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住宅ローンを滞納したらどうなる?滞納から競売までの流れと対処法

2023-11-07

住宅ローンを滞納したらどうなる?滞納から競売までの流れと対処法

住宅ローンは「借金」の一種ですから、借りたものは返さなければなりません。
その返済が何らかの事情でできなくなり滞納を続けると、最悪の場合、マイホームを失う可能性があります。

ここでは、住宅ローン返済が滞ったときに起こり得るリスクや、返済できなくなった時の対処法と相談先などをまとめてお伝えします。

住宅ローンを滞納するとどうなる?

住宅ローンを滞納すると、1日ごとに「遅延損害金」というペナルティが発生します。
遅延損害金はローンの元金に対して課せられ、金融機関が定めた一定の年率をかけて求めます。その年率は金融機関にもよりますが、15~20%くらいが一般的です。

放置を続けると遅延損害金が一気に高くなってしまいますので、早目に金融機関へ相談しましょう。

住宅ローン滞納を放置するリスク

住宅ローンの滞納を放置すると、遅延損害金の発生だけでなく、新たな借り入れができなくなったり、最悪のケースでは家を差し押さえられて競売にかけられることもあります。
詳しくお伝えしましょう。

新たにローンを組めなくなる

3ヵ月ほど滞納すると、金融機関は信用情報機関に対して金融事故の報告をします。
信用情報機関とは、個人のクレジットカードやローン、キャッシングなどの利用歴をまとめる団体です。

各種ローンの審査では、過去の金融事故を信用情報機関に照合し、滞納の記録などの事故があると(いわゆる「ブラックリストに掲載されている状況」)審査に通りません。
なお、事故情報の記録は5~7年ほど残るのが一般的です。
その間は、新たなローンを組んだりクレジットカードを作ったりすることができなくなります。

家が競売にかけられる

競売とは、裁判所の管理のもと自宅が強制的に売却されることです。
住宅ローンの滞納が続くと、金融機関などは裁判所に競売の申し立てを行います。
そして競売が決定すると、自宅は差し押さえられ、市場よりも大幅に安い価格で売却されてしまいます。

! 競売の厳しい現実

  • 市場価格の5~7割程度の安値で売却されてしまう
  • 売却価格でローンを完済できなければ、残った借金を返済し続けなければならない
  • 近隣住民に知られてしまう
  • 退去時期を自由に決められない

ちなみに競売の売却価格は、市場価格の5~7割程度が目安。
売却価格でローンを完済できなければ、残った借金を返済し続けなければなりません。
また、競売にかけられると「近隣住民に知られてしまう」「退去時期を自由に決められない」といったリスクもあります。

住宅ローンの滞納から競売までの流れ

住宅ローンの返済が滞ると、借り入れている金融機関から督促状や催告書などの通知書が届くことがあります。
具体的にどのような通知書が届くのかを、滞納した期間別に見ていきましょう。

時系列で見る滞納の影響

滞納1~2ヶ月

金融機関から連絡が来る

電話やメールでの連絡、支払請求書の郵送。早目に滞納分を支払いましょう。

滞納2~3ヶ月

催告書・督促状が届く

「返済しないと法的手続きに移行する」という警告。信用情報機関にも事故情報を登録するなどのペナルティも。

滞納3~6ヶ月

期限の利益喪失通知書が届く

分割払いの権利を失い、残債の一括返済を請求されます。

滞納6ヶ月~

代位弁済通知書が届く

保証会社が借金を肩代わりし、債権者が保証会社へ移行。競売準備が開始されます。

滞納7ヶ月~

差押通知書・競売開始

家が差し押さえられ、裁判所による現況調査(写真撮影等)が行われます。

滞納12ヶ月~

期間入札・強制退去

競売の入札が開始。落札されれば強制的に家から追い出されます。

【滞納1~2ヵ月】金融機関から連絡が来る

最初は、金融機関から電話やメールで支払い(引き落とし)ができていないことを伝える連絡がきます。
また、滞納期間や遅延損害金が記された支払請求書が郵送で送られてきます。
支払いが遅れるほど連絡の頻度は増すので、早目に滞納分を支払いましょう。

