初からやり直す羽目になるので、どうしても登記費用を節約したい、勉強がてら登記の手続きをやってみたいなどの事情がない限りは、プロを頼りましょう。

不動産登記費用に関する良くある疑問

Q.住所変更手続きだと登記にいくら必要?
A.住所や名字の変更に必要な登録免許税は、土地・建物ごとに1,000円です。

Q.投資やビジネス目的で不動産を買った場合、登記費用は経費にできる?
A.できますが、状況によって経費になるかどうかが変わります。

Q.登記費用はどうやって払うの?
A.コンビニ・郵便局等で必要額の収入印紙を購入し、法務局に提出します。

まとめ

不動産の登記費用は、大抵の場合総額で20万円以内です。

ただ、登記の理由や不動産の固定資産税評価額によって、具体的な必要額は変わります。
司法書士報酬以外は節約するのが難しく、司法書士報酬を過度に節約すると手続きがスムーズに終わらないケースも出てくるので、不動産の売買・相続・贈与・新築をするときは、交渉をしている不動産業者に信頼できる司法書士を紹介してもらいましょう。

 

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