仙台市太白区は、豊かな自然とアクセスの良さを両立した、子育て世帯に人気のある地域です。

ただし、同じ太白区内でも土地の価格は場所によって大きく変わります。

そこで、仙台市太白区の土地の相場を調査。過去の不動産売買取引データや公示地価などをもとに、区内の平均的な土地価格や今後の動向などをお伝えします。

仙台市の南部に位置する太白区は、人口23.7万人。
青葉区に次いで多くの人が暮らす街です。

区内で最もにぎわうエリアが、長町駅の周辺。
長町駅は、JR東北本線と仙台市地下鉄の南北線が乗り入れる接続駅です。
またJR線は、常磐線や仙台空港アクセス線も乗り入れており、どの方面に向かうにも便利な駅です。

長町駅などのエリアは太白区の東側に位置しますが、西側にも魅力的な地域が広がります。
地域のシンボルである太白山、奥州三名湯の一つに数えられる秋保温泉、ぶどう狩りもできる仙台市野草園など、豊かな自然やレジャーを楽しめることも太白区の魅力です。

仙台の副都心である長町駅を中心に、適度な利便性と豊かな自然があることが、太白区が選ばれる理由なのです。

子育て世帯を中心に人気のある太白区で土地を購入する場合、どれくらいの予算が必要なのでしょうか。
過去の不動産売買取引データをもとに、相場をみていきましょう。

太白区で2024年に取引された土地の平均価格は、坪単価で32.9万円、1平方メートルあたり約10万円です。
2024年は比較的に安価な物件の売買が多く、仙台市5区の中で太白区が一番安くなりました。
仙台市全域の平均は坪単価で約48万円ですから、お得な土地が見つけやすいかもしれません。

ただ、土地の価格は地域ごとに異なります。
たとえば長町駅の西側に広がる「長町」エリアの場合、坪単価が約100万円、売却価格は約6,800万円が、2024年の平均でした。
一方で、駅の東側に位置する「郡山」エリアは、坪単価が約35.1万円、平均売却価格が約2,800万円で、手に届く価格帯です。

南仙台駅の東側にある「中田」エリアはさらに安く、坪単価が約21.8万円、平均売却価格が2,500万円くらいの物件も多くみられます。

駅周辺など利便性を優先される方なら、中古マンションも狙い目です。
太白区の中古マンションの平均価格は、約2,300万円。
駅から徒歩10分圏、築20年ほどの物件がボリュームゾーンになっています。

不動産の市場価格は需要と供給で上下するため、市場価格だけを見ても一時的な人気で値上がりしているのか、数年かけてじわじわと高騰しているのか判断できません。
そこで注目したいのが、公示地価の変遷です。
公示地価の過去を振り返れば、土地評価額の動向がわかります。

まず、2025年の仙台市太白区全体の公示地価から紹介すると、1平方メートルあたり約12.2万円、坪単価は約40.3万円が平均です。

太白区の公示地価は、バブル崩壊後は一貫して下がり続け、2012年には1平方メートルあたり約6.5万円まで下落しました。
しかし、2013年からは一転して上昇へ。
上昇率は5％前後を推移しており、現在の土地の評価額はバブル崩壊直後（1991年）の約14.2万円に迫る勢いです。

地価は今後も高くなると予測されており、今後の動向も注目したいところです。

公示地価は、地域（地点）ごとに異なります。
ここでは、仙台市太白区の住宅地で地価が高い地点を紹介します。

公示地価が最も高いのは「鹿野3丁目」。長町駅から徒歩10分以内の地点で、1平方メートルあたり26.8万円、坪単価は約88.6万円です。

第2位と第3位も長町駅の近く。「八本松2丁目」と「長町4丁目」では、1平方メートルあたり25.3万円（坪単価は約83.6万円）でした。

以降、4位は長町一丁目駅近くの「長町2丁目」で23.9万円（坪単価は約79万円）、5位は富沢駅に近い「大野田4丁目」で23.8万円（坪単価は約78.7万円）の順に続きます。

太白区に限らずどの街にもいえることですが、駅周辺の地価は高い傾向があります。
教育機関や病院、店舗なども充実しているため、利便性を重視するなら駅の徒歩圏内で土地を探すと良いでしょう。

JRも地下鉄も使えて交通の便が良い太白区。
仙台のベッドタウンとして開発された地域のため閑静な住宅街が多く、暮らしやすさは抜群です。

とりわけ長町駅周辺の副都心は、人気エリア。
土地の価格も高い傾向にあります。
ただ、駅の反対側や少し離れた地域には、お手頃価格の物件が売買されていることもあります。

条件に合う不動産は、いつでも見つかるわけではありません。
気になる土地を見過ごすことのないように、定期的に太白区の土地情報をチェックしましょう。