折り上げ天井って何?メリット・デメリットや導入時のポイントを紹介
ここでは、折り上げ天井の概要から、折り上げ天井のメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイント等を共有していきます。
2024.11.21
不動産の見た目や間取りは目で見て確認できますが、たとえば基礎がどれくらい頑丈なのか、断熱性能がどれくらいあるのかといった、「目に見えない住宅性能」はわかりません。
そこで役立つのが、住宅の性能を数字で評価してくれる、住宅性能評価という仕組みです。 今回は、新築・中古を問わず、家を買うとき頼りになる住宅性能評価書の評価項目や、申請方法、住宅性能評価を受けるメリット等を解説します。
住宅性能評価書とは、専門の第三者機関に頼んで作ってもらう、住宅性能の審査結果です。 審査の方法や基準は、欠陥住宅の増加を防ぐために作られた法律、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で定められています。評価項目は最大10項目。 数値が大きいほど性能が高いというルールになっているため、気になる物件の住宅性能評価書を取得すれば、全国どの物件であっても、客観的な住宅性能を把握できます。 気になっている物件が複数あるときに、どちらがより高性能なのか調べたり、中古住宅の購入前に隠れた問題がないか調べたりする手段として、効果的な書類です。
住宅性能評価書は、中古の場合現状を調べるだけですが、新築の場合は施工前と施工後の計2回評価書を作ります。 新築の場合、設計の時点で高性能な家を建てるという申請をしていても、手抜き工事だと事前に申請した通りの住宅性能を発揮できないからです。施工前の評価書を「設計住宅性能評価書」、施工後に作る評価書を「建設住宅性能評価書」と呼びます。
住宅性能評価書の審査項目は、全部で10項目です。 ただし、必ずしも10項目全ての審査を受ける必要はありません。 住宅性能評価の必須項目は、「耐震性」「寿命の長さ」「メンテナンスのしやすさ」「断熱性」の4項目となっており、そのほかの項目は必要に応じて有料で審査を頼むという形になっています。 住宅に求める性能は人によって違うため、新築や中古住宅の性能をチェックしたいときは、住宅性能評価の評価項目を取捨選択しましょう。
住宅性能評価書は、不動産の買い主が第三者機関に頼んで作ってもらう書類なので、取得費用は買い主負担です。 設計住宅性能評価書が10万円ほど、建設住宅性能評価書の作成に10万円ほどかかるので、新築だとおおよそ20万円が必要額の相場となります。ただ、住宅性能評価を行っている機関は全国に複数あります。 評価期間によって基本料金が違うため、安く審査を受けたい場合は複数の機関に相談してみましょう。 また、審査項目を増やしたり、より高い等級の評価を頼んだりすると、費用は高くなります。
新築住宅の購入時に住宅性能評価を受ける際の流れは、以下の通りです。
審査の申請は不動産の買い主でもできますが、設計図などの提出を求められるため、基本的には設計や施工を担当している不動産業者経由で申し込みます。審査自体はプロが行う専門的なものなので、立ち会い不要。 申請をしたら、結果が返ってくるまで待つだけです。
中古住宅の場合、売り主が住宅性能評価を受けているか確認しましょう。 売り主が審査をしてくれているなら、買い主が改めて第三者機関に評価を頼む必要はありません。
ただ、新築時に住宅性能評価を受けていて、審査から時間が経っていたり、そもそも住宅性能評価をしていなかったりする場合は、買い主側で申請を行います。住宅性能評価の申し込みは、取引の仲介をしてくれている不動産業者経由で可能です。
新築住宅の性能評価は、
の10種類あります。 「構造の安定」は、耐震性の高さを示す等級です。 数値が大きければ大きいほど、地震に強いという評価になります。 ただ、一番低い等級である等級1でも、「震度6強から7の地震でも倒壊しない」という建築基準法の最低基準をクリアしているので、等級が低くても問題はありません。
「火災時の安全」は、火事が起きたときの安全性を評価する項目です。 火が付きづらい材質や加工の建材を使っていたり、延焼しにくい間取りや工法だったりすると、等級が高くなります。
「劣化の軽減」は、不動産の基礎である土台や柱、はりがどれくらい長持ちするのかを評価する項目です。一戸建ては、基礎さえ残っていれば建て替えよりも安く全面リフォームできます。 「メンテナンスしながら同じ家に住み続けたい」「家を自分の子どもたちに残したい」といった場合に注目すると良いでしょう。
