年収500万円の住宅購入!3,500万円の住宅ローンを組んだらどうなるの?
今回は、年収500万円で3,500万円の住宅ローンを組むと、どうなるのかを解説していきましょう。
2024.08.26
可能か不可能かでいえば、年収400万円あると、3,000万円の家を住宅ローンで購入できます。
ただし、年収400万円で3,000万円のローンを組むと、月々に使えるお金の大半を返済に充てることになるため、3,000万円のフルローンを組むのはおすすめできません。
そこで今回は、手取り額から無理なく払える返済可能額を求める方法や、3,000万円の住宅ローンを組んだ場合の返済負担、ローン利用者に知っておいて欲しい節税制度などをご紹介します。
年収400万円の手取り額は、大体300万円、月額換算すると約25万円です。
つまり、年収400万円で住宅ローンを組むときは、手取りの25万円から、食費・水道光熱費・外食・保険料・スマートフォンの利用料といった生活費を差し引いた額が、住宅ローンの返済可能額となります。
仮に、月々の生活費として、住居費を除いて平均17万円使っている場合、住宅ローン返済に回せるのは最大8万円。
月々の返済額が8万円を越えるローンを組むと、節約をするか、収入を上げない限り、返済できず家を手放すことになってしまいます。
返済負担率とは、年収に対するローン返済額の割合です。
返済負担率が高くなればなるほど、生活費を切り詰める必要が出てきて、滞納のリスクが高くなるため、多くの金融機関では、「返済負担率35%」を借り入れの上限額としています。
年収400万円の場合、年間140万円、月々11.6万円が返済可能額の最大値というわけです。
ただし、手取り25万円のうち、11.6万円を毎月住宅ローンの返済に当てると、生活費として約13万円しか使えません。
住宅ローンの借入額が大きすぎると、例えば病気で数ヶ月休職しただけでローンを滞納し、家を売ることになるため、限界に近い借り入れは避けましょう。
住宅ローンの返済額は、一般的に、返済負担率が20~25%になるよう調整するのが適切だとされています。
年収の400万円の場合、年間の返済額を100~120万円、月々の返済額でいうと8.3~10万円以下に抑えれば、安定した返済が可能です。
元利金等返済は、毎月一定額を返済し続けるという住宅ローン返済方法のこと。
たとえば、3,000万円の住宅ローンを金利1.96%、35年返済で組んだ場合、元利金等返済なら、35年間毎月9.9万円ずつ返済していきます。
もう一つの返済方法である元金均等返済に比べると、元金が減っていくペースが遅いため、総返済額は高くなりますが、その分、支払い額を固定できるのが特徴です。
なお、住宅ローンの返済期間を変えた場合、月々の返済額と総返済額は以下のように変化します。
返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
20年 | 15.2万円 | 3,629万円 |
25年 | 12.7万円 | 3,798万円 |
30年 | 11.1万円 | 3,971万円 |
35年 | 9.9万円 | 4,149万円 |
返済負担率を考慮すると、年収400万円の方が3,000万円の住宅ローンを組む場合、35年以上の返済期間が必要です。
元金均等返済は、毎月同じ額の元金と、元金に対する利息を上乗せして返済する方法のこと。
住宅ローンは、ローン残債が多ければ多いほど利息も高くなるため、初期の返済額は元利金等返済よりも高くなります。
ただし、返済が進めば進むほど、元利金等返済よりも早く元金が減っていくので、後半は利息が減り、その分、返済額も安くなるのが特徴です。
返済額は数年単位で見直されるため、返済計画を立てるのは大変ですが、総返済額を減らせるというメリットがあります。
そんな元金均等返済で、3,000万円・金利1.96%の住宅ローンを組んだ場合の返済額は、以下の通りです。
返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
20年 | 17.4万円 | 3,591万円 |
25年 | 14.9万円 | 3,738万円 |
30年 | 13.3万円 | 3,885万円 |
35年 | 12.1万円 | 4,032万円 |
元金均等返済の場合、35年ローンでも、初年度の返済額が返済負担率35%をオーバーしてしまいます。
そのため、年収400万円の方は、元金均等返済で3,000万円の住宅ローンを利用できません。
元利金等返済を選ぶのか、それとも元金均等返済を選ぶのかによって、返済プランは大きく変わります。
住宅ローンを組むときは、月々の返済額を固定したいのか、総返済額を減らしたいのかを考えて、返済方法を決めましょう。
住宅ローン控除は、ローンでマイホームを購入した場合、所得税や住民税から一定額を還付してもらえるという制度です。