【滞納2~3ヵ月】催告書・督促状が届く

滞納を2~3ヵ月続けると、金融機関から「催告書」や「督促状」という封書が送られてきます。
これらは、期限までに滞納分を支払うことを伝える通知書です。

支払請求書とは違い、指定した期日までに返済しなければ「ローン残債の一括返済を求める」「信用情報機関にも事故情報を登録する」などのペナルティも課せられます。
簡単にいうと、「返済しないと法的手続きに移行しますよ」という警告を伝えるのが、催告書や督促状です。

【滞納3~6ヵ月】期限の利益喪失通知書が届く

催告書や督促状に記載された期日を過ぎても滞納を続けると、「期限の利益喪失通知」という書類が届きます。
期限の利益喪失通知とは、ローンの分割払いができなくなることを伝える書類です。
これが届くと、本人だけでなく、保証会社や連帯保証人にもローンの一括返済が請求されます。

【滞納6ヵ月~】代位弁済通知書が届く

滞納から6ヵ月を過ぎたあたりには、「代位弁済」をしたことを伝える通知書が送られてきます。
これは、残債をローン保証会社が返済したことを知らせる通知です。
これにより債権者は金融機関から保証会社に移るとともに、残債回収のために競売の準備に着手します。

【滞納7ヵ月~】差押通知書が届く

それでも返済しない場合は、債務者が勝手に家を売却しないように金融機関などが裁判所に申し立て、家を差し押さえます。
それを通知するのが「差押通知書」です。
これが届いたら、一刻も早く対処しなければ家が競売にかけられてしまいます。

【滞納8ヵ月~】競売開始決定通知書・現況調査通知が届く

競売の申し立てが通ると、「競売開始決定通知」が到着します。
また、裁判所の執行官が売却額を決めるための調査を行うことを知らせる「現況調査」の通知書も届きます。

現況調査では、周辺住民への聞き取りや物件の写真撮影などが行われます。
裁判所は必要に応じて管理会社に連絡したり、鍵開け業者を呼んだりして家の中に入るので、鍵を閉めて当日やり過ごすという手は使えません。

【滞納12ヵ月~】 期間入札通知書が届く

競売開始決定通知が届いてから半年ほどで、競売が始まります。
その入札が始まる日を知らせるのが「期間入札通知書」です。
競売は、1~2週間の入札期間内に最も高値で入札した者が、不動産を落札できるというしくみです。

開札日を迎え競売の決済が終わったら、家から出ていくことを求められます。
仮に家に立てこもっても、強制執行で無理やり追い出されるので、素直に退去するしかありません。

住宅ローンが払えないときに絶対にやってはいけないこと

住宅ローンが払えない状況に陥ると、冷静な判断ができなくなり誤った行動を取ってしまう人もいます。
その行動が、取り返しのつかないことになる可能性もあるので、慎重な判断が求められます。
特に、以下の行動は事態を悪化させるので、絶対に避けてください。

× 連絡を無視する

「返済の意思がない」とみなされ、手続きが早まる原因に。返済が厳しくても正直に相談することが重要です。

× 他の借金で返済

消費者金融などの高金利な借金で住宅ローンを返しても、雪だるま式に借金が増え、状況が悪化します。

× 勝手に売却・賃貸

抵当権がある家を無断で売ったり貸したりするのは契約違反です。一括返済や損害賠償を請求される恐れがあります。

金融機関からの連絡を無視する

「どうせ払えないから」とあきらめて、金融機関からの電話や郵便物を無視してはいけません。
連絡を無視すると「返済の意思がない」と判断され、一括返済の請求や競売への手続きが早まる可能性があります。

