折り上げ天井って何?メリット・デメリットや導入時のポイントを紹介
ここでは、折り上げ天井の概要から、折り上げ天井のメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイント等を共有していきます。
2024.11.21
一般的な天井よりも高さがあり、空間的な奥行きを演出できる折り上げ天井を選ぶと、間取りやデザインを大きく変えることなく、おしゃれな部屋になります。
ただし、折り上げ天井にもデメリットはありますし、おしゃれに仕上げたいなら天井以外の部分にこだわることも重要です。
ここでは、折り上げ天井の概要から、折り上げ天井のメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイント等を共有していきます。
折り上げ天井とは、天井の一部を一段上げた構造のことです。
天井がフラットな状態ではなく、凹んでいるように見えるため、部屋の高さも出せますし、空間的な広がりも持たせられます。
一部分とはいえ、天井の高さが上がることで圧迫感が減る上に、間取りを変えずに部屋全体の印象を変更できる施工なので、新築はもちろん、既存住宅のリフォームで導入するケースも多いです。
住まいの天井は、主に6種類存在します。
・平天井:フラットで一般的な天井
・勾配天井:屋根の形に沿って傾斜の付いた天井
・下がり天井:天井の一部を下げ、段差を付けた天井
・船底天井:逆さにした船底を被せたような見た目の天井
・掛込天井:平天井と勾配天井を合わせた天井
・折り上げ天井:天井の一部を高くした天井
同じ部屋でも、天井の種類をどうするかによって、大きく印象を変えられるのが、天井選びの面白い点です。
吹き抜けは、2階の床を作らず、上下階をつなげる構造のことを指します。
折り上げ天井は、天井の一部分を高くしているだけなので、上下階はつながっていません。
吹き抜けは非常におしゃれな構造ですが、施工費が高く、部屋がつながっているので、冷暖房の効率も落ちてしまいます。
天井を高くして開放感を得つつ、吹き抜けほどお金をかけずに導入できる選択肢が、折り上げ天井なのです。
折り上げ天井を選ぶ最大のメリットは、部屋が広く見えること。
天井が低いと圧迫感を覚え、天井が高いと開放感を覚えるものです。
天井に高い部分と低い部分の差があることで、視覚的に立体感や奥行きも生まれるため、平天井にはない開放感を楽しめるのが、折り上げ天井の特徴です。
そのため、家族で利用するリビングやダイニング、狭くて薄暗くなりがちな玄関を明るくする手段として、人気があります。
折り上げ天井は、見た目が特徴的でおしゃれです。
平天井に比べるとデザインにアクセントが生まれますし、折り上げた部分にテープライトなどを設置すれば、天井全体を使った間接照明も楽しめます。
一般的なシーリングライトだけでなく、レストランやホテルのようにダウンライトを天井に埋め込んだり、シャンデリアを吊るしたりできるのもポイントです。
折り上げ天井のメリットとして忘れてはならないのが、吹き抜けよりも安く施工できること。
吹き抜けは、1階の天井・2階の床を物理的に取り除く必要があるため、強度を確保するための補強なども必要になりますし、施工費用も高くなりがちです。
一方、折り上げ天井は、加工する部分が天井だけで良いため、その分、コストを抑えられます。
大掛かりな間取りの変更が不要なので、中古住宅にも導入しやすいです。
折り上げ天井は、吹き抜けと比べて冷暖房の効率が下がりづらいというメリットも持っています。
吹き抜けは、見た目が非常におしゃれですが、1階と2階両方の空間を十分に冷やしたり暖めたりする必要があるため、冷暖房費が高くなりがちです。
しかし、折り上げ天井なら、空調を使って冷やした空気や暖めた空気が他の部屋に逃げないため、効率良く室温を快適な状態に維持しておけます。
折り上げ天井のデメリットは、日々の掃除が面倒なことです。
折り上げた部分にホコリが溜まりやすく、高い場所にあるため、立った状態で気軽にお手入れできません。
また、物理的に天井の高さが高いため、照明が寿命を迎えたり壊れたりした時、交換するのが大変という問題もあります。
安全に掃除や照明の取り替えをするためには、脚立や長い掃除グッズが必要です。
折り上げ天井にすると、物理的に部屋の空間が広くなるため、その分、冷暖房費がかかります。
吹き抜けほどのコストにはなりませんが、10年、20年単位で考えると、冷暖房費の増加は大きな問題です。
ただ、シーリングファンを設置したり、サーキュレーターを使用したりして、室内の空気を循環させれば、冷暖房の効率が良くなります。
折り上げ天井は、部屋が広くなる分、音が反響しやすいです。
また、本来なら天井板で隠れている梁などが見えている状態になるため、1階の生活音が2階に聞こえたり、2階の生活音が1階に漏れやすくなったりする可能性もあります。
