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column 404.
不動産の売り主として知っておきたい契約不適合とは2020-08-21
2020年4月1日、「瑕疵担保責任」と呼ばれていた不動産売却ルールが、「契約不適合」へと変更されました。 そこで今回は、不動産の売り主として知っておきたい契約不適合ついて解説します。 契約不適合とは●民法の大幅な改正で作られた新しい契約ルールのこと
契約不適合とは、「不動産売却において売り主が負うべき責任」について定めたルールのことです。 そこで、「隠れた問題かどうか」ではなく、「契約書に記載されているかどうか」で責任を追求できるようにしたのが、契約不適合なのです。 ●売り主が知っておくべき5つの請求権
契約不適合では、「書類に記載されていない不具合」が見つかった場合、売り主がその問題を知っていたかどうかを問わず買い主から責任を追求されます。
・追完請求
追完請求は、「壊れた部分を直して欲しい」「問題があるので同等品を用意して欲しい」といった要求ができる権利。
2つ目の代金減額請求は、文字通り「契約にない問題があったので、そのぶん値引きしてほしい」と要求する権利です。
3つ目の催告解除は、いわゆる契約解除のこと。 4つ目の無催告解除は、重大な契約違反があった場合、買い主から一方的に契約解除をつきつけられる権利のことです。 具体的には、
・震災などで建物が全壊し、契約書に記載してある状態の不動産を引き渡せない といった場合に利用されます。 5つ目の損害賠償請求では、売り主側の落ち度に応じた損害賠償請求ができる権利です。 瑕疵担保責任と契約不適合の違い瑕疵担保責任と契約不適合には、以下のような違いがあります。
・売り主の責任は契約不適合のほうが重い
ただし、売り主と買い主の双方が合意していれば、契約不適合をすべて免責にする特約も利用できます。 契約不適合について理解せずに不動産売却を進めるリスク契約不適合を知らずに不動産売却を進めると、
・口頭では納得していたのに、取引終了後「傷んだ床と壁を直してくれ」と請求される といったトラブルを通じてお金や労力を失うリスクがあります。 「損害賠償請求」と「契約の解除」の2つしか要求されなかった瑕疵担保責任と違って、契約不適合は買主側の請求権が5つに増えているので、法改正によって買い主からの追求が厳しくなる可能性は高いです。 書類作成の手間を面倒くさがったり、書類を簡略化したりすると結局自分が困るので、契約不適合に合わせた隙のない書類作りを心がけましょう。 まとめ
民法の大規模改正に合わせて、不動産売却の瑕疵担保責任が契約不適合へと変わりました。
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