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column 869.
親・祖父母からの贈与税が安くなる!住宅取得等資金贈与の非課税とは2023-11-06
「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」という制度を使うと、親や祖父母から、最大1,000万円まで贈与税なしで家を買うための資金を援助してもらえます。 ただし、住宅取得等資金の贈与税の非課税を利用するためには、贈与税の基本的なシステムや、特例の利用条件、利用時の注意点を理解しておくことが重要です。 この記事では、親や祖父母からお得に住宅資金を援助してもらう際に役立つ、住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例について解説します。 贈与税とは
贈与税とは、「誰かからお金や資産をもらった時」にかかる税金です。
たとえば、家を買うための資金として1,000万円を親や祖父母から贈与してもらった場合、231万円もの贈与税がかかってしまいます。 贈与を非課税にする住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例とは●親または祖父母から非課税で住宅資金を援助してもらえる制度
「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」は、自分の両親または祖父母から、家を買ったり改築したりするための資金を援助してもらった場合、一般住宅なら500万円まで、省エネ等住宅であれば最大1,000万円まで非課税で贈与を受けられるという特例のこと。 ●住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例の利用条件
住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例は、非常に厳しい利用条件をクリアした方のみ利用できます。 基本的な条件を並べていくと、以下のようになります。
◯贈与される側の条件
◯援助を受けて買う家に関する条件
上記の条件に加えて、援助を受けて購入する住宅が省エネ等住宅(一定以上の断熱性能やエネルギー消費量、耐震等級などの住宅性能を持つ家)なら、1,000万円の非課税枠を利用可能です。 住宅購入時の贈与税の計算方法
贈与税の基本的な計算式は、「(一年間に受けた贈与の金額-基礎控除)×贈与税率-控除」です。 たとえば、贈与税の特例を受けずに両親から住宅資金を1,000万円贈与された場合、納税額は以下の通りです。
しかし、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」を使い、省エネ等住宅を購入すると、非課税枠が1,000万円付くため、基礎控除と特例の非課税枠が合計1,000万円を越え、無税になります。
特例を使うことによって、231万円の贈与税が、ゼロまたは53万円まで安くなります。 「住宅取得等資金贈与の非課税の特例」を使うときの注意点●特例を利用するためには贈与税の申告が必須
住宅等資金の非課税特例を利用する場合、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、「贈与税の申告」手続きが必要です。
ただ、「申告すること」自体が非課税特例の利用条件になっています。 ●法改正によって非課税枠は年々減少している
両親または祖父母から、非課税で住宅資金を贈与してもらえる特例の非課税枠は、税制改正の度に減っています。 ●住宅ローン控除の効果が減る場合も
住宅ローン控除は、ローンを組んで家を買うと、最大13年間、住宅ローン残債0.7%分の所得税と住民税が戻ってくるという制度です。 ただし、住宅ローン控除の対象になるのは、「年末時点のローン残債」と「住宅取得等の費用-非課税の贈与額」のどちらか低い方です。
たとえば、 ●何人から贈与を受けても非課税になるのは最大1,000万円まで
住宅取得等資金贈与の非課税の特例は、年間で最大1,000万円または500万円までです。 ●非課税になるのは現金の贈与なので土地や建物は贈与できない
住宅取得等資金贈与の非課税の特例で贈与できるのは、基本的に現金だけです。 ●相続トラブルに発展するリスクがある自分以外にきょうだいやいとこがいる場合、両親や祖父母から大金を贈与してもらうと、相続トラブルになりやすいです。
相続トラブルはお金持ちの世界の話だと考えている方も多いですが、 親族間で公平な贈与や相続ができるように財産の分け方を話し合ったり、いつ・どういった贈与を受けたのか記録を取ったりして、揉めるリスクを減らしましょう。 非課税限度額以上に贈与を受けたいときの対応方法●相続時精算課税制度を使って贈与を受ける
相続時精算課税制度とは、2,500万円まで非課税で贈与してもらえる贈与の方法です。 ●数年間かけて非課税で贈与してもらう
贈与に時間をかけられる場合は、基礎控除110万円の範囲内で少しずつ贈与してもらうという手もあります。 まとめ最大で1,000万円、親や祖父母から贈与税なしで家を買うためのお金を援助してもらえるのが、住宅取得等資金贈与の非課税の特例です。 ただし、住宅取得等資金贈与の非課税の特例は、節税効果が大きい分利用要件が厳しく、税制改正の度に年々非課税枠も減ってきています。 家を買う時に親や祖父母から贈与を受けられる場合は、特例の詳細を確認し、相続時精算課税制度や基礎控除内の贈与等を組み合わせて、その時、一番お得な方法で援助を受けましょう。 |

