2.資金計画・住宅ローン

住宅を購入する前に

マイホームやマンションといった不動産の購入は人生で大きな買い物です。そのため、あらかじめ購入計画をしっかりと立てる必要があります。全額を現金で払えるのでしたら問題はありませんが、そうでない場合は預貯金などの資金はどれくらいあるのか、ローンを組むとしていくらまでなら頭金に回せるのか、月々の返済額はいくらくらいなら無理なく支払うことができるのか、などを考えなくてはなりません。せっかく住宅を購入しても、ローンを払いきれずに手放してしまう羽目になるのは誰だって避けたいものです。そうならないためにも、資金計画は確実に立てておいたほうがよいでしょう。

まずは自己資金を用意

自己資金とは、住宅購入の際に自分であらかじめ用意しておく現金のことで、通常は頭金と住宅購入資金以外に必要な、諸費用に充てられます。たいていは物件購入価格の2割以上は必要だといわれています。その理由として、今までは融資限度額が物件価格の8割に設定されているものが多かったためです。最近では頭金ゼロからのローンも登場しています。ただし、頭金以外にも諸費用は必要なので、諸費用分の自己資金は最低限必要となります。今では諸費用ローンもあります。

各種住宅ローンについて

住宅ローンは大きく分けて公的ローンと民間ローンとがあります。公的ローンにはフラット35、財形住宅融資、自治体融資があります。フラット35は住宅金融支援機構と提携をしている民間の金融機関で申し込みができる長期固定金利住宅ローンです。最長で35年まで借りられ、その間、金利は変わりません。資金を調達した時点で返済総額が確定しますので、返済プランが立てやすいといえます。メリットは保証料が不要であり、保証人も必要がないこと。また、繰り上げ返済を行う際にも手数料はかかりません。民間の金融機関との併用もできます。デメリットとしては借入上限額が物件の9割までであることや、年収によって制限されること、自費で物件検査を受けなくてはならないこと、団体信用生命保険料が別途必要、繰り上げ返済の最低額が100万円からとなっていることなどが挙げられます。財形住宅融資は財形貯蓄を1年以上継続していなくてはならないので、会社員や公務員などを対象としています。自治体融資は都道府県や市町村が行っている融資で、各自治体によって借り入れなどの条件が違います。また、すべての自治体で行っているわけではないので、まずは問い合わせることが重要です。次に民間ローンですが、取り扱っている金融機関は、銀行、信用金庫、労働金庫のほか、住宅金融専門会社、生命保険会社など多岐にわたっています。取扱商品も様々な種類があります。一般に銀行、信用金庫、労働金庫では変動金利型や固定金利変動型を中心に貸し出し、住宅金融専門会社や生命保険会社などは全期間固定金利型が中心といえるでしょう。民間ローンのメリットとしては、借入限度額が高い、物件の面積などの条件がほとんどない、繰り上げ返済の下限額が低い、変動金利型が選べる、金利キャンペーンがある、団体信用生命保険料が含まれているなどです。デメリットとしては保証料、繰り上げ返済に手数料がかかる、審査基準が厳しいなどが挙げられます。公的ローンであれ民間ローンであれ、それぞれにメリット、デメリットがあります。金利だけで判断するのは非常に危険です。金利が高くても、繰り上げ返済をしていったら、金利が低いところよりも最終的な返済額が安く済むこともあるからです。