最近ではリサイクルショップやフリマアプリなどの普及で、不要になったモノは気軽に売却できるようになりました。

一方で、不動産の場合には、登記や売買契約、仲介契約、そして買い主とのやり取りなど、売却には多くの手続きが必要です。なかなか購入希望者が現れずに売却期間が長期化してしまうと、疲れが出てしまうことも。

そこでこの記事では、不動産売却時のストレスを軽減する対処法について解説していきます。

不動産を売却する際に「期間は特に気にしていない。売れればいいと考えている」という方は稀です。多くの方がそれぞれの事情から、できるだけ早く売却したいと考えているでしょう。

しかし、不動産は「売りに出したら、すぐに買い手が見つかる」というものではありません。人気の高いエリアの築年数の浅い住宅など、需要が多く競争率の高い物件であれば買い手が見つかりやすいですが、条件面が悪くなるほど問い合わせの件数も少なくなる傾向にあります。

さらに、売れる・売れないに関わらず、不動産売却では内覧への対応や、業者や買い主との交渉など普段行わないようなイベントが多く、気疲れしてストレスを抱えてしまう方も珍しくありません。

そして、このようなストレスは次に挙げるような方法で軽減できる可能性があります。

●売却スケジュールに余裕を持たせる

「早く売りたい」という思いばかりが先走って、売却までのスケジュールを短く設定してしまうと、売却前の内覧準備や、売却後の登記や契約といった手続きに追われ、落ち着かない日々を過ごすことになってしまいます。

また、慣れない作業で書類等に不備があるケースも少なくありません。
そうしたトラブルへの対応が続けば、ストレスがより高まってしまうでしょう。

そこで、可能であれば余裕を持った売却スケジュールを立てましょう。
それぞれの手続きの間に空白の日程を作ることで、トラブル対応もスムーズになります。

●信頼できる不動産業者を見つける

不動産売却では、売却を担当してもらう不動産業者と半年～1年にわたって付き合うことになります。
そんななかで、不動産業者とのやり取りがスムーズに行かなかったり、不信感を持ったまま売却活動を続けたりしていると、売り主に負荷がかかってしまいます。

そのため、まずは信頼できる不動産業者を見つけることが重要です。
業者探しに多少時間がかかったとしても、自分が「相性が良い」と感じる業者・担当者と出会うことで、その後の売却活動をスムーズに進められるはずです。

●相見積もりを使って不動産の適正価格を調べる

一物一価の不動産の場合、ほかの物件との比較だけで適正価格を判断することは難しいものです。
そして、適正価格がわからないまま売却活動を進めると、「本当にこの金額で売っていいのか」と不安が大きくなってしまうことも。

こうした不安を払拭するためには、複数の不動産業者の見積もりを比較する「相見積もり」が有効です。
最近では複数の見積もりを一度に比較できて便利な「一括査定サイト」もあるので、こうしたサービスを活用しつつ、適正価格を調べておきましょう。

●「内覧を受けない日」を作る

不動産業者による営業活動が始まると、人気のある物件の場合には問い合わせが集中するケースもあります。
そして、こうした問い合わせに応えて毎日のように内覧に対応していると、ほかのことができずにストレスが溜まってしまいがちです。

そこで、不動産業者と話し合って「内覧を受けない日」をあらかじめ設定しておきましょう。仕事と同様、休みの日があることで落ち着きを取り戻すことにつながり、次の内覧に向けて気持ちが切り替えられるはずです。

●内覧前に室内を掃除したり、新居で使わない家具を処分したりする

内覧に来る方は、その物件の条件にある程度は満足しているはずです。
そのため、内覧で良い印象を与えられれば、スムーズに商談につながる可能性が高まります。
そして、良い印象づけのために最低限必要なのが、掃除によって清潔感を出すことです。

掃除や家具の片付けは面倒なものですが、このタイミングで行っておくことで売却後の負荷を減らすことにもつながります。スムーズに売却を決めるためにも、しっかりと行っておきましょう。

●部屋の掃除や飾り付けが負担になる場合はプロに頼む

内覧時には、前述した掃除のほか、その物件のアピールポイントに飾り付けをするような工夫も有効です。
一方、こうした作業には多くの時間が必要です。そして、仕事などの事情から時間が作れないという方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合には、業者に代行してもらうことで、心理的にも肉体的にも負担が軽減されます。
もちろん、その分の費用はかかりますが、内覧に来た購入希望者に良い印象を与えることで商談がまとまり、売却期間が短くできる可能性もあります。

費用感に悩んでいる場合には、不動産業者に相談してみましょう。

●値下げや売却期間など、自分なりのルールを決めておく

購入希望者との商談が始まると、値下げ交渉を持ちかけられるケースがあります。
また、複数の希望者がいる場合には、それぞれとの商談で売却期間が長期化していくことも少なくありません。

そこで、あらかじめ値下げ幅や売却期間について、自分なりのルールを決めておくことが重要です。特に値下げ幅については、前述した適正価格から大きく外れないようにしておくと後悔が少ないでしょう。

●相性が良くないと感じたら、不動産業者や担当者を変える

前述した通り、不動産売却のストレスを考えるうえで、不動産業者や担当者は非常に重要です。
そして、売却活動を進めるなかで、あまりにも相性が良くないと感じたら、割り切って業者や担当者を変えるという判断も有効です。

必ず、自分に合った業者・担当者がいるはずので、「仕方がない」と諦めるのではなく、別の可能性も検討してみることが大切です。

多くの人にとって、不動産売却は一生のうちに何度も経験するものではありません。
そうした状況のなかでストレスを貯めないために、積極的に不動産業者や一括査定サイトを活用していきましょう。