むしろ、返済が厳しい状況を正直に伝えて相談することが大切です。
金融機関も、「どうにかして返済してもらいたい」と考えていますし、早目に相談すれば返済方法の変更など柔軟な対応をしてもらえる場合があります。

他の借り入れで住宅ローンを返済する

消費者金融やカードローンなど、他の借金で一時的にしのぐ行為も絶対にやめましょう。
住宅ローンは、ほかの融資と比べて金利を低く抑えています。
それを、より高金利の借金で返済すれば金利負担が増えていき、状況はますます悪化します。

勝手に家を売却する

住宅ローンを組んでいる家には、抵当権が設定されています。
抵当権とは、ローンが返済できなくなった時に金融機関が物件を差し押さえる権利のことです。
つまり、抵当権が設定されている物件を無断で売却すると、契約違反になります。

また、家を賃貸として貸すことも、金融機関に無断で行うと契約違反になる場合があります。
もし発覚すれば、一括返済を求められるだけでなく、損害賠償を請求される可能性もありますので、無断で売却したり賃貸として貸し出したりするのは避けましょう。

住宅ローンを滞納する前にできること

住宅ローンの返済が厳しくなってきたと感じたら、滞納する前にできることがいくつかあります。
まずは落ち着いて、一つずつ対処していきましょう。

家計を見直す

まず取り組みたいことは、家計の見直しです。
家計の支出は、大きく「固定費」と「変動費」に分けられます。

固定費の見直し

毎月決まった額を支払う項目。一度見直すと効果が持続します。

  • 保険料(不要な保障の解約)
  • スマホ代などの通信費
  • 使っていないサブスクの解約

変動費の見直し

毎月変わる項目。我慢しすぎない範囲での節約がポイント。

  • 外食を控える
  • 節電・節水を心がける

固定費とは、毎月決まった額を支払う項目のことです。
たとえば、保険料。
団体信用生命保険と保障内容が重なるものがないかを確認し、不要な保険を解約したり保険料の安いものに変更したりして固定費を抑えましょう。
ほかにも、スマートフォンなどの契約を見直したり、使っていないサブスクリプションサービスを解約したりすることでも、支出を抑えられます。

一方の変動費は、食費や光熱費など毎月変わる項目のことです。
外食を控えたり、節電・節水を心がけたりすることで支出を抑えられますが、我慢をし過ぎるとかえって増えてしまうおそれがありますので、ほどほどに対策することがポイントです。

副業・共働きなどで世帯収入を増やす

家計を見直しても返済が難しいときは、「収入を増やす」方法も検討したいところです。
副業を始めたり、共働きをしたりして世帯収入を増やせば、ローンを滞納することなく返済を続けられます。

ただし、仕事を見つけるまでに時間がかかる場合もあります。
切羽詰まった状態になってからだと遅いので、早目に対策を始めましょう。

住宅ローンを払えないときの対処法

家計を見直しても住宅ローンの返済が難しい時は、「家を売却する」のも一手です。
売却代金で住宅ローンを完済できれば、滞納の心配がなくなります。
ただし、すでに滞納が始まっている場合は、滞納分を支払わないと売却は原則できません。

とはいえ、売却が「できないわけではない」ので、いくつかの方法をお伝えします。

1. リースバック

売却した家に、賃料を払って住み続ける方法。

  • 今の家に住み続けられる
  • 引越しや転校が不要
  • 価格は安くなり、家賃がかかる
2. 任意売却

金融機関の合意を得て、一般市場で売却する方法。

  • 市場価格に近い額で売れる
  • 引越し費用を確保できる場合も
  • 金融機関の同意が必須
3. 個人再生

裁判所を通じ、住宅ローン以外の借金を大幅に減額。

  • 家を手放さずに済む
  • 他借金を最大90%減額
  • 安定した収入が必要

リースバック

リースバックとは、売却した持ち家を賃貸物件として貸してもらう取引のことです。
利用できる不動産業者は限られますが、これを利用すれば売却代金をローンの返済に回しつつ、今の家に住み続けられます。
転勤・転校などが不要で、生活環境が変わらないため、今の家から引越したくない方におすすめです。

