
夏の暑さもそろそろおさまってくる頃になりましたね。
もうすぐそこには過ごしやすい秋が待っています。
秋と言えば夕焼け小焼けの「赤トンボ」ですよね。
ということで、今回は「赤トンボ」のお話です。
赤トンボという昆虫はいない?
夕焼け空の下で飛ぶ「赤トンボ」と言えば、日本の秋の風物詩ですよね。
夏の終わりから、秋に入る今の時期は「赤トンボ」がたくさん見られる季節です。
「赤トンボ」が飛んでいるそばで指を立てて「赤トンボ」が指先に止まってくれると、とても嬉しい気持ちになりますよね。
そんな「赤トンボ」なのですが、実は「赤トンボ」という名前がついた種類の「トンボ」はいないそうです。
この「赤トンボ」という名前は、よく似たグループにつけられた名前です。このグループの正しい名前は「アカネ属」。
私達が普段よく見かける代表的な「赤トンボ」は「アカネ属」の「アキアカネ」という種類です。
赤とんぼは「アキアカネ」というトンボ
「アキアカネ」は、6月頃に平地の沼や池で羽化し、山へのぼります。そして夏の暑い間は涼しい山で過ごし、秋風が吹く頃に山を下り平地で過ごすようになります。
ちなみに羽化したばかりの「アキアカネ」は「黄土色」のような色をしています。山籠もりをして平地へおりてくるころに立派な「赤色」になっているというわけです。
近年の研究では「アキアカネ」の赤い体の色は気温と関係があるのではないかと考えられています。
通常「アキアカネ」のメスはオスに比べて赤色が淡いのですが、寒冷地では雌の赤い比率が高くなるそうです。
アキアカネは長距離移動する
「アキアカネ」は「渡り」をする「トンボ」としてもよく知られています。「渡り」というのは「長距離移動」のことです。
先にも記しましたが、「アキアカネ」は6~7 月にかけて平野部で羽化したら、すぐに山へのぼり、そこで夏を過ごします。そして9 月になると平地にもどってくるのです。
その「移動距離」は、なんと垂直方向に「1000メートル以上」と言われています。このような習性を持つ虫はほとんどいないそうです。
そんな山のぼりが大好きな「アキアカネ」を始め、日本で「アカネ属」に属するトンボは21種類います。晩秋にかけて海を越えてはるばる日本へやってくるトンボもいるそうです。
ただ、この「トンボ達」も様々な環境の影響により、近年はその数が激減していると言われています。
日本の秋の風物詩「赤トンボ」を減らさない為にも、私達「人間」も環境について色々と考え、行動しなければいけませんね。