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column 141.
自分の土地に他人の建物がある場合はどうすれば良い?売却方法を紹介2018-01-01
自分の土地に他人の建物がある場合の対応は、底地をそのまま売却する、何らかのかたちで名義を統一して売却する、建物の所有者と協力し土地と建物をセットで売る、の3択です。 ただし、自分の土地と他人の建物の契約関係がどうなっているのか、建物の所有者と連絡が付くかどうかなどによって、取るべき対応は変わってきます。 本記事では、自分の土地に他人の建物がある場合の売却方法や、発生しがちなトラブル事例とその対処法、売却時の注意点を押さえましょう。 自分の土地に他人の建物があるってどんな状態?●パターン①借地権付き建物がある
借地権とは、ある土地に建物を建てる権利のことです。 借地権には、最初から貸し出し期間が決まっており、原則として更新できない定期借地権と、両者の合意があれば更新できる普通借地権があり、どちらの契約を結んでいるかによっても、売却の難易度が変わるため、注意が必要です。 ●パターン②使用貸借の建物がある
自分の土地に他人の建物があるパターンの中でも、トラブルになりやすいのが、使用貸借の建物があるケース。
たとえば、親が持つ土地の敷地内に子どもが家を建てる、近所に住んでいる知り合いに土地の一部を無料で貸すといったパターンです。 ●パターン③建物はすでにないが名義だけ残っている
非常に珍しいですが、自分の土地に過去あった建物の名義だけが残っているというケースもゼロではありません。
自分の土地にあった他人の建物が取り壊されても、建物滅失登記という手続きをするまでは登記が残ってしまうため、「建物はもう存在しないが名義はある」という状態になることがあります。 自分の土地に他人の建物があるときの売却方法●仲介業者経由で底地の買い主を探す
自分の土地に他人の建物がある場合、底地だけなら建物所有者の許諾なしで売却できます。
ただし、一般的に、「購入しても誰かわからない相手が家を建てて住んでいる土地」は、不動産市場で人気がありません。 ●買取業者に売却する
自分の土地に他人の土地がある状態で、土地を売却するもう一つの方法が、買取業者の利用です。 ●建物の名義を買い取り、一つの不動産として売却する
自分の土地に他人の建物がある時、最も売却価格を高額にできるのが、建物を買い取ってから売却するという方法です。 ●建物の所有者に土地の売却を持ちかける
経済的な問題で、建物を買い取る余裕がない場合、土地の所有権を建物の所有者に買い取ってくれないか交渉するという手もあります。
こういったお金や、許諾を取る手間を面倒に感じている物件所有者は少なくないため、交渉次第では土地を相場で売却できます。 ●建物の名義人と協力して土地・建物をセットで売却する
お互いに相手の土地や家を買い取る余力はないものの、どちらも土地や家を手放したいと考えている場合、土地の所有者と建物の所有者が同時に不動産を売るという方法もあります。 自分の土地にある他人の建物は取り壊せる?
自分の土地に建っていても、すでに人が住んでいなくても、建物自体が他人名義の資産である場合、土地の所有者は勝手に家を取り壊せません。 ただし、建物の所有者が解体に同意している場合や、借地契約の満了後、建物所有者が原状復帰(建物を解体して返却すること)を拒否しており、裁判所に訴えて解体工事の許可を得ている場合は、自分の土地にある他人の家でも解体が可能です。 自分の土地に他人の建物があるときのトラブル事例と対処法●建物の所有者と連絡が付かない
自分の土地に他人の建物があるものの、現在誰も住んでおらず誰に連絡すれば良いのかわからない場合、登記簿を確認して現所有者を確定させましょう。
また、転居や相続などによって、登記簿上の所有者とコンタクトを取れない場合、裁判所経由で「公示送達」を行うという手もあります。 ●建物の所有者と連絡できるが売却や解体の同意を得られない
建物の所有者と連絡はできるものの、土地と建物を一緒に売ったり、土地または建物の売買で名義を統一したり、誰も住んでいない建物を解体するための同意を得られなかったりする場合に必要なのは、相手方との交渉です。 ●タダで貸していた土地を自分のものだと主張されてしまった
使用貸借でありがちなのが、善意からタダで土地を貸していたのにも関わらず、借主や借主の相続人が、「この土地は自分達のものだ」と主張してくるケース。
ただし、土地の利用料や固定資産税の相当額を受け取っていなければ、法的に強いのは土地の所有者側です。 土地と建物の名義人が異なる不動産を売るときの注意点●名義をまとめるために土地や建物を無償で受け取ると贈与税がかかるたとえ家族間であっても、名義をまとめるために、自分の土地にある他人の建物を安く譲ってもらったり、自分の土地を無償で譲ったりすると、贈与税がかかります。 良かれと思って格安または無償で不動産の名義を渡すと、かえって相手に負担をかけてしまうため、名義を統一する際は、自身の不動産を相続させるか、市場価格で売却しましょう。 ●使用貸借の場合売却を考えた段階で契約書を交わす
もし、売却を考えている土地に使用貸借の建物がある場合、できるだけ早く使用貸借または借地権の契約書を交わしましょう。 まとめ自分の土地に他人の建物がある場合、土地の売却が難しくなり、建物の取り壊しもできません。 しかし、建物の所有者と交渉して家を買い取ったり、退去してもらったり、協力して土地と建物をセットで売却したりすれば、「土地と建物の権利者が異なる」という売りづらさを解消できます。 建物所有者とのトラブルを避け、スムーズに売却手続きを進められるように、自分の土地に他人の建物がある時は、不動産会社や弁護士と相談して適切な対応を見極めましょう。
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