
中古のマンションを購入しようとした時に、築年数を気にしない人はまずいないでしょう。
日本で初めてマンションが建てられたのは1950年代後半。一般的な分譲マンションが立てられるようになってきたのは、1970年代と言われています。
そろそろ1970年代に建てられたマンションも、築50年を迎える時期になってきているものもあり、マンションの建て替えを検討しているものもあるでしょう。
そこでマンションの耐用年数がどの程度になるかを考えてみたいと思います。
減価償却を導く耐用年数では47年
建物は、構造や建材によって、法律で耐用年数が定められています。
不動産投資を行う上で非常に重要な、減価償却費もこの耐用年数によって決まってくるのです。
木造であれば22年、鉄筋コンクリート造では33年、マンションで一般的なRC造では47年となってます。
これを見ると、47年間は住むことが可能だが、50年を迎えるようなマンションは、もう住むことができないので、買わない方がいい、と考える人もいるでしょう。
それはある意味では正解と言えますし、間違いとも考えられます。
日本検知学会では65年を一つの基準としてみている
住宅の機能などを専門的に観測している日本検知学会では、RC造のマンションの最低耐用年数を65年と見ています。
ただしこの65年という年数は、1970年代に建てられたものを指しているわけではありません。
1970年台のマンションは現在よりも工法面でどうしても劣りますし、何よりもマンションが長持ちするかどうかというのは、管理状態によって大きく変わってきます。
大規模修繕が定期的に隅々まで行われているのであれば、1970年代のものでもまだまだ住めるでしょうし、管理が行き届いていなければ、1980年代のものでも、もう住居用として適していないものもあるのです。
また環境面だけではなく、設備面、デザイン面などで、築50年も経つと陳腐化して、物件としての魅力や競争力がなくなるとの見方もあります。
今建てられているマンションならば100年は持つ可能性が高い
では現在建てられているマンションならば、どの程度持つのでしょうか。
タワーマンションなどの、高級マンションであれば、100年も十分に持つだろうという見解が大勢を占めるようになっています。
もちろん管理をしっかり行っていくことが前提ですが、日本でも資源節約のために、マンションなどの住居を数十年で建て替えるのではなく、欧米のように長く住める住宅づくりを推奨しています。
工法、建材、設計のあらゆる角度からマンション建設は目覚ましいレベルアップを果たしています。
今買わなくても、5年後、10年後にマンションを買いたいという人は、2000年を過ぎて建てられた物件を買えば、終の棲家とすることもできるでしょう。
