
日本の大地が雪の降り積もった冷たい大地から草木の命が芽吹くあたたかい大地に衣替えをしようとする中、雪解けを待たずに顔を出す春の使者が間もなく日本全国に姿を現します。
その春の使者とは日本で一番早く出てくる山菜、「ふきのとう」です。
ふきのとうとは
「ふきのとう」と「ふき」は全く別な種類の植物と思っている人がいらっしゃるかもしれませんが、両者ともにキク科の多年草で「ふきのとう」はその花茎、一般的に「ふき」と称しているのはその葉の部分。
つまり、同じ植物と言うわけです。
「ふき」の名の由来については色々ありますが、面白そうなお話を二つ程ご紹介します。
先ず、江戸時代中期の儒学者であった新井白石(あらいはくせき)さん(1657~1725)が「フキはフブキの略で、フブキとは茎を折った時、繊維が糸のように出てくることをさす。」と言ったことが由来という説。
続いては国語学者、金田一春彦(きんだいち はるひこ)さんが対馬に所用で行ったおり、ある部落のトイレに新しい「ふきの葉」が前の方に置いてあり、使用済みの「ふきの葉」が捨ててあったのを見て「ふき」は「拭き」からきているのではないかと言った説。
どちらも由来には当てはまらない可能性が大きいと思いますが、どちらも面白い由来ですよね。
「ふきのとう」と言えば「てんぷら」。
「ふきのとう」と言えば「てんぷら」ですよね。
フワッと鼻からぬける香りと軽い苦味。そしてなによりあの食感がたまらなく素晴らしいですよね。
作り方はいたって簡単、まずは下準備。
1・「ふきのとう」をサッと水洗いして水気を拭き取ります。
2・外側の汚れた皮を取り除きます。
3・根元のかたい部分を切り落とし、つぼみを少し開いておきましょう。
上記の下準備が終わったら、いよいよ調理です。
4・「ふきのとう」に薄く小麦粉をからめます。
5・同じく薄めの「衣」にくぐらせます。
6・170℃の揚げ油でサクッと揚げて油をきりましょう。
7・脂が切れたら器に盛り付けます。
8・おいしい「ふきのとう」のてんぷらの出来上がりです。
ちなみに苦味が苦手な方は低めの温度でゆっくり揚げると苦味がとれると言われています。
「春の皿には苦味を盛れ」
「春の皿には苦味を盛れ」と言う言葉があります。
これは冬の間にたまった脂肪を流し、味覚を刺激して気分を引き締めて一年の活動をスタートさせなさいと言う意味の言葉。
香りとほろ苦さで春の息吹を感じさせてくれる「ふきのとう」。
間近に迫った春を前に「ふきのとう」で身を引き締めて一年を元気よくスタートさせてみてはいかがでしょうか。