「資産形成」や「老後資金の準備」を考えたとき、一般的な勤め人におすすめしたいのが、不動産を売ったお金で賃貸物件を買うことです。

ただし、投資の金額が大きい以上、「投資なんてできない」「どういう物件に投資したら良いのかわからない」と不安を覚える人もいるでしょう。。

そこで今回は、不動産売却後の賃貸物件投資をおすすめする理由と、不動産投資として一般的なワンルーム投資と一棟投資、両者のメリット・デメリットをお伝えします。

持ち家を売って賃貸物件を買うという資産形成をおすすめする理由は、サラリーマンでも無理なく副業収入を増やせるからです。
持ち家や別荘といった「自分たちが住むための住まい」は、持っているだけで毎年維持費が出ていきます。
基本的に、建物は古くなればなるほど価値が下がっていくため、たとえ数十年所有し続けていても、価値が上がったり資産が増えたりすることはありません。

その点、賃貸不動産は、他人に貸して家賃を取ることで資産を増やせます。
物件の管理や家賃の徴収を管理会社に委託すれば手間もかかりませんし、収益性があるため持ち家より売却しやすいのもポイントです。
住居費を比較という面では持ち家もお得ですが、老後資金に不安があったり、生活費に余裕を持たせたかったりするなら、家を売って不動産投資を始めてみても良いでしょう。

●災害や周辺環境の変化といったリスクを分散できる

ワンルームマンション投資のメリットは、地理的なリスクや局地的な災害のリスクを分散できることです。
投資の予算を分割し、別々の都市にあるワンルームマンションを購入しておけば、特定の地域に大きな被害が出たとしても、すべての収入源が途絶えることはありません。
また、「大学のキャンパスが近くにあったが移転した」「大きな企業が近くにあったものの倒産した」といった状況でも、物件を複数持っていれば被害を最小限に抑えられます。

●一棟投資よりも安い

ワンルーム投資用の物件は、名前の通りマンションやアパートの一室なので、一棟マンションより安いです。
もし、投資に大失敗しても、破産するリスクは低いといって良いでしょう。
手が出しやすく、失敗したときのリスクも小さいため、特に不動産投資初心者にはワンルーム投資をおすすめします。

●入居者が決まるまで1円もお金が入ってこない

一方のデメリットは、空き室リスクです。
ワンルーム投資の収入は家賃なので、入居者が見つかるまで無収入で維持費を支払う必要があります。
投資物件をローンで購入しているなら、入居者がいなくても月々の返済が必要です。
一戸だけで投資を始める場合、数ヶ月は赤字を続けても問題が出ない程度の運転資金を用意しておきましょう。

●家賃を自由に決められない

ワンルーム投資物件は、「賃貸住宅の一室」です。
投資した部屋の家賃は所有者が自由に決められるものの、同じ物件内を見れば家賃の相場が分かるため、安易な値上げはできません。
物件のある地域や建物の設備・状態によって多少は上下しますが、買った時点で年間の売上上限が固定されてしまう点には注意が必要です。

●ワンルーム投資よりも稼げる

物件内に数戸から十数戸の部屋を持つ一棟マンション投資は、部屋数が多い分、家賃収入も多く入ってきます。
金額こそワンルーム物件よりは高いものの、年間の利益が大きく、数室が空き室でもほかの部屋が埋まっていれば黒字になるので、予算に余裕があるなら一棟投資もおすすめです。

●計画的にマンションのメンテナンスや管理ができる

一棟投資だと、マンジョンすべてが自分のものなので、10～15年に一度の大規模改修工事や、細々としたメンテナンス等を自分の意思で決められます。
建物をきれいに維持すれば家賃を下げる必要もありませんし、手放すときも高く売りやすいです。

●条件の良いマンションは価格が億単位になってしまう

駅から多少離れたアパート等であれば、数百万円から入手できるものもありますが、立地の良い大きなマンションだと、一棟1億円以上することも珍しくはありません。
一棟マンションは個人の資金力だとまず購入できないので、ローンを利用して投資することになりますが、額が額だけにローンの審査も厳しいです。

●投資に失敗したときの損失が大きい

一棟マンションは高額なので、入居者を確保できなかった場合の損失も大きくなってしまいます。
また、そもそも金額が高いため、運用できずに売却する場合、なかなか買い主を見つけられないのもデメリットです。

持ち家を買うと「資産が増えた」という気分になりますが、実は持ち家を持っていても資産は増えません。

しかし、家を売ってそのお金とローンで賃貸物件を購入すれば、家賃収入で老後の備えや収入アップを狙えます。

投資経験が浅く、リスクを抑えたい場合はワンルーム投資、資金力があってできるだけ大きく稼ぎたい場合は一棟マンションなど、好みに応じて投資する物件を決めましょう。