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column 813.
借地権付き建物って何?メリット・デメリットや売却方法を解説2022-09-27
マイホームを探している方にとって、周囲の物件より安く買える借地権付き建物は、非常に魅力的です。 ただ、借地権付き建物は、「他人に貸してもらった土地に建てた家」という特殊物件なので、メリットやデメリットを理解した上で購入するかどうかを判断する事前知識がないと、損をすることもあり得ます。 この記事では、借地権とは何なのか、借地権付き建物にはどういった良さや注意点があるのか、将来借地権付き建物を売る場合はどうすれば良いのかといった、借地権付き建物の基本を押さえていきましょう。 借地権付き建物って何?通常の不動産とは違うの?●借地権とは
借地権とは、土地の所有者(地主)にお金を支払う代わりに、地主の土地を使わせてもらう権利のことです。
どうして借地権といった権利があるのかというと、地主と呼ばれる土地所有者の中には、「土地を手放したくないが、自分で使う予定はないので誰かに貸して活用したい」と考えている者が少なくないから。 ●借地権付きの建物とは
借地権付きの建物は、文字通り借地権が設定された不動産のこと。 借地権の種類●旧借地権
旧借地権は、1992年8月より前に結ばれた借地権契約のことです。
旧借地権は、一度土地の使用権を貸すとよほどのことがない限り土地を取り返せないという問題があり、地主側に不利な内容だったので、法改正によって普通借地権と定期借地権が生み出されました。 ●普通借地権
普通借地権は、旧借地権の内容を少し緩めたものです。
地主と賃借人が合意できれば、旧借地権と同様半永久的に土地をレンタルできますが、場合によっては地主側から契約更新を拒否できるようになっているのがポイントです。 ●定期借地権
定期借地権は、特に明確な更新期限を定めていない普通借地権と違って、最初から「○年経ったら建物を解体し、更地にして返す」という内容で土地を借りる借地権。 借地権付き建物を買うメリット●価格が安い
借地権付き建物は、お金を出しても土地を自分のものにできないため、土地・建物の両方を自分のものにできる一般的な不動産よりも割安です。 ●土地の固定資産税や都市計画税を納めなくて良い
不動産を持っていると毎年課税される固定資産税と都市計画税は、「不動産の所有者」に納税通知が届きます。 ●契約を更新すれば半永久的に土地を借りられる
普通借地権か旧借地権の物件は、地主と合意さえ取れていれば何度でも賃借権の契約を更新できるので、実質半永久的に土地の利用が可能です。 借地権付き建物に手を出すデメリット●持ち家なのに毎月土地のレンタル料金がかかる
借地権付き建物は、あくまでも地主から土地を借りているため、毎月地代を支払う必要があります。 ●住宅ローンの審査に通りづらい
借地権付き建物は、底地権が保証されておらず、差し押さえの難易度が高いです。 ●大規模なリフォーム・建て替え・売却に地主の許可が必要
借地権付き建物は、大規模なリフォームや建て替え、売却をする際に地主の同意を得る必要があります。 ●地主側の事情で立ち退きを求められることがある
土地の持ち主が地主である以上、借地権付き建物は、地主側の事情で立ち退きを求められることがあるという点にも注意が必要です。 借地権付き建物は売却できるのか
将来借地権付き建物を売りたくなったら、一般的な不動産と同様に売却できます。
また、借地権付き建物を売るためには、地主と交渉して承諾料を支払い、売却を認めてもらう必要があります。 借地権付き建物を売却する流れ●借地権付き建物を地主に売る場合借地権付き建物を地主に売る場合の流れは、以下の通りです。
不動産は、使用権と所有権がセットになった状態が最も高価になります。 ●借地権付き建物を地主以外の第三者に売る場合借地権付き建物を地主以外の方へ売る場合、以下の流れで手続きを進めていきます。
地主の許可を取るところ以外は、一般的な不動産売却と同じです。 ●地主に借地権付き建物の売却を拒否された場合
借地権付き建物を売りたいと思っても、地主が承諾してくれない場合は、裁判所に訴え出るという手が可能です。 ただ、裁判所経由で売却の許可を得るためには、裁判所にいって申し出をしたり、承諾料を支払ったりする必要があるので、あくまでも最終手段だと思っておきましょう。 まとめ借地権付き建物は、相場よりも安く買える代わりに毎月地代を払ったり、リフォームや売却時に地主にお金を払って許可を得たりする必要のある不動産です。 底地権と借地権両方が揃った通常の不動産に比べて、借地権の契約を結ぶ分、どうしても権利上の制限が多いので、借地権付き建物を適切に扱うには不動産知識や地主との交渉力が求められます。 誰にでもおすすめできる不動産ではないので、気になる物件が借地権付き建物だった場合は、不動産業者に相談してメリットとデメリットを比較しましょう。
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