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column 864.
扶養から外れると税金はいくら増えるの?損しないための扶養の知識2023-09-04
日本には、配偶者の扶養に入っている場合、本人は所得税や各種社会保険料などの支払いを免除され、一家の大黒柱たる配偶者は配偶者控除を利用して所得税・住民税を節税できるという制度があります。
ただし、パートナーの扶養に入れるのは、年収が一定額を下回る場合のみ。 今回は、お金を稼いで損をしないようにするために知っておきたい、扶養・収入・税金の基礎をお伝えします。 年収がいくらを越えると配偶者の扶養から外れるの?●完全に配偶者の扶養から外れるのは年収201万円以上もともと配偶者の扶養に入っていた方が、完全に配偶者の扶養から外れる金額は、年収201万円以上です。 なぜ201万円なのかというと、一年で201万円よりも多く稼いだ場合、配偶者が所得税の「配偶者控除」「配偶者特別控除」を利用できなくなるから。
配偶者控除は、「一家の大黒柱が結婚・同居している相手の生活費を負担する場合、本人の税金を安くしてあげよう」という趣旨の節税制度です。
パートやアルバイトなどで働く時間や年収を抑え、相手の扶養に入るのは、扶養に入ると配偶者の税金が安くなるからです。 ●年収150万円を越えると配偶者特別控除が減る
配偶者特別控除は、「扶養されている方の年収がいくらか」によって、配偶者側の控除額が変わる制度です。 ●年収130万円以上で社会保険の扶養も外れる
社会保険の扶養から外れてしまうのが、年収130万円以上です。 ●勤め先の規模によっては年収106万円以上で社会保険の加入が必須に社会保険の加入義務として設けられている基準は、元々年収130万円でしたが、法改正によって、一部の職場では「年収106万円で社会保険の扶養から外れる」ことになりました。
具体的な基準は、以下の通りです。
130万円基準との違いは、 「週5日・毎日6時間働く」など、労働契約で週20時間以上の労働と月8.8万円以上の収入が確保されている場合、年収106万円以上で社会保険の扶養から外れます。 ●年収103万円を越えると配偶者控除を受けられない
年収103万円を越えると、配偶者控除を受けられません。
ちなみに、なぜ年収103万円以下なら配偶者控除に入れるのかというと、基礎控除48万円と給与所得控除の最低額55万円を足すと、103万円になるからです。
また、社会保険料の加入義務も満たしていないため、社会保険料を支払う必要もありません。 扶養が外れるとどんな問題がある?●所得税や住民税が高くなる
年収が103万円または201万円を越えると、配偶者控除が減ったり配偶者特別控除を使えなくなったりするため、配偶者の所得税や住民税が増えることになります。 ●社会保険料が増える
年収106万円、または130万円以上稼いで社会保険の扶養から外れたら、社会保険料の支払いが必要です。 扶養から外れると二度と戻れないのか
転職したり労働時間を伸ばしたりして、一度扶養から外れてしまっても、扶養に入るための条件を再び満たせば、配偶者の扶養に戻れます。
ただし、扶養に入れるかどうかは、1年間の収入や所得で決まります。 扶養から外れたときに必要な手続き●配偶者の会社を通じて健康保険組合や年金事務所に書類を出す配偶者がサラリーマンをしている場合、パートナーの税金は会社が計算・納税してくれているため、会社に扶養から外れたことを伝える必要があります。
また、健康保険や厚生年金も会社経由で加入しているので、配偶者を通じて健康保険の組合や年金事務所に「被扶養者異動届」という書類を提出し、健康保険証を返却しましょう。 ●勤め先の社会保険または国民年金・国民健康保険に加入する
配偶者の社会保険を脱退したら、自身の勤め先で社会保険の加入手続きをしましょう。 月収別に見る手取りと配偶者の税負担の変化税金や社会保険料のかからない年収(103万円)から、社会保険料の加入が必須になる金額(130万円)、配偶者特別控除を上限額で使える額(150万円)、完全に扶養を外れる額(204万円)まで収入を上げていった場合の、月収と手取りは以下の通りです。
一方、配偶者の税負担に関しては、被扶養者の年収が150万円を越えるまで変わりません。
ただし、被扶養者の年収150万円から201万円までの間、被扶養者が稼げば稼ぐほど配偶者の所得税と住民税が高くなっていきます。
150万円より10万円多く稼ぐ程度なら、増える税金は数千円レベルですが、被扶養者が完全に扶養から外れるくらい稼ぐと、5.2万円納税額が増えることになります。 扶養から外れるメリットは?●世帯収入が増えて好きなように働ける
年収103万円以下、または130万円以下に抑えていた方が扶養から外れるメリットは、収入を伸ばせば伸ばした分だけ家計に余裕ができること。 また、労働時間などを気にする必要がないので、アルバイトやパートを辞めて正社員になったり、起業したりできるようになります。 ●社会保険に加入できるので老後の保障等が手厚くなる
社会保険は、「被扶養者」の保障より、「契約者」として受けられる保障の方が手厚いです。 まとめ年収201万円を越え、結婚しているパートナーの扶養から外れると、配偶者の所得税と住民税は最大で10.9万円高くなります。
また、被扶養者の年収が130万円を越えた場合、社会保険の加入が必要です。 |

