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column 820.
抵当権とは?登録・抹消手続きの方法や費用について分かりやすく紹介2022-10-17
不動産をローンで買ったり、ローンで買った家をローン完済前に売ったりする場合、抵当権の設定や抹消の手続きが必要になります。 抵当権の扱い方を知らないと、不動産の売却が困難になったり、大切な不動産を金融機関に担保として差し押さえられたりすることになるので、不動産を売買するときは抵当権についても知っておきましょう。 今回は、抵当権とは何なのか、抵当権の登録や抹消の手続きはどうやれば良いのかを順番に解説します。 抵当権とは?●ローンの滞納時に不動産を差し押さえる権利抵当権とは、不動産の持ち主が住宅ローンを滞納した場合、金融機関が不動産を差し押さえても良いという権利のことです。 日本では、法律で個人財産の所有権が強く保護されているため、たとえ融資を行っている立場であっても、基本的に金融機関は住宅ローンで建てた家を差し押さえたり売却したりできないようになっています。
しかし、住宅ローンは高額の融資です。
こうした状況を解決するために不動産業界で使われているのが、抵当権です。 「家を差し押さえられる」という言葉だけを見ると、抵当権は恐ろしいものだと感じるかもしれませんが、抵当権は消費者側にもメリットのあるシステムとして運用されています。 ●抵当権を行使されるのはローンを滞納したときだけ
金融機関が抵当権を行使するのは、住宅ローンの名義人が返済を滞納した時です。 また、不動産を競売にかけると、売却価格が市場相場の半額近いところまで下がってしまうので、競売にかける前に名義人と金融機関で話し合い、任意売却を行うケースも少なくありません。 不動産を市場で売却し、その代金でローンを完済できなかった分を引き続き名義人が返済する任意売却の方が、競売よりも多くの代金を回収できるからです。 抵当権はどういうふうに設定されるの?●手続きは法務局で行う
抵当権を始めとした不動産の所有権や所有者情報は、法務局という機関の「登記簿」で管理されています。 ●抵当権設定登記の方法と必要書類・費用抵当権設定登記は、
・必要書類を揃える の2ステップです。
手続き後に抵当権が無事設定できたことを金融機関へ伝えるため、登記を証明できる書類(登記事項証明書等)を提出する必要はあるものの、手続き自体は単純です。
ただ、多くの場合、抵当権を設定するのはローンを組んで家を買うときです。
抵当権の設定登記にかかる費用は、登録免許税(原則として融資額×0.4%)と印紙税、登記事項証明書の発行料などです。 ●一般的には司法書士に抵当権の登記をお願いする抵当権の設定は個人でも可能ですが、実務的には法的な書類のプロである司法書士に頼んで登記してもらうのが一般的です。
ただし、司法書士に抵当権の登記を依頼すると、10万円前後の依頼料がかかります。 抵当権付きの不動産は相続や売却できるのか?●抵当権付きのままでも問題なく相続できる/span>
不動産に抵当権が設定されていても、相続をすること自体に問題はありません。
ローンを完済している場合は、抵当権を解除するだけなので、抵当権があってもなくても相続人の負担はさほど変わりません。
とはいえ、一般的な住宅ローンは、契約者の死亡時にローン残債を肩代わりしてくれる生命保険、団体信用生命保険への加入が必須です。 ●抵当権付き建物を売るときは抵当権の抹消手続きが必要
抵当権付き不動産を売るときは、抵当権の抹消手続きをする必要があります。
抵当権を解除するためには、ローンの完済が必要です。 抵当権の抹消とは?●登記に設定された抵当権を解除する手続きのこと
抵当権の抹消とは、登記簿に登録した抵当権を消滅させる手続きのことです。 ●ローンの完済後抵当権の抹消登記をしなかったらどうなる?
抵当権を設定するときに必要書類を揃えたり、お金を払ったりするのと同様に、抵当権の抹消登記をするときも手続きや費用が必要です。
特に、抵当権を残したまま相続が繰り返されると、ただでさえ複雑な権利関係の話や必要手続きがさらに複雑になってしまうので、ローンを完済したらすぐに抵当権抹消登記を行いましょう。 抵当権を抹消する方法と費用●抵当権を抹消する方法と費用抵当権抹消登記の手順は、以下の通りです。
基本的な手続きの流れは、抵当権を設定するときと変わりません。
ただ、抵当権抹消登記をするためには、「無事にローンを完済した」ことを証明する書類、登記原因証明情報も必要になります。 ●抵当権抹消手続きの費用
抵当権抹消登記をするためには、登録免許税を納める必要があります。
このほかに必要なのが、司法書士報酬と雑費です。 まとめローンを組んで家を買うと、不動産に必ず付いてくるのが抵当権です。
ただ、抵当権はあくまでもローンの名義人、不動産の所有者本人が法務局で設定し、抹消する必要があります。 抵当権付きの不動産を相続したり、自分で組んだ住宅ローンを完済したりした時は、早めに抵当権抹消手続きを終わらせましょう。
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