不動産を手放す方法には、仲介と買取の2種類があります。

ただ、不動産業者に仲介してもらって家や土地を売るのか、それとも買取業者に買い取ってもらった方が良いのかは、売却する不動産次第です。

ここでは、仲介と買取の違いを始め、買取を選んだ方が良いケースや、買取業者選びのポイントなどをお伝えしていきます。

●高く売れるのが仲介

仲介と買取を比較したとき、売却価格が高くなりやすいのは仲介で不動産を売ったときです。
仲介では、一般市場で不特定多数の買い主に不動産を売り込むため、よほど条件の悪い物件でもない限りは大幅な値引きをしなくても相場で売れます。
しかし、買取の場合、不動産を安く買い叩いた方が転売したり土地を開発したりするときの利益が増えるため、買取価格も安くなりがちです。

●早く売れるのが買取

不動産の売却期間に関しては、買取の方が優れています。仲介で不動産を売る場合、早くても3ヵ月は必要ですが、買取なら1ヵ月で十分です。
仲介と違って、不動産の買取業者が直接不動産を買い取ってくれるため、いつ現れるかわからない買い主の連絡を待ったり、出てきた買い主候補がローン審査に落ちたりする心配がありません。

●買取ならプライバシーも守れる

不動産買取サービスの良いところが、周囲に知られることなく不動産を現金化できることです。
不動産の広告等を出すわけではないため、家や土地を売り出すことを近隣住民に知られたくない場合は、買取の方が向いています。隣人トラブルなどがあり、なるべく家を売ることを隠しておきたい場合は買取を利用すると良いでしょう。

●買取は仲介手数料がかからない

仲介で不動産を売却した場合、不動産の売却代金に応じた仲介手数料を支払うことになります。
しかし、不動産業者の買取であれば、仲介手数料はかかりません。
仲介手数料は「不動産売却価格×3％＋6万円と消費税」が上限額です。
不動産売却では、売却代金が1,000万円を超えてることも珍しくないため、仲介手数料のない買取なら数十万円以上節約できます。

不動産買取の流れは、非常に単純です。
不動産の買取に対応している業者を探し、見積もりを取ってその金額に納得できたら、契約書を交わしてお金を払ってもらうだけです。
買取業者は現金で決済してくれるため、仲介のようにローン審査を待つこともありません。
直接業者と不動産の買取に関する契約書を交わせば取引終了です。
ただし、買取を受け付けている不動産業者は数が限られるため、買取業者を探す必要があります。

●一刻も早く不動産をお金に変えたい

少しでも早く不動産を売りたい、または相続などの事情があって一定期間内に不動産を現金化したいといったケースでは、仲介よりも買取がおすすめです。
仲介による不動産売却は、売却価格こそ高くなりますが、いつ売れるのかは買い主次第です。
場合によっては、いつまでも買い主が見つからずに売れ残ってしまうこともあるため、確実に不動産を売りたいなら買取を使いましょう。

●売りづらい不動産を売ろうとしている

築年数が古い、郊外にあるなど、需要の低い不動産を売るときも買取は効果的です。
一般消費者が欲しがらないような物件でも、買取業者が上手く活用して利益につなげられるものであれば買い取ってもらえます。
市場で人気のない不動産は、仲介で売り出しても買い主が見つからず、いずれ値下げすることになるので、最初から買取で売りましょう。

●修繕にお金がかかる

老朽化等の影響で、住居として使うには高額な修繕費がかかるような物件の売却も、買取の利用がおすすめです。
高い修繕費のかかる不動産を売る場合、買い主側の負担を考慮して大幅に値引きしたり、自分でお金をかけて修理をしてから売り出すことになります。
不動産の修繕工事には時間もお金もかかるため、不動産売却の現金化に手間をかけていられない場合は、不動産の買取業者を頼りましょう。

不動産買取業者を選ぶときは、買取実績の豊富な業者に相談することをおすすめします。
買取実績のない業者だと、不動産を活用して利益にするためのノウハウやコスト感が分からず、とにかく安く買い取ろうとしてくる場合があるからです。

また、他社との相見積もりを嫌がらない業者を探しましょう。
相見積もりを取ると、売り主はより高い買取額を提示してくれた業者を選べるようになります。
不動産を安く買うことだけを考えている業者ほど相見積もりを嫌がったり、契約を急かしてくるため、営業マンの対応をチェックすることも重要です。

不動産を高く売りたいときは仲介を、不動産を早く売りたい場合は買取を利用しましょう。

ただし、買取の場合はどの業者に相談するかで買取価格が大きく変わるため、実績豊富な業者に相談したり、相見積もりを取ったりして納得できる業者を見つけることをおすすめします。

不動産売却の方法に絶対的な正解はないので、自分たちの状況に合わせて、適した方法を選べるようになりましょう。