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うつ病でもローンは組める?マイホームを手に入れるためのポイント

2023.09.04

うつ病でもローンは組める?マイホームを手に入れるためのポイント

一度、うつ病になってしまったことのある方でも、利用するローンの種類やプランを工夫すれば、住宅ローンでマイホームを購入できます。

ただ、うつ病歴のある方は、健康な方よりもローン審査を受ける際の注意点が多いです。

今回の記事では、うつ病でも住宅ローンを組めるのか、審査時にうつ病を伏せるとどうなってしまうのか、うつ病の方が住宅ローンを組むとき何に気をつければ良いのかなどを解説します。

うつ病でも住宅ローンを組めるの?

結論からいうと、うつ病でも住宅ローンは利用可能です。

ただし、心身共に健康な方に比べると、利用できるローンの幅が狭まったり、金利が高くなったりするため、好きな金融機関で好きな金利のローンを組めるわけではありません。
なぜなら、うつ病は完治するまで長い時間や治療を要する病気で、再発率も高く、自殺の要因になることも知られているからです。

まずは、どうしてうつ病だと住宅ローンを組むのが難しいのか、その理由を押さえていきましょう。

うつ病だとローンを組みづらいのはなぜ?うつ病と団信の話

●団体信用生命保険とは

団体信用生命保険とは、住宅ローンを組む際に加入を求められる、住宅ローン向けの生命保険です。
団体信用生命保険、通称団信に入ると、契約者が住宅ローンの返済中に亡くなったり、事故等で後遺障害が残ったりした場合、「住宅ローン残債と同じ金額の保険金」が出ます。
ローンの契約者に万が一のことがあっても、団信に加入しておけば、残される家族は保険金でローンを完済でき、お金を貸している金融機関側もローンの元金を回収できるわけです。

そのため、銀行を始めとした多くの金融機関で、住宅ローンの利用条件の一つとして、「団信に加入すること」を求められます。
そして、うつ病の方は、基本的に団信に加入できません。

●うつ病だと団信の審査を突破できない

うつ病だと住宅ローンをなかなか組めないのは、住宅ローン審査を突破できないからではなく、セットで加入を求められる団信の審査で落とされてしまうからです。
団体信用生命保険は、名前の通り生命保険の一種となっています。
保険は、「何かあったとき保険金を支払う代わりに、数多くの利用者から保険料を集める」というビジネスモデルです。
構造上、保険金の支払いを求められる可能性の高い利用者、健康リスクや死亡リスクの高い契約者が増えると、支払う保険金額が膨れ上がって会社は倒産してしまいます。

そして、うつ病は、現代日本において自殺の要因の一つとして見られている病気であり、外傷と違って完治するのが難しい病です。
健康リスクが高いため、うつ病の方は団信の審査を突破できないのです。

住宅ローンの申し込み時にうつ病を隠すとどうなる?

●3年以上前にうつ病が完治している場合は問題ない

3年以上前にうつ病が完治しており、それ以降通院や投薬治療を受けていない場合、つまり3年以上健康に過ごしている場合、過去にうつ病だったことを団信の審査時に伝える必要はありません。

なぜかというと、団信の審査でチェックされるのは、
・過去3ヵ月以内に医師による治療を受けたり、薬を出してもらったりしたか
・過去3年以内に手術を受けたり、2週間以上の治療を受けたりしたか
だからです。

上記の基準に当てはまらない病歴や治療歴は、告知義務に入っていないため、うつ病を患ったことのある方も、うつ病になったことのない方と同じように審査してもらえます。

●告知義務違反で契約解除されるリスクがある

うつ病の治療を受けてから3年経っていない、または現在うつ病を患っている場合、住宅ローンの申し込み時にうつ病であることを隠すと、団信の告知義務違反です。
団信の審査中であっても、団信の審査をクリアした後でも、実はうつ病だったことがわかった場合、規約違反で審査に落とされたり、契約解除されたりします。

そして、注意しておきたいのが、団信の審査タイミングです。
住宅ローンは、事前審査と本審査という2段階の審査でローンを利用できるかどうかが決まります。
団信の審査が行われるのは、事前審査を突破し、不動産の売買契約を結び、住宅ローンの本審査に申し込んだ後。
物件の引き渡し日まで時間がないので、団信の審査に落ちた後、別のローンに切り替えて購入を目指すという対応は取れません。

また、団信の審査とローン本審査の両方に通り、家を買った後に団信の告知義務違反が分かった場合、規約違反によって団信の契約が解除され、団信の利用が前提となっている住宅ローンの一括完済を求められる可能性があります。

●後でうつ病がバレると保険金が下りない場合も

うつ病であったことを隠して何とかローンを組めたとしても、安心はできません。。
ローンの契約者が亡くなり、団体信用生命保険の保険金を受け取るためには、医師によって書かれた死亡診断書を提出する必要があるからです。
死亡診断書に、うつ病に関する治療歴等が記載されていれば、告知義務違反をしていたことがバレてしまいます。

この場合、団信の保険金が下りません。
また、健康保険の履歴から、うつ病を隠していたことが判明して契約解除になるケースもあります。
隠していたことがバレると、保険金が下りないどころか、これまでに支払った団信の保険料も返ってこないので、うつ病を隠すのではなく、正攻法でローンを組むための方法を知っておきましょう。

うつ病の方が住宅ローン審査に申し込むときのポイント

●団信の加入が必須でないフラット35を利用する

長期固定金利の住宅ローンを提供しているフラット35は、団信に加入しなくてもローンを組めるサービスです。
定期収入さえあれば、自営業者や派遣社員でもローンを利用できるので、まずはフラット35の利用を検討してみましょう。

ただし、団信に加入しないということは、自分に万が一のことがあったとき、家族に多額のローンを残してしまうということです。
別途生命保険に加入したり、貯蓄をしたり、繰り上げ返済をしたりして、ローンの残債を減らすことをおすすめします。

●通常の団信より審査基準の緩いワイド団信のローンを利用する

ワイド団信は、通常の団信に加入できない方向けに提供されている、団体信用生命保険です。
金利は年間0.2%~0.3%ほど高くなってしまいますが、うつ病の方でも団信に加入できるというメリットがあります。

ただし、金融機関によって、ワイド団信に対応しているところとそうでないところがあるので、ワイド団信に対応している金融機関を探しましょう。

●配偶者の名義やペアローンで申し込む

配偶者が働いている場合、配偶者名義でローンを組むという方法もあります。
パートナーに安定収入があり、ローンの契約者になることについて同意してもらえるなら、「うつ病だから」という理由で団信の審査に落ちる心配はありません。

もし、配偶者の収入だけでは十分なローンを組めない場合、夫婦でお金を借りるペアローンの利用もおすすめです。
世帯収入によっては、個人で組むローンよりも大きなローンを利用できます。

まとめ

うつ病でも、住宅ローンでマイホームを購入可能です。
しかし、うつ病だと団信の審査で落とされてしまうので、多くの住宅ローンを利用できません。
また、ローンの申し込み時にうつ病であることを隠すと、ローンの一括完済を求められたり、契約者が亡くなったとき保険金が出なくなったりするリスクがあります。
団信の加入が不要なフラット35、審査基準の緩いワイド団信、配偶者名義でのローン利用など、うつ病でローンを組む方法はいくつかあるので、正攻法でマイホームの資金を手に入れましょう。

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