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column 903.
全館空調はどれが良い?メリットやデメリットを分かりやすく解説2025-01-31
全館空調とは、家全体の室温を快適に保つシステムのことです。
しかし、従来の冷暖房に比べて初期費用が高く、導入する場合は、全館空調の強みや弱み、特徴などを理解しておくことも重要です。 全館空調とは?●居室を含む家全体の室温を快適に保つシステムのこと
全館空調とは、家全体を冷やしたり暖めたりして、どこでも快適に過ごせるようにする冷暖房システムのことです。 しかし、全館空調システムは、冷暖房で生み出した冷風や温風を家の中に循環させることで、キッチンや廊下、脱衣所にウォークインクローゼットといった空間も快適にできます。 ●24時間換気とは別物
24時間換気と全館空調は、別のシステムです。 24時間換気があれば冷暖房がなくても良い、全館空調があれば24時間換気が不要といったことにはならないので、全館空調を採用する場合も、24時間換気を設置する必要があります。 全館空調の種類とそれぞれの特徴●ダクト方式
ダクト方式とは、家の中に設置した大型の冷暖房器具からダクトを伸ばし、ダクト経由で各空間に冷風や温風を届ける全館空調のことです。 ●小屋裏・床下冷暖房方式屋根と天井の間にある小屋裏や、床下に冷暖房を設置し、冷気や熱を家全体に広げる全館空調もあります。
夏は、冷たい空気が下に行くことを利用して、小屋裏のエアコンから各部屋に冷気を下ろし、冬は暖かい空気が上に行くことを利用して、床下のエアコンから出した温風を各部屋の吹き出し口から循環させるというシステムです。 ●パネル方式パネル式は、壁や天井に冷暖房パネルを設置して、冷水や温水を循環させ、室温を調整する全館空調です。 冷風や温風を循環させるタイプの全館空調と違って、冷水や温水でじんわりと冷たくなった・暖かくなったパネルから冷気や熱気が広がっていくため、たとえばエアコンの風が苦手な方に向いています。 短時間で室温を下げたり上げたりするのは苦手ですが、駆動音も静かで、エアコンの風でペットの毛やほこり、花粉が舞い散る心配もありません。 ●エアコン方式
住宅の断熱性と気密性を高めると、家庭用のエアコンでも全館空調を実現できます。 また、エアコン方式は、家庭用のエアコンを使用するため、ダクトの取り付けといった特殊な工事が不要で、なおかつ故障時の修理・交換対応がしやすいという特徴もあります。 全館空調のメリット●高い天井や仕切りのない大空間を実現できる
全館空調は、大空間でも室温を均一に保てるシステムです。
しかし、全館空調なら、家のどこにいても快適です。 ●一年中快適な室温で過ごせる
全館空調の大きなメリットが、室温の変化を減らせることです。
特に重要なのが、冬場のヒートショック対策です。 ●メンテナンスの手間が少ない
全館空調は、大きな空調設備を一台設置し、冷風や温風を循環させるシステムなので、掃除などのメンテナンス頻度が低いです。 全館空調なら、大元の空調設備を1ヵ月に1回程度掃除すれば良いので、忙しい方にもおすすめです。 ●エアコンや室外機の数が少なくデザイン性が高い
全館空調には、空調設備が目立たないというメリットもあります。
しかし、全館空調なら、室外機は1~2台で事足ります。 全館空調のデメリット●使い方によっては冷暖房費が高くなる全館空調は、広い範囲を冷やしたり暖めたりする関係上、使い方によっては冷暖房費が高くなることもあります。
ただし、冷暖房器具の電気代が高いのは、設定温度になるまでの間です。 ●故障したときの影響が大きい
全館空調は、強力な冷暖房器具で家全体を冷やしたり暖めたりするという構造上、空調システムが故障したら、冷房も暖房も使えなくなってしまいます。 ただし、断熱性・気密性を高めた壁掛けエアコン方式の全館空調なら、エアコンが1台壊れても、もう1台のエアコンで室温を保てます。 ●初期費用・メンテナンス費用・交換費用が高い
全館空調は、一般的なエアコンやストーブを使った冷暖房に比べて、初期費用もメンテナンス費用も高額です。
ただし、個別の冷暖房にはないメリットを持つのも事実です。 ●空気が乾燥する
冷水や温水を使った輻射熱タイプの全館空調は別ですが、冷風や温風を循環させる方式の全館空調は、冬場空気が乾燥しがちです。 全館空調を採用する際の注意点●電気代を抑えるためには高断熱・高気密が必要不可欠
全館空調は、そもそも高断熱・高気密の住宅でないと、十分な性能を発揮できません。 ●メンテナンスや交換の費用も込みで設置する必要がある
全館空調は、お金のかかる設備です。
普段から全館空調を含めた住宅のメンテナンス費用を積み立てておけば、お金の問題で設備を修理できないといったトラブルを避けられます。 ●24時間換気と併用する
全館空調は、24時間換気と併用しましょう。
なお、ファンタイプの換気システムは、気密性の高い住宅だと、圧力の関係で換気能力が下がることも考えられます。 まとめ全館空調は、家の内外をすっきりとしたデザインにしつつ、家全体を快適な温度に保てる、便利な空調システムです。
ただし、そもそも住宅の断熱性や気密性が低かったり、こまめに電源をオン・オフするような使い方をしたりすると、十分な冷暖房能力を発揮できません。 |