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住宅ローンの金利タイプや借り入れ方法はどれがお得? 借入時のポイント

2016.12.20

住宅ローンの金利タイプや借り入れ方法はどれがお得? 借入時のポイント

多くの方にとって住宅購入は、一生のうちでもっとも高価な買い物となるはずです。
それだけに、良い家を少しでもお得に購入したいと考える方も少なくありません。

こうした方に向けて、住宅購入には補助金や減税など、コストを抑えられるさまざまな制度が用意されています。
また、まとまった金額を借り入れる住宅ローンでは、金利を抑えることで、トータルで支払う金額を少なくできます。

しかし、住宅ローンの金利タイプは複数あるほか、金融機関によってローン商品の特徴が異なるため、「どれを選んだら良いかわからない」と悩む方もいらっしゃいます。

そこでこの記事では、住宅ローンの金利タイプや借入方法について、詳しく解説します。

住宅ローンでは三つの金利タイプを選べる!

普段、お金を借りる機会の少ない方には馴染みがないかもしれませんが、金融機関から借り入れを行うと「金利」が発生します。
金利とは、借入額に応じて支払う利息の割合のことを指します。

たとえば、金利3%で100万円を借り入れ、1年をかけて返済した場合、利息は「100万円 × 3%=3万円」ということになります。
2%なら2万円、1%なら1万円というように計算できます。このように金利は低いほど、総支払額は少なくなっていきます。

特に元本(実際に借り入れる金額)の額が大きく、返済が長期にわたる住宅ローンでは、利息が1%違うだけで、返済額は大きく変わってきます。

そして、住宅ローンの場合、この金利の支払い方法を
・変動金利型
・全期間固定型
・固定期間選択型
の3つのタイプから選べます。

ここからは、それぞれの仕組みと特徴について解説していきます。

●変動金利型の仕組みと特徴

経済状況の変化に伴い、住宅ローンの金利は変動します。
一概にはいえないものの、景気が良くなれば金利が上がり、景気が悪くなれば金利が下がる、というのが一般的です。

そして、変動する金利に合わせて借り入れる利率も変動するタイプが「変動金利型」です。
このタイプでは返済中、金融機関の決定する金利が高くなれば返済額は上がり、金利が低くなれば返済額が下がる、ということを繰り返します。

とはいえ、毎月金利が変わっていたのでは計算する金融機関も、支払う側も大変です。
そのため、金利の見直しのタイミングは年2回程度となっていることがほとんどです。
そして、金融機関の多くは毎年4月1日と10月1日を基準として金利を見直しています。

変動金利型を選択するメリットは、ほかの二つの金利タイプと比較して低い金利で支払いをスタートできる点があります。

一方で、返済中に景気が上昇してどんどん金利が高くなってしまうような状況では、返済額もそれに応じて高くなってしまいます。
このように、借入のタイミングで将来の返済額が決まらないという点が変動金利型のデメリットといえるでしょう。

●全期間固定型の仕組みと特徴

返済中に金利が変動すると、それに合わせて返済額も変わってしまう金利変動型に対し、借入のタイミングで指定された金利が完済時まで継続されるのが「全期間固定型」です。

そのため、借入のタイミングで総返済額を確認できるうえ、最終支払い月の支払額まで確定できます。
これにより返済計画が立てやすくなることが、全期間固定型の最大のメリットです。

一方で、借入当初の金利は変動金利型と比べると高く設定されています。
そのため、借入当初から返済完了まで景気に大きな動きがなく、金利が上下しないような相場の場合には、変動金利型よりも返済総額が高くなってしまう可能性があることが、全期間固定型のデメリットといえるでしょう。

●固定期間選択型の仕組みと特徴

このように、変動金利型と全期間固定型は対極にある存在です。
そのため、「どちらにすれば良いのか決めきれない」という方も少なくありません。

そうした方に向けて用意されているのが、一定期間だけ金利を固定する「固定期間選択型」です。
固定できる期間は商品によって異なりますが、2年、3年、5年、10年といったような区切りになっていることが一般的です。

固定期間が終了すると変動金利型へとシフトしますが、商品によっては固定金利期間を延長できる(再設定できる)ものもあります。

変動金利型と全期間固定型の「良いところ取り」ができることが固定期間選択型のメリットです。
たとえば「しばらくは経済がどうなるかわからないけど、長期的には安定しそうだな」といった場合に、様子を見つつ変動金利型に切り替えることもできます。

そのため、理想的なタイプのようにも思えますが、変動金利型と比較して当初金利は高いことや、固定期間終了後の金利が高く設定される可能性があることなど、やはりデメリットもあります。

元金均等返済? 元利均等返済って?

