column 850. 買う&売る

つなぎ融資って何?利用時の流れや費用・金利まで分かりやすく解説

2023.05.16

つなぎ融資って何?利用時の流れや費用・金利まで分かりやすく解説

土地を買って家を建てるとき、土地の代金を先払いする必要があります。
ただし、住宅ローンが振り込まれるのは、完成した新居を引き渡してもらうときです。
住宅ローンでは、土地のお金や工事の着工時に支払うお金をまかなえません。

そこで利用されているのが、「ローンの実行までに必要なお金」を借りるつなぎ融資です。
今回は、つなぎ融資の概要から利用時の流れ、つなぎ融資の費用と金利まで、つなぎ融資を利用する際に知っておきたい必要な知識を解説します。

つなぎ融資って何?

●つなぎ融資とは

つなぎ融資とは、「住宅ローンが入ってくる前に発生する、家作りのお金」を支払うために利用するローンのことです。
家を買うとき、多くの方は住宅ローンを利用します。
ただ、住宅ローンで借りたお金が自分の口座に振り込まれるのは、引き渡し日です。 つまり「完成した新居を引き渡してもらう日」です。
家を新築するときは、新居が完成するまでに土地を買ったり工事の着工金を支払ったりする必要があるため、「ローンの融資が実行されるまでに発生したお金」は、施主が自分で支払う必要があります。

不動産の購入代金は高額です。
最終的に住宅ローンの借入金が振り込まれ、全額住宅ローンで精算できるとはいえ、それまでの期間に1,000万円・数百万円もの自己資金を用意するのは簡単ではありません。
そこで、住宅ローンの融資実行日までに必要な支払いの代金を借り、住宅ローンが振り込まれたらそのお金で全額返済するというローン、つなぎ融資が利用されているのです。

●つなぎ融資はどういうときに使うの?

つなぎ融資は、主に注文住宅を建築するときに使います。
なぜなら、注文住宅は、土地と建物を別々に購入する必要があるからです。
注文住宅は、土地を購入し、自分名義になった土地に家を建ててもらうという不動産です。
土地の所有者と建築会社が同じとは限らないので、土地は土地の所有者にお金を払って購入し、建築工事はハウスメーカーや工務店にお金を払って発注します。
土地の所有者に、「住宅ローンが入金されるのは数か月後だから支払いを待ってほしい」と伝えても了承してもらえないため、少なくとも土地代は住宅ローンの融資実行日よりも前に支払う必要があります。
また、建築工事のお金も、着工金・中間金・引き渡し代金といった形で、複数回に分けて支払うのが一般的です。
住宅ローンだけに頼っていたら、これらのお金を払えないので、つなぎ融資を利用することになります。

●つなぎ融資を利用するときの流れ

つなぎ融資を利用するときの流れは、以下の通りです。

  • 新居の購入にいくら必要なのか計算する
  • 住宅ローンとつなぎ融資の申し込みをする
  • つなぎ融資を受ける
  • つなぎ融資で土地代や工事代金の一部を支払う
  • 家が完成したら住宅ローンが入金される
  • つなぎ融資と工事代金の残りを住宅ローンで精算する

基本的に、つなぎ融資は住宅ローンを申し込む金融機関に貸してもらいます。
なぜなら、つなぎ融資単体だと住宅ローン審査に落ちたとき、契約者が返済の当てを失ってしまうからです。
住宅ローン・つなぎ融資共に金融機関の審査をクリアする必要があるため、ローンの申し込みは、少なくとも土地の購入予定日の2か月前には行っておきましょう。

●つなぎ融資はいつ・どうやって返済する?

つなぎ融資は、入金された住宅ローンの借入金から一括で返済します。
ただし、つなぎ融資もローンなので、借入期間に応じた利息の支払いが必要となります。

そのため、つなぎ融資の返済方法には、
・借りたお金の利息だけを毎月支払い、最後に元金を住宅ローンで返済する
・借入中は利息を払わず、住宅ローンで元金と利息の合計額を返済する
というやり方が存在します。

