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固定資産税の相場は平均いくら?納税方法や節税のポイントを解説

2023.11.06

固定資産税の相場は平均いくら?納税方法や節税のポイントを解説

不動産を所有すると、毎年固定資産税の支払いが発生します。
固定資産税は、不動産を持っている限り今後何十年も納めていく税金なので、不動産を所有する場合は、固定資産税の計算方法や節税対策について知っておくことが重要です。

今回は、固定資産税の相場や納税額の計算方法、固定資産税を安くするための軽減措置について、解説していきます。

不動産の固定資産税とは

●不動産の所有者が年1回市町村に納める税金のこと

固定資産税は、土地や家といった不動産に課せられる地方税のことです。
毎年1月1日時点で不動産を持っている方に対して、自治体から納税の通知が届くようになっています。
不動産を持ち続ける限り、何十年も支払う必要のある維持費のようなものなので、不動産を買ったり相続したりする場合は、毎年固定資産税がいくら必要になるのか把握しておきましょう。

なお、固定資産税は、「土地」と「建物」それぞれ個別に課税される税金です。
自分で税額を求めるときは、一戸建てもマンションも、土地と建物を分けて計算する必要があります。

●固定資産税と一緒に都市計画税も徴収される

都市計画税とは、自治体が市街地を適切に管理し、開発するために徴収される税金です。
日本は土地が狭いため、住民が無計画に建物を建てたり土地を広げたりしないよう、土地の用途が区域ごとに定められています。

ただ、資金がないと都市の開発や整備はできません。
そこで、都市開発の恩恵を受ける市民、つまり整備の必要な区域内に不動産を持っている方に対して、固定資産税と一緒に都市計画税が課税されます。

税率は原則0.3%ですが、地方税なので、税率が0.3%より安い地域も少なくありません。

●建物の固定資産税は古くなればなるほど安くなる

建物の固定資産税は、築年数が古くなればなるほど安くなります。
なぜなら、土地と違って建物は経年劣化するからです。
木造の場合22年、鉄筋コンクリート造の場合は47年で、書類上の資産価値がゼロに近くなり、固定資産税の負担も減っていきます。
同程度の予算の住宅でも、築年数や住宅の種類によって今後数十年の固定資産税額が変わるので、家を買うときは、固定資産税だけでいくら必要になるのか試算しておきましょう。

毎年の固定資産税は平均いくらくらい?相場を紹介

●戸建ての固定資産税相場

戸建て住宅の固定資産税相場は、おおよそ10~15万円です。
ただし、固定資産税は、名前の通り「固定資産としての価値」によって税額が上下します。

  • 周辺地域の開発が進み人口が増えた
  • 地価が上がった
  • 経年劣化で建物の資産価値が落ちた

など、同じ不動産でも年ごとに納税額が変わるので、相場はあくまでも目安程度に考えておきましょう。

●マンションの固定資産税相場

マンションの固定資産税相場は、8~12万円ほどです。
戸建てとマンションは、仮に同じ金額で買った物件であっても、基本的にマンションの方が固定資産税は安くなります。

なぜなら、多くの場合、マンションは戸建てよりも所有する土地の面積が狭いから。
たとえば、330平方メートルの敷地に建つ30戸のマンションを一部屋購入した場合、単純に計算すると、一人で所有する土地面積は11平方メートルです。
しかし、130平方メートルの土地に建つ戸建てを買うと、所有者は一人で130平方メートル分の土地に対する固定資産税を負担することになります。
1平方メートルあたりの土地の資産価値でいえば、多くの場合戸建てよりも立地の良い場所に建っているマンションの方が高額ですが、面積が狭いので、固定資産税額はマンションの方が小さいです。

固定資産税の計算方法

●土地の固定資産税

土地の固定資産税は、以下の計算式で求めます。

  • 土地の固定資産税評価額×1.4%

固定資産税評価額とは、主に固定資産税を徴収するために自治体が3年に一度更新している、不動産価値のことです。
一般的に、土地の固定資産税評価額は、国が毎年調査・公表する土地価格の指標、「公示価格」の7割程度だとされています。
固定資産税評価額は、市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されているため、手元に通知書がある場合は実際に計算してみると良いでしょう。

手元に通知書がない場合、「路線価」を使って固定資産税評価額を求められます。
路線価は、国税庁が調べている、「道路に面した土地1平方メートルあたりの単価」です。
路線価は公示価格の約8割とされているため、国税庁のHPで路線価を調べ、

  • (路線価×土地の面積)÷0.8=公示価格
  • 公示価格×0.7=固定資産税評価額
  • 固定資産税評価額×1.4%

と計算していけば、おおよその固定資産税額を弾き出せます。

●住宅の固定資産税

住宅の固定資産税も、計算方法は基本的に土地と同じです。

  • 建物の固定資産税評価額×1.4%

厳密にいうと、住宅の固定資産税額は、「今同じ建物を新築した場合にかかる費用」と「経年劣化による資産価値の減少」を考慮して計算する必要があります。

ただし、あまりにも計算が大変なので、中古物件の場合は前年の固定資産税の納税通知書を調べ、新築の場合は「住宅価格の6割」を固定資産税評価額として計算すると良いでしょう。

固定資産税はどうやって納税するの?

固定資産税は、毎年4月から6月に自治体から送られてくる納税通知書や納付書を、金融機関の窓口またはコンビニ等に持っていくと支払えます。
支払い方法は、現金・クレジットカード・口座振替・QRコード決済などで、6月・9月・12月・2月の年4回払いが基本です。
ただし、口座振替をすれば、一年分の固定資産税を一括で納税できます。

不動産の固定資産税を安くしてくれる軽減措置とは

●住宅用地の特例

住宅用地の特例は、戸建てやマンション、アパート等の敷地の固定資産税が、安くなる税の特例です。

  • 200平方メートル以下の土地:固定資産税が6分の1になる
  • 200平方メートルを越える土地:固定資産税が3分の1になる

土地の上に住宅がある限り、住宅用地の特例を適用できます。
建物を解体して更地にすると、固定資産税が高くなってしまうため、覚えておきましょう。

●新築住宅の軽減措置

新築住宅を購入した場合、一戸建ては3年間建物の評価額が2分の1に、マンションは5年間建物の評価額が2分の1になるという制度もあります。
固定資産税が安くなる期間は決まっていますが、不動産の固定資産税は、経年劣化の心配がない購入直後が最も高いです。
家を買ってからの数年間、大幅に固定資産税が安くなるため、新築を買った場合は積極的に利用しましょう。

●耐震・省エネ等のリフォームによる固定資産税の減額措置

耐震改修や省エネ改修など、住宅性能を底上げするリフォームを行うと、工事の内容に応じて住宅部分の固定資産税を減額してもらえます。
リフォームの内容と減額率は、以下の通りです。

  • 耐震改修に関する特例措置:固定資産税が2分の1になる
  • 省エネ改修に関する特例措置:固定資産税が3分の1安くなる
  • バリアフリー改修に関する特例措置:3分の1安くなる
  • 長期優良住宅化リフォームに係る固定資産税の減額措置:固定資産税が3分の2になる

まとめ

固定資産税の相場は、戸建てだと年間10~15万円、マンションなら年間8~12万円です。
固定資産税は、建物の経年劣化等に応じて少しずつ安くなっていきますが、不動産を持っている限り毎年支払う必要があり、ゼロにはなりません。

10年20年スパンで考えると決して無視できない負担になるため、不動産を買ったり相続したりするときは、大まかに固定資産税額を計算して維持費の見積もりを立てつつ、減額措置を利用して納税負担を抑えましょう。

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