「維持管理・更新への配慮」は、屋根裏や配管など、メンテナンスに必要な場所へのアクセスがどれくらい良いかを評価する項目です。 見た目を優先して配管にアクセスできない構造だと、「配管を取り替えるためには床や壁をはがすしかない」といった状態になってしまうので、家を買うときはメンテナンス性も重視する必要があります。
「温熱環境・エネルギー消費量」は、住宅の断熱性能と、省エネ対策に関する評価項目です。エネルギー効率の良い給湯器を設置したり、太陽光発電を取り入れたりしても評価が上がります。
「空気環境」は、室内の空気のきれいさを評価する項目です。 内装に使う接着剤や塗料の中には、人体に害のある有害物質が出るものもあります。 ホルムアルデヒドを始めとした空気中の有害物質が多いと、アレルギー等の症状につながる可能性があるので、等級が高いに越したことはありません。空気環境の等級が高いと、幼いお子さんや高齢者、ペットなども安心して家の中で過ごせます。
「光・視環境」は、部屋の広さに対する窓の大きさや、部屋の明るさをチェックする基準です。北向きの窓は暗い、南向きの窓は明るいといった違いがあるので、東西南北と上方それぞれで評価が違います。 等級が高いと、部屋も明るいです。
「音環境」は、音の響きにくさ、防音性の高さを評価する項目で、等級が高ければ高いほど防音性が高いという評価になります。 「高齢者等への配慮」は、バリアフリーの充実度を調べる項目です。 出入り口に段差がない、手すりが付いている、ドアが引き戸になっていて車椅子でも簡単に開閉できるなど、バリアフリーが充実していると高い等級が付きます。
最後の「防犯」は、住宅の玄関や窓など、いわゆる開口部と呼ばれる場所の防犯性をチェックする項目です。二重鍵が付いていたり、割れづらいガラスを使っていたりすると等級が高くなります。
不動産の購入時に住宅性能評価書を取得するメリットは、目に見えない不動産の性能を、比較のしやすい数値にできること。 全国どこの物件でも、住宅性能評価書を取得すれば、「物件AとBならAの方が高断熱で過ごしやすい」「物件Bの方が耐久性のある建材を使っていて長持ちする」といった判断ができるようになります。 検査自体は国に認められた第三者機関が行うため、等級をごまかされる心配もありません。
住宅性能評価書の取得後に不動産を購入すると、「契約書に書かれていない不具合が見つかった」「等級2と書かれているのに等級1と同等の性能しかない」といったトラブルが起きたとき、弁護士が無料で相談に乗ってくれます。 相談だけで解決しなかった場合は、弁護士会が運営する「指定住宅紛争処理機関」に仲裁を頼めるので、トラブルになっても安心です。
住宅性能評価書で、購入する物件に一定以上の住宅性能があることを証明すると、本来のローンより金利の低い優遇ローンを利用できるようになります。 借りる額が同じでも、住宅ローンの金利が下がれば総返済額は大幅に少なくなるので、高性能な住宅を探していてローン返済の負担を抑えたい場合は、住宅性能評価書を取得すると良いでしょう。
中古住宅を買うときに、買い主を最も悩ませるのが、「見えない部分に問題があったらどうしよう」という不安です。 しかし、住宅性能評価書を取得すると、第三者機関に物件の現状を調べてもらえるので、住宅の問題点を事前に把握できます。 修理にいくらくらいかかるのか、どこが劣化していて逆にどこが問題ないのか分かっていれば、安心して不動産を購入できるでしょう。
住宅性能評価書を取得するデメリットは、新築の場合相場で20万円ほどの費用がかかることです。 ただ、確かにお金はかかりますが、住宅性能評価書を取得すると業者の手抜き工事を防げますし、低金利な住宅ローンも利用できるようになります。 とりあえず家を買ってみて、事前に知らなかった不具合が出た場合、不動産業者と面倒な交渉をすることになるので、長い目で見れば住宅性能評価書を取った方がお得です。
新築・中古を問わず、住宅性能評価書を取得すると、目で見てもわからない住宅の性能を数値で判断できるようになります。 審査に費用はかかるものの、詳しい評価項目はある程度、自分で選べますし、住宅ローン金利が安くなるといったメリットもあるので、審査を受けて損することはありません。 何より、住宅性能評価書を取得すると、耐久性や住みやすさ、メンテナンス性などに問題のある不動産の購入を避けられます。 安心して新居で過ごすために役立つ制度なので、金銭的に余裕があるなら住宅性能評価を受けましょう。
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