控除を受けられる期間は、新築の場合13年、中古住宅の場合最大10年で、控除率は「毎年年末時点の住宅ローン残債×0.7%」となっています。
控除の適用期間も長く、控除額も大きいため、住宅ローンを組むなら必須の節税対策といって良いでしょう。
ただし、住宅ローンを受けるためには、家を買った翌年の確定申告で、住宅ローン控除を申請する必要があります。
サラリーマンの場合、初年度に控除を申請すれば、2年目以降は会社が年末調整で手続きしてくれるため、忘れずに初年度の申請を行いましょう。
住宅ローン控除の節税額は、「ローン残債×0.7%」です。
例えば、35年返済で3,000万円の住宅ローンを組み、初年度にローン残債が2,915万円まで減った場合、「2,915×0.7%=20.4万円」が、所得税と住民税から戻ってきます。
ただし、実際には、毎年20万円以上のお金が戻ってくるわけではありません。
なぜなら、住宅ローン控除は、「自身が納めた所得税と、住民税の一部」が還付される制度だからです。
年収400万円だと、源泉徴収される所得税額は年間約8万円、住民税は大体18万円となります。
住民税の控除については、原則97,500円が上限なので、最大でも18万円前後しかお金が戻ってきません。
住宅ローン控除は、年収が高ければ高いほど、借入額が大きければ大きいほど節税効果が増える制度なので、住宅ローン控除を当てにして借入額を増やすのは、やめておきましょう。
地震保険は、地震・津波・噴火といった、大きな災害によって家が被害を受けたとき、補償を受けられる住宅保険です。
大きな地震が起きると、民間の保険会社が倒産しても払えない保険金が発生するため、地震保険に関しては国と保険会社が協力し、全国で同じ保険を提供しています。
保険料は、耐震性や築年数、地域の災害リスク等によって異なりますが、戸建てなら年間3~4万円が相場です。
保険料は高いものの、地震・津波・噴火の被害は、火災保険で補償してもらえないため、余裕があれば加入を検討しましょう。
なお、地震保険は火災保険とセットなので、加入する場合、家を買う段階で契約する必要があります。
住宅を購入した後は、毎年固定資産税の納税が必要です。
固定資産税は、不動産を所有している限り、建物や土地の価値に応じて課税される税金。
税率は原則1.4%で、戸建てやマンションなら、納税額の相場は年間十数万円です。
マイホームの購入後、家を売却するまでは必ず毎年負担する費用なので、固定資産税を考慮した返済計画を立てましょう。
頭金は、住宅の購入時に支払う初期費用の一部です。
一般的に、住宅価格の10~20%頭金を用意するのが望ましいとされており、金融機関によっては、一定以上の頭金を用意することで、金利の優遇等を受けられます。
また、頭金があると住宅ローンの借入額が減るため、ローンの審査に通りやすくなりますし、返済負担も軽減可能です。
年収400万円で3,000万円の住宅ローンを組むと、返済負担率が高すぎてローンの返済に追われてしまうため、予算を3,000万円から下げたくない場合は、300~400万円以上の頭金を用意しましょう。
住宅ローンの支払いに追われてばかりの、辛い生活を避けるポイントは、返済負担率を「手取り」で計算することです。
返済負担率を額面年収で計算するのではなく、手取りの20~25%に抑えれば、家計に余裕を持たせられます。
年収400万円、手取り300万円の返済負担率を25%と設定した場合、借入可能額は約2,000万円です。
2,000万円を基準に、どれだけ頭金を用意できるかで最終的な予算を決めれば、ローン破綻を回避できるでしょう。
年収400万円の方にとって、3,000万円の住宅ローンは返済負担が重過ぎるので、フルローンを組むのはおすすめできません。
無理をしてギリギリのローンを組めたとしても、その先に待っているのは、返済に追われる辛い生活です。
住宅購入時の資金計画に地震保険料や固定資産税、引っ越し代等を組み込んだり、手取りに対する返済負担率から借入額を決めたりすれば、滞納のリスクも返済負担も減らせます。
ローンで家を買うときは、意識して余裕のある返済プランを立てましょう。
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今回は、年収500万円で3,500万円の住宅ローンを組むと、どうなるのかを解説していきましょう。
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今回は、手取り額から無理なく払える返済可能額を求める方法や、3,000万円の住宅ローンを組んだ場合の返済負担、ローン利用者に知っておいて欲しい節税制度などをご紹介します。
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