相続などで手に入れた不動産を賃貸に出すか売るか迷ったら、基本的には売却をおすすめします。
「自分では住まない物件を賃貸として活用し、収入を増やす」という不動産投資は非常に魅力的ですが、投資経験のない人がたまたま手に入れた物件を活用して、すぐに成功できるようなものではありません。
むしろ、不動産を手放さずに賃貸活用することで、損をする場合もあるので、賃貸活用に潜むリスクについて知っておきましょう。
	
		今回は、不動産を賃貸活用するリスクや、賃貸に出さず売ることで得られるメリットなど、賃貸に出して儲かる物件の特徴等を解説します。
	
		
			持て余している不動産は賃貸に出さず売却しよう
	
	
		結論からいうと、住む予定のない不動産は、賃貸に出さずに売りましょう。
理由は簡単で、不動産売却よりも賃貸物件経営の方が難しいからです。
不動産を売る場合、「業者選び」さえうまくいけばある程度の値段で物件を売却できます。
	
		しかし、「賃貸物件の経営」を成功させるためには、
	
      - 賃貸物件経営のやり方
 
      - 管理会社選び
 
      - 空き室を埋めるための宣伝広告やマーケティング
 
      - 賃貸収入や経費の扱いに関する経理
 
    
		といった幅広い知識と実務が必要不可欠です。
	
		賃貸物件の情報サイトを使い、全国に存在する数千件以上の物件を簡単に比較できる現代では、「入居者募集」という看板や広告を出しただけだと入居者を確保できません。
だからこそ、「賃貸に出せば儲かる」物件でないと、賃貸経営はおすすめできないのです。
	
		
			不動産を賃貸活用するリスク
	
	
		不動産の賃貸活用には、以下のようなリスクがつきまといます。
	
      - 空き室が続くと収入が入ってこない
 
      - ご近所トラブルや家賃の滞納、夜逃げといった入居者トラブル
 
      - 修繕費や維持費がかかる
 
      - 火災・台風・地震等の事故や災害による建物の半壊・倒壊
 
      - 管理会社の倒産
 
    
	
		特に注意したいのが、空き室リスクです。
賃貸不動産は、入居者を確保し、家賃を払ってもらって初めて収益が発生します。
たとえ賃貸に向いた物件でも、不動産業者の力不足や宣伝広告不足で入居者を確保できなかったり、対応のミスで入居者候補を逃したりすると、いつまでたっても収入は増えません。
部屋が埋まらず、家賃が入ってこない期間も部屋や建物を維持・管理する費用は出ていきます。
家賃の滞納などを避けるためには入居者の吟味も必要ですし、災害などで物件に被害が出たら家賃を回収できません。
賃貸活用をする場合、こういった経営上のリスクを考えたうえで、儲かるかどうかを判断する必要があります。
	
		
			不要な不動産を手放すメリット
	
    
		●まとまった現金が手に入る
	
		不動産の売却を選ぶメリットの一つ目は、現金収入です。
基本的に、不動産売却の代金は現金で支払われます。
不動産を現金化してしまえば、自宅の買い替えやお子さんの教育費、万が一の貯金といったさまざまな方法で利用可能です。
    
		●一番高いときに不動産を処分できる
	
		土地と違って、建物は年々劣化し、価値が下がります。
そのため、売りどきを待つよりも、不要になったタイミングですぐに売却した方が高額売却しやすいです。
家が古くなりすぎると、市場での需要が減って買い主を見つけられなくなるため、使う予定がなければ早めの売却をおすすめします。
    
		●税金を始めとした維持費がかからない
	
		家を売ってしまえば、修繕費用や固定資産税を始めとした維持費の支払いをする必要がありません。
維持費自体は、賃貸物件に転用してもかかるお金なので、家を売ることで余計な出費を減らせます。
	
		
			賃貸として活躍する物件の特徴とは
	
	
		賃貸物件として、安定した収入を得られるのは、
	
      - 駅前マンション
 
      - 部屋数が多くて広いファミリー向けのアパート・マンション
 
    
	
		のどちらかです。
	
		新型コロナウイルスの影響で、「広くて安く郊外にある一戸建て」の需要も高まっていますが、多くの場合そうした住宅は住宅街の中にあるため、なかなか差別化できません。
郊外の物件は、「借りたい」と考える人よりも「買いたい」と考える人にアプローチした方がうまくいく可能性が高いので、賃貸物件としての利用は避けた方が良いでしょう。
	
		そのほか、賃貸物件として人気が出やすい代表的な要素が、
	
		お得なスーパーやコンビニ等が近くにある
治安が良い
リフォーム・リノベーション済み
	
		などです。
	
		ただし、リフォームやリノベーションには数百万円単位でお金がかかります。
ほかの条件が良く、賃貸としてやっていける物件でもない限り、いちかばちかで工事を頼むのはおすすめできません。
	
		
			まとめ
	
	
		賃貸に出して安定した家賃収入を確保できる物件は、数ある不動産の中でもごく一部。
特に、郊外にある一戸建てだとほとんど賃貸需要を期待できません。
住まいを賃貸に出すにはハウスクリーニングなどが必要になりますし、管理会社との契約に入居者探し、税金を含めた各種維持費の支払いも必要です。
	
		しかし、住まない家を売ってしまえば、さまざまな面倒ごとを考えることもなく、まとまった額の現金まで手に入れられます。
不動産を賃貸に出すか売却するか迷ったら、よりリスクや手間の少ない売却を選びましょう。