戸建ては町内会・自治会の加入が必須?入らない場合の良し悪しを解説
今回の記事では、戸建ての購入を検討している方に向けて、自治会・町内会の役割や加入義務の有無、入らなかった場合のメリット・デメリットなどをお伝えします。
2024.07.16
四季の移ろいによって気温と湿度が変化する日本で、快適な暮らしを送るためには、断熱性能の高い家が必要です。
ただ、住宅の断熱性は、目で見てわかるようなものではありません。 そこで重要になってくるのが、住宅の断熱性を客観的に数値化した、Ua値・C値・Q値といった数値基準です。
この記事では、建物の断熱性を示すUa値・C値・Q値の意味や、数値の違いについて解説します。
Ua値とは、家の壁や窓からどれくらい熱が逃げてしまうのかを数値化したものです。 「外皮平均熱貫流率」という名称で、壁・屋根・床・窓といった、「家の外に面している箇所から逃げる熱量の平均」を計算しています。Ua値が示すのは「熱の逃げやすさ」なので、数値が低ければ低いほど熱が逃げづらい、つまり断熱性が高い住宅であるということになるのです。住宅の断熱性能を示す値はいくつかありますが、2022年の時点ではUa値が公的な基準として使われています。
Ua値の単位は、「W/m2・K」というものです。 Wは熱量、m2は住宅の外に面している部分の面積、Kは室内と外の温度差1℃を指しています。 単位はわかりづらいですが、室内外の気温差が1℃あるとき、1m2あたりどれくらいの熱量が逃げてしまうのかを示す単位だと考えれば、多少は分かりやすくなるでしょう。 実際の計算でも気温差Kは使わず、「外皮から逃げる熱量÷外皮の面積」を求めればUa値がわかるようになっています。
C値は、住宅にどれくらいの隙間があるのかを計算した値のことです。 細かくいうと「隙間相当面積」という名称で、C値を見ると、住宅の気密性が高いのか低いのかを客観的に判断できるようになっています。目に見えないようなわずかな隙間でも、建具や建材の間に小さな隙間があると暖かい空気や冷たい空気が外に逃げてしまうため、C値が小さければ小さいほど断熱性も高いです。 C値の単位は「cm2/m2」で、数値は「住宅の隙間面積÷建物の延床面積」で計算できます。
もともと、C値は住宅性能を証明し、省エネ住宅かどうかを判定する基準の一つとして使われていました。 しかし、北海道や東北なら2.0未満、その他地域では5.0未満というC値の基準が定められたのは、1999年です。 建築技術や建材の進化によって、当時の基準を満たしていても高気密で省エネな家とは呼べなくなってしまったので、省エネ法が改正された2009年、C値は省エネ住宅の基準から外されています。 とはいえ、隙間だらけの家だと、どれだけ高性能な断熱材や工法を使っても断熱性を確保できません。 C値自体は参考になる数値なので、高気密・高断熱の住宅を探す際は、一般的に高気密といわれるC値1.0未満のハウスメーカーを選ぶと良いでしょう。
Q値は、家の中から外にどれくらい熱が逃げてしまうのかを数値化したもの。 「熱損失係数」と呼ばれる値で、Ua値の前の公式な断熱性能基準として用いられていました。 住宅の断熱性能を測る数値なので、単位はUa値と同じ「W/m2・K」ですし、値が小さければ小さいほど高断熱になるのもUa値と同様です。ただし、Q値の計算式は「逃げる熱量÷延床面積」、Ua値と違って壁・窓・天井・基礎といった「床以外の外皮」から逃げていく熱量を考慮していません。そのため、2013年の省エネ基準改正以降は、Q値よりも正確性の高いUa値が使われています。
住宅の断熱性能を調べたり、省エネ住宅の認定をもらったりする際、重要になってくるのがUa値の地域区分です。 日本は地域によって寒暖差があるため、全国を8つのエリアに分類し、1番から8番までの地域ごとにUa値の推奨値を設定しています。 地域区分は同じ県内でも市単位で違うため、同じUa値の住宅でも、市によっては省エネ基準をクリアできません。 家を建てたり買ったりするときは、必ず地域区分を調べましょう。
なお、2020年7月時点における大まかな地域区分は、以下の通りです。
日本では、国土交通省が定めた「断熱性能等級」をどこまで満たしているかによって、省エネ住宅やZEHの認定が行われます。 断熱性能等級は、長らく1999年に作られた「等級4」が最上級だったのですが、等級4より厳しいZEH基準が普及したため、2022年に5、6、7という3つの等級が新設されました。 2022年10月1日以降、日本の断熱性能等級は7が最高ランクです。 そして、断熱性能等級は、「Ua値がいくつなのか」も判断の基準になっています。 どの程度のUa値があれば断熱性能等級4~7を取得できるのか、おおよその基準を知っておきましょう。