これまで紹介した三つの金利タイプのどれを選んでも、金利の返済方法を「元金均等返済」と「元利均等返済」の二種類から選べます。

住宅ローンでは、その月のローン残高に対して利息がかかる仕組みとなっています。
そのため、毎月同じ金額の元金を返済していくとすると当初は利息分の金額は高く、元金が減っていくにつれて利息分の金額は少なくなっていきます。
このように、毎月支払う元金を固定する返済方法を元金均等返済とよびます。

一方で、元金均等返済では毎月の返済額が異なるため、返済計画を立てにくいというデメリットがあります。
そこで、毎月の返済額を一定にできる返済方法が元利均等返済です。
この返済方法では返済計画は立てやすいものの、総返済額は元金均等返済と比較して高くなってしまいます。

住宅ローンの借入先の選択肢

住宅ローンの借入というと銀行などの金融機関を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は借入先にも複数の選択肢があります。
具体的には、「民間ローン」「公的ローン」「フラット35」の三つに分類できます。

ここからは、それぞれの特徴とメリット・デメリットについて解説します。

●住宅ローンの借入先:民間ローン

民間ローンは、住宅ローンの選択肢としては最も一般的なものといえるでしょう。
都市銀行や地方銀行、そして信用金庫・信用組合のほか、最近では住宅ローンを取り扱うインターネット銀行も増えつつあります。
また、保険加入者向けに住宅ローンを展開している生命保険会社もありますし、同様にJAでは組合員向けの商品を用意しています。

このように、住宅ローンといってもさまざまな金融機関が商品として提供しており、それぞれに「金利が他と比べて低め」「グループ会社での特典がある」「繰上返済の手数料が無料」などの特徴があります。
そして、この選択肢の多さこそが、民間ローンのメリットです。

一方で、住宅ローンを利用する際の大きなハードルとなる「審査」については、金融機関によって重視する項目が異なります。
そのため、「A銀行では審査に落ちたが、B銀行で通った」というようにバラツキがあることや、商品によっては審査が厳しいという点も、民間ローンにおけるデメリットといえるでしょう。

●住宅ローンの借入先:公的ローン

金融機関や組合などから借入をする民間ローンに対し、公的ローンは国の機関や自治体などから住宅ローンを借入れる方法です。
具体的には「財形住宅融資」と「自治体融資」があります。

このうち財形住宅融資は、財形貯蓄を1年以上続けていること、残高が50万円以上あることが利用の条件となっています。民間ローンと比較しても遜色ない程度の低金利で借りられますが、最大融資額が4,000万円までというデメリットもあります。

一方、自治体融資は、市区町村から住宅購入資金の融資を受けることを指します。
民間ローンと比較して審査基準が緩いことが特徴ですが、財形住宅融資と同様に最大融資額に制限があり、高額なローンを組む際には向いていません。
なお、自治体によっては融資制度自体がないところもあるので注意が必要です。

●住宅ローンの借入先:フラット35

住宅金融支援機構が、民間の金融機関などと提携して提供している住宅ローンです。
銀行など申し込み可能ですが、その場合の銀行はあくまでも「窓口」で、直接融資をしているわけではありません。

最長で35年間の全期間固定金利での融資が受けられ、返済計画が立てやすいことが最大のメリットです。

一方で、民間ローンと比較して金利は高くなりがちです。
また、利用条件として「住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合していること」などをクリアする必要があります。

住宅ローンの借入方法:ペアローン・連帯債務・連帯保証の特徴と注意点

住宅購入に当たって、金融機関から夫の収入を元にしたおおよその融資可能額を伝えられた際、「もう少し借りられれば、理想の家が建てられるのに…」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時、夫婦の場合であれば妻の収入を考慮することで、借入額を増やせます。
具体的には「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」といった方法があります。

ここからは、それぞれの特徴を紹介していきます。

●ペアローンの特徴と注意点

ひとつの物件に対し、夫婦それぞれ別の住宅ローンを組む方法です。
たとえば、単独では5,000万円の借入ができない場合でも、夫4,000万円・妻1,000万円といったかたちでローンを組み、それぞれが互いの保証人になることで合計5,000万円の借入が可能です。

このように単一の住宅ローンに比べて高額な融資を受けられることがペアローンのメリットです。
また、それぞれに住宅ローン控除の適用を受けられる点も特徴です。

一方でデメリットもあります。
具体的には、二つの住宅ローンを組むことにより、それぞれ諸経費の支払いが発生することや、万が一の事態が発生し夫が亡くなったとしても、妻のローンはそのまま残ること(逆の場合も同様)などが挙げられます。

●連帯債務の特徴と注意点

夫婦それぞれがローンを組むペアローンとは違い、夫婦の収入を合算して一本のローンを組む「収入合算」という方法もあります。 収入合算では、連帯債務か連帯保証のいずれかを選ぶ必要があります。

連帯債務の場合、夫婦のうち一人が債務者に、もう一人が連帯債務者になります。
そして、それぞれが金融機関に対して返済義務を負うことになります。

収入を合算できることに加え、夫婦それぞれ住宅ローン控除の適用を受けられる点がメリットですが、連帯債務者は団体信用生命保険に入れないことが多く、連帯債務者が死亡した場合でもローン残高はそのままに支払いを続けなければなりません。

●連帯保証の特徴と注意点

収入合算のもう一方の手段が連帯保証です。

連帯保証の場合、夫婦のうち一人が債務者に、もう一人が連帯保証人になります。
それぞれが金融機関に対して返済義務を負う連帯債務とは違い、連帯保証人が返済義務を負うのは債務者が万が一の理由で支払いできなくなった時だけです。

一方で、連帯債務のように夫婦それぞれ住宅ローン控除の適用を受けることはできません。

まとめ

このように、住宅ローンと一口に言っても、そのタイプや返済方法は様々です。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、「自分にはどのタイプが合うのだろう?」と悩んだ場合には、住宅ローンの専門家のいる不動産業者に相談してみましょう。

 

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