部屋の配置によっては、お互いの生活音が気になって落ち着けなくなってしまうので、折り上げ天井を導入する時は、防音対策も充実させましょう。
建築基準法や条例の関係上、住宅全体の高さには制限がかかります。
1階のリビングを折り上げ天井にして、開放感をより強くするためさらに天井を高くすると、その分、2階や3階の天井高を下げる必要が出てくるため、折り上げ天井を導入する時は、住宅全体で高さのバランスを考えることも重要です。
家を買ってから、リフォームをしてから、天井高を変えるのは簡単なことではありません。
冷暖房の効率や照明で十分な明るさを確保できるかなど、快適な天井高が何センチか確かめてから、折り上げ天井の導入を決めましょう。
折り上げ天井は、間接照明やダウンライトといった照明器具との相性が抜群です。
間接照明は、直接、光が目に入らないため目に優しく、ライトの色を調整すれば温かな空間を演出できます。
陰影が増えるため、部屋の立体感を強調できますし、見た目もおしゃれです。
また、ダウンライトやスポットライトを設置すれば、明るさを確保できます。
天井が高いため、平天井だと選びづらい、吊り下げ式のおしゃれな照明を選んでも良いでしょう。
折り上げ天井は、天井自体が特徴的なデザインなので、天井や壁のクロスにこだわるとスタイリッシュな空間に仕上げやすいです。
たとえば、天井のクロスを白い色にすれば、光の反射で部屋全体が広く見えますし、木材を使い、壁紙も落ち着いた色味のものにすると、ナチュラルな雰囲気になります。
発色のはっきりしたアクセントクロスを壁の一部に使って、おしゃれにしても良いでしょう。
シーリングファンを設置することで、冷暖房の効率を高められます。
室内の空気を循環させれば、夏冬の冷暖房費を最小限に抑えられますし、部屋全体が涼しく・暖かくなるため、住環境として快適です。
シックな色のもの、木目調のもの、照明付きのものなど、デザイン性や機能性の高い製品も多いため、部屋のイメージに合うシーリングファンを選びましょう。
間接照明やダウンライトで光量を確保しやすい折り上げ天井は、プロジェクターの設置もおすすめです。
プロジェクター・ロールスクリーン・スピーカー等を施工の時点で天井に埋め込んだり、固定したりすれば、本格的なホームシアターを完成させられます。
床の上の荷物が減るため、部屋の美観も保てますし、見た目もおしゃれです。
天井自体の高さを上げ、大型のスクリーンを設置しても良いでしょう。
建築基準法の関係上、部屋の天井高は、最低でも210センチ必要です。
ただ、210センチだと圧迫感があるため、一般的な住宅は240センチほどに統一されています。
折り上げ部分を作るために30センチほど余裕が必要なので、新築で折り上げ天井を導入する場合、270センチの高さを確保できるかどうか確認しましょう。
ただし、建築基準法や条例によっては、別途高さの制限を受ける場合もあるため、不動産業者に相談することが大切です。
折り上げ天井の施工費用は、どの建材を使うのか、どういった施工内容にするかによって変わってきますが、リフォームなら1平方メートルあたり1.2万円前後が相場となっています。
折り上げ部分のサイズはそれほど広くないため、追加工事が必要なければ、10万円程度で折り上げ天井にリフォームできると考えておきましょう。
また、新築で折り上げ天井を導入する際の相場は、20から50万円ほどです。
折り上げ天井は、長さのあるモップなどを使い、1ヵ月に1回程度の頻度でホコリを拭き取りましょう。
脚立を使うという手もありますが、脚立は慣れていないと不安定になりやすいですし、脚立から落ちると大怪我をしてしまいます。
普段の掃除を楽にするためにも、伸縮機能付きのモップや延長ポールなどを使い、立ったまま掃除ができる環境を整えましょう。
折り上げ天井は、おしゃれなデザインと、部屋を広く見せる視覚効果が魅力的な天井です。
吹き抜けに比べて安価で導入でき、間接照明やプロジェクターといった設備との相性も良いため、平天井では物足りない、間取りを変えずにアクセントを加えたいという方は施工を検討してみましょう。
ただし、無計画に導入すると、2階の天井を低くする必要が出たり、冷暖房の効率が悪くなったりしてしまいます。
折り上げ天井を導入する時は、メリットとデメリットを比較し、最も快適に過ごせる天井高や仕様を考えましょう。
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ここでは、折り上げ天井の概要から、折り上げ天井のメリット・デメリット、導入時に押さえておきたいポイント等を共有していきます。
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