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column 333.
不動産売却のトラブル事例!引き渡し直前の問題はどちらの責任?2019-12-24
不動産売却のトラブルは、スムーズな取引をさまたげる大きな障害の一つです。 そこで今回は、不動産売却におけるトラブル事例として、「物件の引き渡し前に何らかの問題が起きたケース」を参考に、売り主としての適切な対処法について解説していきます。 物件の引き渡し前に火事等が起きた場合どちらが責任を負うの?●民法の原則では売り主に責任のない事故や災害の被害は買い主が対処する売買契約書を作って物件を引き渡すまでの期間に、火事や地震等で売却物件が損傷した場合、買い主側の責任になるのが不動産売買における基本です。
といった自然災害による被害は、売り主にも買い主にも責任がありません。 また、大きな被害が出て売却予定の物件が全壊してしまった場合、それでも買い主は契約書で決めた売却金額を払う必要があるのか等の問題も出てくるでしょう。 民法では、こうした「どちらも悪くないのに、どちらかが責任や金銭を負担すべき状況」を解決できるように、「危険負担」というルールを作って原則買い主が責任を負うように決めているのです。 ●ただし売買契約で売り主側の危険負担を定めておくのが一般的
「災害で家が全壊していても、売り主は売買契約書の内容通り売却代金を受け取れる」という取引は、決して公平ではありません。 そのため、売買契約書では、買い主側のリスクを抑えてスムーズに売却を進められるように、「引き渡し前の滅失・毀損」という項目を作って売り主にもリスクを被せるようにしています。 ●売買契約書における「引き渡し前の滅失・毀損」の内容引き渡し前の滅失・毀損という項目の中身は、
といったものが一般的です。 ●2020年4月以降は「原則売り主の責任」になるため要注意なお、長らく危険負担を買い主側に設定していた民法の改正が決まり、2020年の4月からは、売買契約書で特約を作らなくても、原則「危険負担は売り主が負う」ことになります。
民法改正後は、売り主側が必要な補修や修復をしてから物件を引き渡すのが、不動産売却のスタンダードです。 法改正に伴って契約書のひな形も大きく変わるため、売買契約を交わすときは契約書を読み込みましょう。 問題があることを黙って売るのはNG!危険負担の注意点不動産取引では、「瑕疵担保責任」といって、重大な瑕疵(欠点・問題点)がある場合、仲介業者が買い主へ詳細を伝えることを法律で義務付けています。 売り主・業者側が瑕疵担保責任を果たさず、住まいの問題点を隠したまま売却した場合、物件の引き渡し後でも売り主が責任を持って修理費用を出したり、買い主から契約の撤回を求められたりするため、注意しましょう。
また、物件の引き渡し前に何らかのトラブルが起きた場合、一見問題がなくてもそのまま引き渡すのは危険です。 住宅の問題点を隠したり黙ったりしたまま売ると、後々トラブルに発展する可能性が高いので、不動産売却ではできるだけ誠実な対応を心がけましょう。 まとめ不動産の売買契約書を取り交わしてから、引き渡すまでの期間に火事や地震で住まいが傷ついた場合、法的には買い主の責任です。
しかし、実務上は売り主が責任を負うことになります。
売買契約上知っておいた方が良い知識は、危険負担以外にも複数あります。
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