空き地売却は、住まいの不動産売却と違って、内覧の対応や外観の手入れといった工夫で高額売却を狙うのが難しいです。 それどころか、隣地との境界線に問題があったり、販売戦略を間違えていたりすると、いつまで経っても空き地を売却できません。

そこで今回は、空き地売却の失敗を防ぐために知っておきたい、土地売却のポイントを解説していきます。

空き地売却でもっとも気をつけたいのは、土地と土地の境界を区切る、境界線に関するトラブルです。

そもそも空き地は、

• 隣地の荷物や樹木がこちら側の土地にはみ出してきている
• 相続等で手に入れた古い土地なので境界線があいまい
• 隣地も空き地で、どこが境界線なのか明確に判断できない

など、トラブルの起こりやすい状態になっているものが少なくありません。 不動産トラブルは感情的な対立につながりやすく、一旦トラブルへ発展すると、解決するまでかなりの時間がかかってしまいます。

誰だって不要なトラブルを避けたいものです。 トラブルを起こしている土地や、トラブルになりそうな要素を持っている土地は、売りに出してもなかなか条件の良い買い主を見つけられません。

だからこそ、空き地売却ではトラブルの原因になりやすい境界線を確定させてから売ることが大切なのです。

●売り出し価格の基本は周辺相場に合わせること

空き地売却をする場合、売り出し価格は周辺相場に合わせましょう。 住まいの売却と違って、土地売却では、値付けの際に築年数や外観等による資産価値の底上げができません。 よほど立地条件が良く、多くの不動産業者や投資家が欲しがるような物件でもない限り、公示価格や路線価か、もしくは需要に見合った相場通りの金額に落ち着きます。

建物のきれいさや設備の良さといった強みをアピールしづらいため、相場を大きく離れた価格にすると高確率で売れ残ってしまうのです。

●土地は売る相手によって販売戦略を変えた方が良い

土地の売り出し価格は、相場を基準にするのがポイントとなります。 しかし、どんな状況でも相場通りの値付けをすべきというわけではありません。空き地の場合、購入希望者は

• 自分で土地を買ってこれから家を建てたい一般消費者
• 買った土地を活用して駐車場や不動産経営を始めたい個人投資家
• マンションや団地、テナントといった大規模な建設も可能な不動産会社

などです。

この内、資金力の豊富な投資家や、不動産会社をターゲットにして売り込む場合は、「土地を活用して出せる儲け」を見込んで高目の価格で売り出しても良いでしょう。

売る相手の予算や活用方法を考えて、ターゲットに合わせた販売戦略を立てたり値付けをしたりすることが、空き地売却の成功につながります。

●広大地は売却するのが難しい

郊外などに広くて価格の安い土地を持っている場合、そのまま売却するのはおすすめできません。

たとえ1平方メートルあたりの単価が5,000円という破格の安さを誇る土地だったとしても、面積が1ヘクタール（1万平方メートル）あれば、最低価格は5,000万円です。 土地だけで5,000万円の予算をかけられる一般人は、まずいません。また、予算があったとしても、活用は難しいでしょう。

広ければ広いほど毎年の固定資産税も高くなってしまうので、広くて売りづらい土地は、「分筆」という手続きで使いやすいサイズに小さくしてから売ることをおすすめします。

●分筆は使い方次第で不整形地の売却にも役に立つ

なお、分筆という手続きは、

• L字
• 三角形
• 旗竿地

といった形が悪くて人気のない不整形地を、きれいな形に整形して売却する際にも使えるテクニックです。 売却に不向きな不整形地も、形を整えれば売却の可能性を高められます。

●売却途中で売るのをやめられる？

不動産業者と交わす契約は、原則3ヵ月更新です。 契約満了時に更新しなければ、物件広告等を作っていても売却をやめられます。

土地売却の失敗を避けたい場合は、土地売却を得意としている不動産業者を見つけましょう。 空き地売却では、必要に応じて不動産会社といったプロ向けの販売戦略も検討できるように、「土地の活用方法」「近隣の開発計画」等を理解している業者の協力があると心強いです。

ただし、不動産業者の実力や経験には差があります。 適当に不動産会社を決めると、売却が苦手な不動産業者と契約する羽目になってしまうので、相見積もりを取り、対応や説明にもっとも納得できた業者を選びましょう。

また、地域の土地取引状況や、今後の開発計画の推察などは、地元密着型不動産業者のほうが深く理解しています。迷った場合は、近所の不動産会社へ相談しましょう。

空き地売却は、境界線問題が起こりやすく、建物部分の内装や外観で取引価格を底上げするのも難しいため、慎重に販売戦略を立てる必要があります。

どのような相手へ売るかによっても適切な戦略や値付けのポイントが変わってくるので、困った場合は地元の不動産会社を中心に、近隣の開発事情に詳しい業者を頼るのがおすすめです。

空き地売却についてわからないことがある場合は、お気軽に当店へご相談ください。