つなぎ融資の返済方法がどちらのパターンなのかは、金融機関によって違うため、ローンについて調べるときはつなぎ融資の返済方法もチェックしておきましょう。

●つなぎ融資の利息シミュレーション

つなぎ融資は、土地の購入から住宅ローンの融資実行日までの数か月間お金を借りるローンです。
そのため、「つなぎ融資で支払いを行ってから、家が完成するまでの日数」に応じた利息を計算する必要があります。
以下の条件でローンを組み、つなぎ融資を利用する場合、利息がいくらになるのか計算してみましょう。

  • 予算4,000万円で注文住宅を建てる(土地1,500万円・建物2,500万円)
  • 建築費用は着工時・上棟時・引き渡し時の3回払い
  • 着工金と上棟金は建築費用の30%
  • つなぎ融資の金利が年3%
  • つなぎ融資での支払いから完成までの日数:土地代6か月・中間金4か月・上棟金2か月
  • 土地代の利息 借入額1,500万円×年利3%÷365日×180日=約22.2万円
  • 着工金の利息 (借入額2,500万円×30%)×年利3%÷365日×120日=約7.4万円
  • 中間金の利息 (借入額2,500万円×30%)×年利3%÷365日×60日=約3.7万円

合計すると、約33.3万円です。
完成までの日数に応じて利息が変わるので、つなぎ融資の利息は個別に計算しましょう。

つなぎ融資を利用する際の注意点

●住宅ローンよりも金利が割高

つなぎ融資の金利は、年利2%から4%です。
住宅ローンの金利は、全期間固定金利でも1%を下回るものが少なくないので、つなぎ融資の借入額や借入期間が大きくなればなるほど、金利の分、損をしてしまいます。
なお、つなぎ融資は、住宅ローンを組む金融機関で借りるのが一般的です。
つなぎ融資の金利が安くても、住宅ローン金利が高いと負担は増えるので、つなぎ融資を利用するときは、住宅ローン金利とつなぎ融資の金利、両者の合計額がお得な金融機関を探しましょう。

●つなぎ融資の利息とは別に手数料がかかる

つなぎ融資を利用するときは、以下のような手数料がかかります。

  • 契約書に貼る収入印紙の代金(印紙税)
  • お金を借りるための事務手数料
  • 借入中に契約者が死亡等をしたときに残債を補償してもらえる団体信用生命保険の保険料
  • つなぎ融資の滞納に備える住宅融資保険の保険料

収入印紙や事務手数料は、どの金融機関でも必要なお金です。
ただ、ローンの滞納に備えるための保険料に関しては、金融機関によって加入を求められるかどうかが違います。

●新居の引き渡しが遅れると追加の利息が発生する

つなぎ融資は、「つなぎ融資で支払いを行った日」から、「新居が完成して引き渡してもらう日」まで利息が発生するローンです。
何らかの事情で工事が遅れ、引き渡し日が後ろにずれると、その分、支払うべき利息が増えてしまいます。
利息の支払いで住宅ローンの借入額が予定を下回った場合、自己資金で不足分を補うことになるので、工期には余裕を持たせましょう。

資金に余裕があるならつなぎ融資を使わないという選択も

つなぎ融資は、お金が不足しがちな工事期間中の資金を用立てられる便利なローンですが、利息や手数料がかかるので、金銭面を考えるとつなぎ融資を使わない方がお得です。

  • 自分の預貯金
  • 生命保険や定期預金の解約払戻金
  • 家族や親族からの援助

などでお金を用意できる場合は、つなぎ融資を利用せず、自己資金で土地代や着工金を支払いましょう。

まとめ

住宅ローンが入金されるまでの期間に発生する、土地の購入代金や工事の着工金・中間金を支払うお金がない場合、頼りになるのがつなぎ融資です。

ただし、つなぎ融資は、住宅ローンより利息が割高ですし、借り入れする際に手数料もかかります。
便利なローンではあるものの、自己資金があるならつなぎ融資なしで家を買う方がお得です。
つなぎ融資を利用すべきか悩んでいる場合は、利息や借り入れ期間、組み合わせる住宅ローンの借入条件などを良く考えた上で決めましょう。

永大ハウス工業では、仙台・宮城エリアに特化した戸建て、マンション、土地など様々な不動産を取り扱っております。こだわりの物件はコチラから。

人気のこだわり物件

来店予約・見学予約・訪問査定キャンペーン実施中!お近くの店舗はこちら

今週のおすすめ物件

一覧に戻る