ただし、通常の不動産売却よりも価格が安く、家賃設定も周辺の賃貸より高いのが注意点です。

任意売却

すでに滞納が始まっている場合に、債権者の合意を得て自宅を売却する方法です。
市場価格に近い金額で売却できる可能性があり、場合によってはローン完済後に引越し代などの費用を確保できるケースもあります。
なお、金融機関の同意が必要不可欠ですから、遅くとも競売にかけられる前に金融機関へ相談しましょう。

個人再生

住宅ローン以外にも借り入れが多く、返済が厳しい時は「個人再生」が使える可能性があります。
契約している住宅ローンに「住宅ローン特則」が付いている場合、裁判所に個人再生の申し立てをすると、住宅ローン以外の借金を最大90%減額できます。
持ち家を手放さずに済むため、安定した収入がある方なら個人再生を考えるのも手です。

住宅ローンが払えないときの相談先

住宅ローンの滞納に悩んでいる方は、一人で抱え込まず、専門家に相談することが大切です。
悩んでいる方は、以下のところに相談されることをおすすめします。

借り入れ先の金融機関
滞納が1~2ヶ月の段階ならまずここへ。返済計画の見直しや借り換えのアドバイスがもらえます。
住宅ローン専門の相談窓口(不動産会社)
金融機関との交渉が難しい段階で頼りになります。任意売却の手続きなどをスムーズに進められます。
弁護士・司法書士
個人再生など、法的な手段が必要な場合に相談しましょう。

借り入れ先の金融機関

滞納期間が1~2ヵ月なら、住宅ローンを借り入れている金融機関に相談しましょう。
返済計画の見直しや借り換えなど、今後の返済方法について具体的なアドバイスをもらえます。

なお、住宅ローンの借り換えをする時は、新たに審査が必要です。
また、返済期間を延長する場合は総支払額が増える点にも注意しましょう。

住宅ローン専門の相談窓口

不動産会社の中には、住宅ローン問題に特化した相談窓口を設けているところもあります。
金融機関との交渉が難しくなってきたときは、このような専門家に相談することで、任意売却などの手続きをスムーズに進められることもあります。

弁護士・司法書士

法的な手続きが必要な段階だと、弁護士や司法書士への相談を検討しましょう。
債務整理の一種である「個人再生」など、法的な手段で問題を解決できる可能性があります。

住宅ローンの滞納に関するよくある質問

Q.住宅ローンは何回まで滞納しても大丈夫ですか?

A.1回でも滞納すれば、遅延損害金が発生します。

回数に関係なく滞納は避けるべきです。

Q.滞納してしまった場合、まず何をすればいいですか?

A.借り入れ先の金融機関に連絡し、正直に状況を説明しましょう。

滞納分と遅延損害金を速やかに支払うことが第一ですが、支払いが難しい場合は返済計画の見直しを検討してください。

Q.競売と任意売却はどちらが良いですか?

A.競売は強制的な売却であり、市場価格より安く売却されてしまうデメリットがあります。

一方の任意売却は、債権者の合意を得て行う売却で、市場価格に近い価格での売却が期待できます。
退去時期の交渉も可能ですから、多くの場合、任意売却の方が有利といえます。

まとめ

住宅ローンを滞納すると、最悪のケースでは家を差し押さえられ、競売にかけられてしまいます。
そうならないためにも、できるだけ早目に金融機関に相談して対処することが大切です。

また、滞納する前に家計を見直したり世帯収入を増やしたりといった対処法もありますから、返済が厳しいと感じたら速やかに検討し、自分の財産や家族の生活を守る方法を考えましょう。


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