折り上げ天井って何?メリット・デメリットや導入時のポイントを紹介
ここでは、折り上げ天井の概要から、折り上げ天井のメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイント等を共有していきます。
2024.11.21
家を買いたいけど自己資金が足りない、そんなとき頼りになるのが住宅ローンです。
ただし、必要資金をどこまで借りるかによって、ローン審査の難易度や返済負担は大きく変わってきます。
今回は、フルローンよりも大きな額を借りる住宅ローンの使い方、オーバーローンの概要やフルローンとの違い、メリット・デメリットにオーバーローンの返済シミュレーションなどを押さえましょう。
オーバーローンとは、「不動産価格よりも住宅ローン残債の方が大きい状態」を示す言葉です。
ただ、近年、「物件価格よりも高いお金を借りること」もオーバーローンと呼ばれています。
具体的には、物件価格だけでなく、不動産購入時に必要な諸費用も一緒に借りるやり方のことです。
住宅ローンを使った住宅購入では、手付金や諸費用など、一部のお金を自分の懐から支払うのですが、オーバーローンを利用すればこれらの費用もローンでまかなえるというメリットがあります。
フルローンは、住宅の購入に必要なお金を、全額金融機関から借りるという住宅ローンの利用法です。
たとえば、3,000万円で売り出されている不動産を購入する際、金融機関で3,000万円借りると、フルローンを組んだという扱いになります。
頭金を用意しない分、借入額が大きくなるという特徴があり、返済負担は大きいです。
無理なローンを組み、滞納すると家を手放すことになってしまうため、フルローンを組む時は借入額と返済能力のバランスを慎重に見極める必要があります。
オーバーローンは、住宅購入資金の全額に加えて、不動産購入時にかかる各種費用(諸費用)も貸してもらう方法です。
不動産を買うときは、物件本体の価格だけでなく、不動産業者に支払う仲介手数料や売買契約書に貼付する収入印紙、不動産の登記を変更するための税金・手数料などを負担する必要があります。
諸費用の相場は、新築の場合物件価格の3~7%、中古住宅なら6~10%と決して安い額ではありません。
しかし、オーバーローンを利用できれば、自己負担を限りなく抑えて、ローンで家を立てられます。
オーバーローンを組む最大のメリットは、自身の資金力では手の届かないような高額物件も購入できることです。
不動産を購入する時は、物件価格と諸費用を負担します。
諸費用の内訳は様々ですが、総額でいうと物件価格の10%程度なので、仮に2,000万円の物件を買うときは2,200万円必要になるわけです。
2,000万円のフルローンを組んでも、200万円は現金で用意する必要があります。
しかし、オーバーローンなら、2,200万円の全額をローンでまかなえるのです。
融資の審査にさえ通れば、手持ち資金に余裕がなくても高い物件を購入できます。
住宅ローンは、一般人が無理なく家を持つために提供されているローンなので、消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングよりも金利が低いです。
総額で2,200万円必要なとき、住宅ローンで2,000万円、消費者金融で200万円借りるより、2,200万円オーバーローンで借りたほうが金利の分だけ負担が軽くなります。
諸費用をその他のローンで用意するつもりなら、オーバーローンを狙いましょう。
住宅ローンでマイホームを購入すると、最長13年間、ローン残債に応じた税の控除を受けられます。
ローン残債や期間の上限はあるものの、住宅ローン控除は、基本的に借入額が大きい方ほど多くの控除を受けられる仕組みです。
オーバーローンで大きなローンを組むと、その分、翌年以降の所得税や住民税が安くなるので、控除を最大限に利用したい場合は、諸費用も含めたローンを組むと良いでしょう。
住宅ローンの審査は、借入額が大きくなればなるほど厳しくなります。
オーバーローンは、頭金ありの住宅ローンやフルローンよりも更に大きな額を借りるため、フルローンよりも審査が厳しいです。
ローンの審査では、年間の収入や勤続年数、過去に金融事故(ローンの滞納など)を起こしたかどうかなどをチェックされます。
借入額の限界といわれる借入額は、年収の10倍です。
借入額を増やすと審査で落とされる可能性が高くなるので、オーバーローンを組む時は、年収の5倍から7倍の借り入れを目指しましょう。
オーバーローンは、通常の住宅ローンよりも借入額が多いです。
融資額が大きいと、金融機関にとって滞納されたときのリスクも大きくなるので、リスクが高くなる分、金利も高くなる傾向があります。
そのため、オーバーローンは月々の返済負担も重いです。
「無理をすれば返済できる」
「家計を切り詰めれば問題ない」
といった感覚でローンを組むと返済が大変なので、借入額を減らしたり、繰り上げ返済を駆使したりして返済負担を抑えましょう。
ローンが残っている不動産を売るときは、売却代金や手持ちの預貯金でローンを完済する必要があります。
ただ、オーバーローンの物件は、単純に残債が多いです。
ローンの完済に必要な金額が高いと、「売却代金でローンを完済できないので、物件を手放せない」という状況になってしまいます。
不動産を売却する予定があるなら、オーバーローンの利用は避けた方が無難です。
本体価格2,800万円、諸費用280万円の不動産を購入するとき、フルローンと預貯金で支払う場合とオーバーローンを組む場合、それぞれの返済額を計算してみましょう。
35年払いの固定金利、フルローンの金利は1.96%、オーバーローンの金利が2.22%という設定なら、月々の返済額と総返済額は以下の通りです。
毎月の返済額 | 総返済額 | |
---|---|---|
フルローン+預貯金 9.3万円 3,872万円 | 9.3万円 | 3,872万円 |
オーバーローン | 10.6 万円 | 4,433万円 |
オーバーローンを組むと、月々の返済額1.3万円高く、総額で561万円負担が増えるという結果になりました。
ただ、新居の予算を抑えて、「諸費用込みで2,800万円のオーバーローン」を組めば、返済負担を軽減できます。
オーバーローンを利用するときは、綿密なシミュレーションと資金計画で負担を抑えましょう。
オーバーローン物件の売却方法は、
・住み替えローンを利用し、旧居の返済費用込みで新居のローンを組む
・任意売却でローンを残したまま不動産を売る
・コツコツと返済を進め、売却代金でローンを完済できるようになるまで待つ
のどれかです。
ただ、住み替えローンは審査が厳しいですし、任意売却をするためには一旦ローンを滞納する必要があります。
ローンを滞納すると信用情報に傷が付くため、できればコツコツと返済を進め、通常の売却手続きで売れるようになるまで待ちましょう。
オーバーローンは、上手に使えば手持ちの資金を使わずにマイホームを購入できる手段です。
しかし、審査が厳しく、返済負担も多くなる上に、オーバーローンで買った家はなかなか売却できないといったデメリットが存在します。
無計画にオーバーローンを組んでも破産してしまうだけなので、オーバーローンを利用するときは、不動産業者やファイナンシャルプランナーに相談し、無理のない借り入れ・返済計画を立てましょう。
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