地域区分は、1に近い方が寒い地域です。 そのため、関東近郊を含む地域区分4~6より、1~3エリアの方が高い断熱性を求められます。 一方、地域区分8の沖縄は一年を通して温暖なので、省エネ住宅やZEHの認証を取る際にUa値を追求する必要はありません。
Ua値の低い住宅は、断熱性が高く外気温の影響を受けづらいので、夏涼しく冬は暖かいです。 壁や窓から室内の冷気や暖かさが逃げないため、エアコンやストーブをあまり使わなくても年中快適に過ごせます。 冷暖房の利用量が減ると、夏・冬の冷暖房費が安くなるので、光熱費の長期的な節約を考えている方は、Ua値の高い住宅を選びましょう。
Ua値が低い家の良いところは、部屋も廊下も含めた家全体の室温が一定になることです。 冬場、暖房の効いた部屋から廊下に出たとき寒さで震えたり、夏場寝ている間に冷房が切れて寝苦しくなったりしないので、気温の変化による風邪などの体調不良を防げます。 体調が安定するとメンタルも崩れづらくなるため、季節の境目に体調を悪くしたり寝込んだりしてしまう方は、断熱性の高い家を選ぶと快適です。
Ua値が低く断熱性の高い住まいだと、冷暖房の使う頻度が少なくなったり、夏場の冷房設定温度を高くしても快適に過ごせるようになったりします。 単純に冷暖房に使用するエネルギー量が減るため、Ua値の低い住宅は省エネかつエコな暮らしを実現可能です。 CO2排出量の少ない暮らしは、地球環境に優しくお財布へのダメージも少ないので、環境保全に貢献したいなら低Ua値住宅で過ごしましょう。
ヒートショックとは、冬場に暖かい部屋から浴室やトイレといった寒い場所へ移動したとき、温度差によって血管が収縮し、急激に血圧が下がって心筋梗塞や脳卒中を起こしてしまうという現象のことです。 日本では、入浴中に起きる死亡事故の多くが、ヒートショックによるものだとされています。 高齢の家族と同居したり、自分が高齢になったりしたときのことを考えると、室温差が少なくヒートショックが起こりづらい高断熱住宅を選ぶのがおすすめです。
省エネ住宅基準やZEHの基準をクリアしている住宅は、長持ちする上に環境にも優しいので、通常の住宅ローンよりも金利の安いローンを利用できます。具体的な金利は金融機関にもよりますが、一般の住宅ローンと省エネ住宅用ローンでは、金利が倍以上安くなることも珍しくはありません。金利が0.5%も変われば、ローンの返済負担は大幅に軽くなります。
C値が低い、つまり住宅に隙間が少なく気密性が高いということは、一度部屋を涼しくしたり暖かくしたりすると、長時間快適な状態を維持できるということです。隙間が多いとあちらこちらから空気が漏れ出てしまうため、エアコンの電源を入れてもストーブを付けてもなかなか快適な室温になりません。また、C値の低い家は、少ないエネルギー量で快適な室温にできるので、冷暖房の使用量も減りますし、光熱費も節約可能です。
非常に高気密な住宅、C値0.5cm2/m2を下回ってくると、花粉やPM2.5といった有害な物質の侵入を防げるようになります。 家の中に有害物質が入ってこない状態にしておけば、室内では花粉症や喘息を気にすることなく過ごせるので、生活の快適度合いが大幅に上昇するでしょう。 なお、現代住宅は、建築基準法で24時間換気システムの導入を必須としているため、C値の低い住宅内でドアや窓を閉め切っていても、息苦しくなる心配はありません。
温度差によって生じる結露やカビは、放置すると建材を腐らせてしまいます。 腐食した建材や建具は元の強度に戻りませんし、カビが生えた空間で過ごすと喘息やダニ等のアレルギーを起こす可能性もあるので、家を長持ちさせつつ健康に過ごしたいなら、結露・カビ対策が必要不可欠です。 その点、C値の低い住宅は、隙間が少なく余計な空気の流れができないため、効率良く室内全体が換気され、結露やカビの発生を防いでくれます。
Ua値・C値・Q値は、それぞれ住宅の断熱性能や気密性を数値化したものです。 基本的に、Ua値・C値・Q値の低い住宅は高断熱・高気密なので、数値の意味や基準を知っておけば、夏は涼しく冬は暖かい住宅を選べるようになります。
断熱性の高い住宅は、省エネで光熱費も節約でき、通常のローンよりも金利の低いお得な住宅ローンを利用できるなど、メリットが多いです。
断熱性の高い住宅を購入したいと考えているなら、Ua値・C値・Q値の低い住まいを探しましょう。
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