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column 226.
親子リレーローンとは?メリット・デメリットや後悔を避けるためのポイント2017-01-26
住宅ローンには、親子で1本のローンを組み、二世代に渡って返済をしていく親子リレーローンという商品が存在します。 ただし、親子リレーローンを良く考えずに利用した結果、ほかのローンを組みづらくなったり、家族間のトラブルになったりしてしまい、後悔する方も少なくありません。 本記事では、親子リレーローンの概要やペアローンとの違い、ほかのローンにないメリット・デメリット、親子リレーローンがおすすめできるシチュエーションに、利用時の注意点もお伝えしていきます。 親子リレーローンとは?一般的な住宅ローンとの違いは?●親子2人で一つの契約を結ぶ住宅ローン
親子リレーローンとは、親と子が共同で1本の住宅ローン契約を結ぶという、やや特殊な住宅ローンです。 たとえば、子どもと同居する二世帯住宅を建てたいが、親の年齢では長期のローンを組めないといったシチュエーションで利用されるローンです。 ●一般的な住宅ローンとの違い
住宅ローンの借入可能額は、契約者の年収に応じて上下します。 しかし、親子リレーローンは、親子の収入を合算するので、一人では組めない額のローンにも手が届くようになります。
とはいっても、1本の住宅ローンを2人で返していくことになるため、もし親が自身の持ち分を完済する前に亡くなってしまった場合、子側の返済負担が重くなる点には注意が必要です。 親子リレーローンの利用条件を紹介
親子リレーローンの一般的な利用条件は、以下の通りです。
しかし、親子リレーローンなら、親側の年齢制限を越えた長期ローンを利用可能です。 親子リレーローンとペアローンの違い●住宅ローンの契約本数と手数料が違う
親子リレーローンとペアローンの違いは、住宅ローンの契約本数と、それに伴う手数料です。 ●ペアローンは親子で同時に返済を進めていく必要がある
親子リレーローンとペアローンの違いは、返済のタイミングです。
しかし、ペアローンは、2人がそれぞれ個別に住宅ローンを組んでいるため、返済も2人同時に進めていきます。 ●団信の対象が異なる
住宅ローンを組む時、多くの金融機関で、団体信用生命保険の加入を求められます。
ただ、親子リレーローンに関しては、団信の対象が子どもだけになっているケースがあるのです。 親子リレーローンのメリットとデメリット●メリット:収入合算できるので高額なローンを組みやすい
親子リレーローンの最も大きなメリットは、親と子の収入を合算し、借り入れ額を増やせることです。 また、それぞれ2,000万円のローンを組んで別の家を買うよりも、親子リレーローンで4,000万円のローンを組み、同居する方が、グレードの高い家で暮らせるというメリットも考えられます。 ●メリット:通常ならローンを組めない年齢でも融資を受けられる
一般的に、住宅ローンには年齢制限があり、一定以上高齢になると、ローンを組めません。 ●メリット:親子の両方が住宅ローン控除を利用できる
住宅ローンの利用者は、最大13年間、年末時点のローン残債×0.7%が自身の納めた所得税や住民税から還付されるという減税制度、住宅ローン控除を受けられます。
しかし、親子リレーローンは、親子の両方がローンの契約者なので、2人共住宅ローン控除を受けられます。 ●デメリット:ほかのローンを組みづらくなる
親子リレーローンのデメリットは、ほかのローンを組むのが難しくなることです。 ●デメリット:親が急逝すると子の返済負担が増えてしまう
親子リレーローンの大きなデメリットであり、リスクともいえるのが、親が返済途中に急逝した場合、子の返済負担が増えてしまう可能性があること。 ●デメリット:みなし贈与となるリスクがある
日本では、家族間であっても高価な財産やお金を贈与すると、贈与税がかかります。 ●デメリット:相続トラブルになりやすい
お子さんが複数いるご家庭の場合、特定の子どもとのみ親子リレーローンを組むと、相続トラブルになるリスクが上がります。 「長男は親子リレーローンで家を買ったのに、次男の自分が家を買うときは何も援助がなかった」といった状況になると、相続トラブルになってしまうので、親子リレーローンを契約するときは、事前に家族で話し合いましょう。 親子リレーローンはどんな利用者に向いているの?●親子で同居したいがひとりでは希望額のローンを組めない方
親子リレーローンは、親子での同居を希望しているものの、一人だと希望額のローンを組めない方におすすめのローンです。 ●家族仲が良く贈与や相続トラブルを予防できる親子
親子リレーローンは、財産や持ち分の扱い方次第で、みなし贈与になったり、相続トラブルの原因になったりするリスクを秘めています。 後悔しないために押さえておきたい親子リレーローンの注意点●家族関係の悪化がトラブルにつながってしまう親子リレーローンは、
「親と喧嘩し同居を解消したので家を売りたいが、親の同意を得られない」
といった親子関係の悪化や状況の変化が、トラブルにつながりやすいです。 ●ローンを滞納すると親子ともにブラックリスト入りする
もし、親子リレーローンの返済中に滞納した場合、親子で住んでいる家を差し押さえられ、競売にかけられることになります。
突発的な病気や事故で、親子のどちらかが働けなくなることも十分考えられます。 まとめ親子リレーローンは、親子の収入を合算することで、ひとりでは手の届かない住宅も購入できるローンです。 大きな額の借り入れもしやすく、返済期間も長く設定でき、親子ともども住宅ローン控除を受けられるなど、さまざまなメリットを持っています。
しかし、親が急逝した場合子に返済負担が重くのしかかったり、家族関係の悪化に伴って返済プランが崩れたり、相続トラブルになったりするリスクがあるのも、間違いありません。
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