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column 3.
空家対策法が成立2015-05-08
空き家対策法が成立したって、どういうこと?住んでいる地域に、もう何十年も誰も住んでいない空き家はありませんか。以前の住人が引っ越したあと誰も入居していないとか、住んでいた人が亡くなってしまい、そのまま撤去もされず朽ちるに任せているような状態とか、そのような空き家が全国いたるところで増えています。火事になる危険性や倒壊する危険性、また見た目の悪さなどもあり、問題になっています。これは人口の減少が著しい地方だけの問題ではなく、都市部でも抱えた問題となっています。問題を解決するため、空き家対策特別措置法が制定されました。どういうことなのか、詳しい中身を見ていきたいと思います。 ![]() 空き家対策特別措置法が制定された背景とは平成26年11月、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空き家対策特別措置法)が成立しました。これにより、行政による空き家対策が本格化してきたといえます。総務省が平成26年7月に発表した「平成25年住宅・土地統計調査」によると、平成25年10月時点の空き家数は820万戸で、5年前の調査に比べ63万戸の増加になりました。また、総住宅数に占める空き家率は13.5%と、どちらも過去最高の数値となり、年々空き家が増えていることがうかがえます。防災や防犯においてはもちろん、衛生的な問題であったり景観が悪化したりなど、地域住民にとっては生活環境に深刻な影響を及ぼしているといわざるを得ません。この状況に対し、地方自治体では空き家の管理条例などを制定して対応をしていました。認定NPOまちぽっとによると、空き家の管理条例は平成26年4月の段階で、全国に303の条例があり、このうち「行政代執行」を規定している条例は177条例と、半数を超えています。空き家といえども、個人の財産であることに変わりはありません。条例などによって所有者に適切な管理の勧告や命令を行うことになりますが、それでもなお適正な管理が行われない場合が多いのが現状です。放置されたままでは地域住民の安全が損なわれると判断された場合、地方自治体などの行政機関が所有者に代わって撤去などをします。これが「行政代執行」です。このような状況を踏まえ、国による基本指針の策定、さらには市町村による空き家などへの対策をバックアップするためにこの法案は成立したのです。 空き家対策特別措置法の中身とは
この法案により、国は「空き家等に関する施策を実行するための基本事項」、つまり大まかな枠組みを定めることになります。これを基に市町村が「空き家等対策計画の作成」「その他の空き家等に関する施策を推進するために必要な事項」を作って空き家等に関する施策を推進していくことになるのです。 ![]() 空き家対策特別措置法の今後の課題国は今回の法案には盛り込まれなかった固定資産税の優遇の見直しも検討しています。住宅の敷地の固定資産税は200㎡までは本来の6分の1に軽減されます。住宅が空き家であっても軽減が続きます。そのため空き家を撤去して更地にしてしまうと固定資産税の軽減措置が受けられなくなるので、空き家が撤去されずに長期間放置される一因になっていると考えられるからです。また、空き家の中でも屋根が飛んだり悪臭がしたりと周りに迷惑がかかる物件も優遇の対象から外されることになります。 |